弁護士ふくふくの今日が出発点

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大腸摘出手術体験談(その⑥ 緊急手術となる)

2009-03-07 23:36:09 | 大腸摘出手術体験談

 私にとって、今回の入院の差し迫った目的は肛門周囲膿瘍の痛みを治すことでした。トイレの回数も一日15回くらいにまで悪化し、下痢や下血も悪化しているので、大腸の炎症も相当、悪化していることも間違いありませんでしたが、根拠もないのに、ステロイド投与とエルキャップ(人工透析のような方法で行う白血球除去療法)で、何とか良くなるだろうというような楽観的な気持ちでした。

 入院して4、5日目、ようやく肛門の痛みピークを越えた頃、内視鏡検査を受けました。前回まで述べたように、火傷したかのようにただれ何をしなくても激痛のある肛門に内視鏡の管を入れるのかと想像しただけでも、どうにかなりそうでしたが、幸い麻酔により全く意識も痛みもない状態で検査を終えることができました。麻酔のせいで、検査後、数時間は入院した経過が自覚できなかったり、病室がどこかの待合室に感じたり、病室の外が公道やグラウンドに思えたりなどの幻覚、妄想のような症状が出ましたが翌日には正常になりました。

  内視鏡検査の結果、炎症がひどく、潰瘍が深く掘れた部分もあり、相当重症で、医師としては、内科的治療では絶対無理ということまではないものの、外科手術が相当ではないかとの判断のようでした。ただ、少しでも炎症や全身の状態を改善させ、より良い状態で手術をしようということでした。

 私自身、入院後4日間の肛門とその周囲の地獄のような痛みを味わったお陰で、再びこのような苦しみを味わう可能性があるのなら外科手術のほうがずっとましという気持ちで、すんなりと外科手術を決意しました。

 入院した時点で、医師としては、それまでの経過からステロイドは効かない可能性があり、また外科手術を予定するならステロイドは使わない方が良いということで、シクロスポリンという免疫抑制剤とエルキャップで治療することになりました。シクロスポリンは副作用の関係で2週間が限度いうことでしたが、2週間後には、相当改善し、炎症も発熱等もかなり改善されました。トイレの回数も1日、2,3回までに減り、下痢や血便も驚くほど改善されました。

 そこで、シクロスポリンを中止して経過を見ることになったものの、シクロスポリンを中止して1週間もすると、再び、トイレの回数が増え、CRP(炎症の状況を見る指数)も上昇していき、肛門の痛みがまた始まり始めました。この時点では、外科手術そのものは決定されており、ただ、一旦改善を目指しその後に手術を決めようという方針でしたが、症状が悪化し始めたため、改善をめざすのは無理ということで、外科手術の予定が11月20日と決定されました。

 ところが、手術の日程が決まったあとも、シクロスポリンの中止で悪化のスピードが速く、中止後数日たった11月7日頃から発熱が始まり、肛門の痛みが復活してくるとともに、トイレの回数が一日7回、8回と増えながらも、便が詰まったような状態になり、下痢とはいいながらも、時間をかけてようやく少しだけ出るようになりました。

 11月15日の土曜日になると、大腸が腫れたせいではなかったかと思うのですが、ほとんど便が詰まって出てこないような状態になり、このまま詰まってしまったらどうなるのだろうという恐怖が現実化し始めました。そこで、11月20日までは待てないということになり、翌日の11月16日、日曜日だけれど、緊急手術を実施することになったのです。(以下、次号に続く)