弁護士ふくふくの今日が出発点

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大腸摘出手術体験談(その⑤ 激痛後の高熱)

2009-03-06 08:24:11 | 大腸摘出手術体験談

 入院してから、毎日、肛門とその周辺の激痛を医師や看護師に訴えましたが、土日が重なったことと、内科に入院していることで、投薬治療しか受けられず、痛みに苦しみ消耗しながら週明けの月曜日の朝を迎えました。

 ようやく昼過ぎに外科の方から呼び出しがあり、臀部の肛門に近いところを切開して膿を出してみるということになりました。医師が、最初に麻酔の注射をして、すぐにメスで切った上、周辺の肉を手で押して、溜まった膿を出しましたが、思っていたほどの量は出ませんでした。切った部分にドレーンと呼ばれる管を入れて、露出した管の先から自然に膿が流れ出てくるような処置をして治療は終わりました。ドレーンと呼ばれる管は皮膚の内部に入った部分が5センチ前後、皮膚の外に出た部分が3センチくらいでちょうどジュースを飲むストローに似ているため、自分ではストローと呼んでいました。

 このストローを入れる処置をした後、少しずつ膿が外に出始め、数日のうちにズキンズキンという臀部の痛みはかなり軽減されました。また、同時に、排便の際とその後のジリジリとした火傷のような痛みも軽くなっていきましたが、これは後に述べる潰瘍性大腸炎の投薬治療が効いてきたこととも関連していたのかもしれません。

  このように、肛門周囲膿瘍の激痛は、入院後4日目をピークにしてその後急速に軽減していきましたが、今度はそれに変わって、発熱がひどくなりました。入院直後から38度程度の発熱は常時ありましたが、翌週になると、熱が高くなり、最も高いときで40度8分まで上がりました。夕方頃から、ひどい悪寒がしてきて、体がブルブルと激しく震え、歯のガチガチという音が外にも聞こえるのではないかと思われるくらいの震えが約30分間程度続き、全身がポーっと暖かくなったと感じるようになるのと同時に悪寒と震えが終わります。点滴を受けた解熱剤が効き始め、汗が出始めますが、悪寒が始まった時点で37度から38度くらいであった体温が、僅か1時間後に40度前後にまで一気に上昇していました。悪寒と震えが治まった後、引き続き1時間から2時間くらい布団を被っていると、汗で下着がびっしょりとなり、その時点で熱は38度から37度くらいまで下がり体が比較的らくになります。そういう状態がしばらく続きますが、それから2、3時間すると、再び体に力が入らないような頼りないような気分になり、「これは、そろそろかな」と思うと再び悪寒と震えが始まるということが、一晩で3回か4回繰り返されました。そして、このように夜間に、悪寒、震え、40度前後の高熱が繰り返されるということが2、3日続いた後、発熱も治まっていきました。

  こうして、入院後約1週間の間の肛門の激痛と高熱が治まり、入院後2週間くらいになると、大腸の炎症もかなり治まり、全身状態も良くなりました。これは、今回の治療の中心であるシクロスポリン(製品名はサンディミュン)という名の免疫抑制剤が効を奏したということのようでしたが、このシクロスポリンの投与は副作用との関係で2週間が限度とのことで、問題は、シクロスポリンを中止した後にどうなるかということが最大の関心事となりました。(次号に続く)