私の音楽 & オーディオ遍歴

お気に入りアーティストや出会った音楽、使用しているオーディオ機器を紹介します(本棚8)。

ウィーンフィル・ニューイヤーコンサート、2011年

2011年01月16日 | コンサート
 元旦の年中行事が今年もやってきました。
 今年の指揮者は地元オーストリア出身のフランツ・ウェルザー・メスト。まだ50歳の気鋭の指揮者という評判です。
 TVなど映像メディアがない時代は、ほんの一部の富裕層にしか提供されなかった音楽会が庶民のお茶の間に登場したのはいつからなのかなあ。ヨーロッパの優雅な貴族文化の一旦を垣間見ることができて、よい時代になったものです。

 もともとは、クレメンス・クラウスという指揮者が20世紀前半(1939年)に始めたオーストリアの地方音楽会(実は私、彼の指揮による古いレコードを持っています)。第二次大戦後はコンサートマスターのウィリー・ボフコフスキーの引き振りが話題になり、その後はグローバル化して有名指揮者が代わる代わる指揮台に上りました。日本人では唯一、小沢征爾さんが選ばれています(2002年)。

 ウェルザー・メストさんはインタビューで、「国外のオーケストラでウインナ・ワルツ指揮をすると、その方言を説明するのに苦労するけど、地元のウィーンフィルでは説明は要らないのでホッとするしスムーズに事が運ぶ」というようなことを云ってました。「ウィーン訛り」というものがクラシック音楽界に存在するらしい・・・。

 ウィーンフィルのメンバーも体で自然にリズムをとって、何とも楽しそうに演奏していて微笑ましい。ウェルザー・メストさんの指揮も大雑把で楽団員任せであり、「存分にウィーン節を聴かせましょう」といった感じでした。
 ずっと気になっていたんですが、第一ヴァイオリンの一番後方に座っていたのは日本人では?


・・・ネットで調べてみたところ、日系人らしい。以下は藤岡幸夫さん(指揮者)のブログより;
「和樹・へーデンボルグ君はウィーンフィルで二人しかいない日系人の一人。お母様が日本人で日本語完璧。コンサート後は奥様(彼女はウィーン国立歌劇場合唱団の二人しかいない日本人正式女性合唱団員の一人!)」

そして、匿名ブログより;
「ウィーン・フィルに演奏家として入団が許されるのは、ウィーン音楽大学卒で、ウィーン・フィル関係者による指導を受けた人だけ、という純血主義を保っていると聞いたことがあります。」

さらに別の匿名ブログ(記載は2010年初頭)より;
「コンサートチケットの殆どはインターネットによる抽選により取得できるだという。
来年の分は既に受付が始まっており、シートの正規料金は30から940ユーロ(約3500円~12万円)だ。
ところがこのチケットはダフ屋に流れ、毎年異常に高騰する。
日本の「ラグゼ銀座マロニエ」という旅行代理店では最高位のシートを1枚4200ユーロ(50万円)で販売していているが、これはかなり良心的だ。
私がインターネットで調べた海外のサイトでは、5600ユーロ(67万円)の値段が付いていて、しかもシートの場所はギャランティされていない。」

 ・・・なるほど。