こたつむり本舗

りうまちゃーなナマケモノのブルーな戯言の綴れ書き

氷艶2017ー破沙羅ー 5/20 マチネ 感想その五

2017-06-04 17:03:17 | ハコの覚書
 怒る岩長姫によって究極の大悪党を呼び出された猿田彦はちゃぶ台座布団乱れ飛ばして弁慶になって「歌舞伎」の世界から源義経(高橋大輔)を呼び出す、深く考えちゃいけねぇ感じるんだ!な場面だけど義経登場と共に代々木が揺れたwうん、問答無用で納得したw
 で、制作発表で演出担当の染五郎さんは言いました、歌舞伎にはなかった義経像を造ると…弁慶によって呼び出された高橋義経なんですが…まんま歌舞伎の義経なんですがっ!ww確かに登場人物の衣装やメイクは歌舞伎風ではあるけれど全く新しいデザインで、類型的歌舞伎衣装は纏っていないし歌舞伎役者が義経に扮してはいない、けれど、映像でおなじみな行動派で躍動感にあふれた義経ではなくて、伝統的に歌舞伎で演じ続けられてきた静謐で無垢な義経が氷上にいるんですけどw
 高橋大輔は小柄だしトップスケーターだしで躍動感満載行動派義経のイメージが強いのかもしれないし、ファンもそれを期待していたようだけど、昨年以降滑ったプログラムを考えると静謐無垢な義経の方がより仁に近いはず、それこそAnthem+The Person I Should Have Been=歌舞伎義経ですよ?物語の構成上終盤に大立廻りがあるのは必須だからほっといても終幕につれ躍動的にならざるをえない…それなら序盤だけでも歌舞伎義経来い!と思っていたら…まさしくその通りの過保護な家来達に守られぱなし、隙をみては寂寥感たっぷりの感慨に耽る義経でw、あな嬉しやな~、染高麗ありがとう!w
 そして二幕になるとやっぱり行動派の義経になりましたね。悪党どもの大宴会に出雲の阿国に化けて侵入する場面、最初誰だか判らなかった。日舞を習っているようではあるが男舞だけで女舞はまだの段階の習いだしてからは日が浅い、しかし付け焼き刃ではなさそう、初心者に近いわりには小道具で傘を使って綺麗なラインが出せるのはすげぇなぁ、
普通は台風と戦う人にしかならない段階だろうに、相当に踊りのセンスがあるなぁと思ってオペラグラスで覗いたら…高橋大輔だったw普通にアンサンブル黒子の誰かで義経一行がなだれ込んで大立廻りになると思ったわw
 そこからの阿国に化けてる義経の手踊り実は邦楽曲でヒップホップもトンデモナイもの観た!(トンデモなさ過ぎて記憶がふっ飛んで覚えてない)だったけど、個人的にさらにトンデナイと思ったのがその後の岩長姫にねちこくいたぶられる件、だって岩長姫本体は後ジテへの早変わりの為に早々に引っ込んでその後はプロジェクションマッピングと録音音声になっているので岩長姫と義経二人のシーンではあるが、実質は義経の台詞無しの一人芝居で映像相手に場を支えなければいけない訳で…役者でもない素人に振る演出ではないけれど…見事に悶えてましたねw見るものの心を岩長姫に傾倒させてざわめかせるほどにw
 ぎりぎりの間合いで凄いスピード突っ込んでいくダイナミックな立廻りも義経の魅力のひとつ。上体の使い方も大きく変則的な上、エッジワークがディープでえげつないことこの上なしw

 全体としてテクニックの上手い下手は勿論だけど、役者の格や華がないと場が持たないなと感じる場面もあり、歌舞伎の世襲は因習とはいえ合理的な側面もあるなと…
 そしてスケーターはマンネリしたアイスショー打破に必要なのは堅実なスケーティングスキルとシンクロナイズドスケーティングに適した資質かなと…


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