私の音楽 & オーディオ遍歴

お気に入りアーティストや出会った音楽、使用しているオーディオ機器を紹介します(本棚8)。

プッチーニ「ラ・ボエーム」

2009年11月08日 | コンサート
本格的なオペラを生まれて初めて鑑賞しました。
東京芸術大学系のプロがソリストとオーケストラ演奏を担当し、エキストラは市民参加という公演です。
実は今回、長男がエキストラで出演するので券を購入せざるを得なかったのです(苦笑)。

プッチーニは19世紀後半から20世紀にかけて活躍した作曲家。
その舞台には「クラシック」という堅苦しい雰囲気はなく、演出も音楽も上質な古いアメリカ映画のような印象を受けます。
それもそのはず、プッチーニ以降オペラは衰退して映画の時代を迎えるのですね。

「ラ・ボエーム」はパリの下町に咲いた悲しい恋の物語です。
貧乏な詩人とお針子の幸せな恋は彼女の病と死により悲しい結末を迎える・・・当時は受けたのでしょうが、今に生きる私には起承転結が単純すぎて感情移入しにくい展開でした。

実は私、今までオペラにはあまり興味がありませんでした。
なぜって、セリフが歌になっているなんて変じゃありませんか!
まあ、食わず嫌いの面もあり、一度観てみようかと重い腰を上げました。

鑑賞後の感想は・・・

プロの「声」に脱帽!
声楽とは、人間の声を鍛えて楽器にしてしまう技なのですね。
特にヒロインの「ミミ」役:大隅智佳子さんの伸びがあってふくよかに広がる高音はいつまでも聴いていたいと思わせる絶品の声でした。
芸大声楽科を首席で卒業した才人だそうです。
ヒーローのテノールも輝く高音の持ち主でしたが、厚みがないので負けていましたね。
オーケストラの演奏もよかった~。
管楽器の暖かみのある響きはCDでは再生できません。

一方、オペラの弱点に気づきました。
一流の声楽家が一流の俳優とは限らない。
一流の声楽家が一流の容姿を持ち合わせているとは限らない。

失礼な意見かもしれませんが、現実ですね。
今日の公演の中で、魔性の女である「ムゼッタ」は美貌の持ち主という設定ですが、ちょっと・・・。

子役のエキストラで出演した息子は終始ニコニコして歌っていました。
とっても楽しそうで、よい経験になったようです。