榎本ハンバーグ大学

ハンバーグが食べたくなった方、ハンバーグ専門店で働きたい方、将来ハンバーグ専門店をやりたい方、研究所でお待ちしてます!

ハンバーグ何でも辞典Q&A「2.材料編」

2014年10月26日 11時18分58秒 | ハンバーグ何でも辞典Q&A
当店で発行しているメルマガ「ハンバーグ研究所」の中に

「ハンバーグの質問・疑問に答えちゃいます」

というコーナーがあります。
それは、メルマガ内で「ハンバーグに関する疑問・質問」を募集し、それに対して私がQ&A形式で回答しているものです。
企業秘密レベルの質問もたまに寄せられるのですが、基本的にどんな質問にもお答えするよう心がけています。
そして、そのQ&Aを整理しまとめたものを6つの項目に分けてまとめました。なお、内容は随時修正、加筆していきます。






===目次===

1.ハンバーグの歴史・うんちく編
2.材料編
3.成型編
4.焼き方編
5.失敗する原因と対処法編
6.その他編




2.材料のQ&A


Q1.ナツメグは、どのくらいの量を入れればいいですか?

A1.ハンバーグにナツメグを入れる目的は、肉の臭み消しです。入れすぎるとナツメグの香りが強すぎてしまいます。感じとしては、ササッと入れるくらいです。
参考までに、当店の場合はハンバーグ約25食分に対して17振りくらいです。4食分に対して2振りです。お好みで増減して下さい。
ただ、入れすぎないように気をつけましょう!


Q2.ハンバーグに卵を入れるのはなぜでしょうか?全卵を入れた方がいいですか?卵黄だけ入れた方がいいですか?

A2.卵なしでもハンバーグを作ることは出来ます。アレルギーのある方は、代わりに山芋を使ったりします。
しかし、やはりハンバーグには全卵を入れることをオススメします。
卵の役目としては、
1.コクを出す。
2.卵白の効果で生地をなめらかにして、成型しやすくする。
3.卵黄に含まれるレシチンが脂分を乳化させ、肉汁を口当たりよくまろやかに仕上げてくれる。
4.卵のたんぱく質の凝固作用で、バラバラの状態のひき肉をくっつける。
5.フワフワ感を出す。
などが挙げられます。


Q3.ハンバーグには、生パン粉とドライパン粉のどちらを使った方がいいのですか?

A3.正直、どちらを使っても大差ありません。それから、高級なパン粉を使う必要もありません。ごく普通のパン粉を使うのが一番です。ただ、ドライパン粉の場合だけ、牛乳に浸して柔らかくしてから使いましょう。


Q4.ハンバーグの材料としてよく聞くナツメグとは何ですか。ナツメグを入れるとどうなるんですか。

A4.東インド諸島、モルッカ諸島が原産とされる果実です。
独特の甘い香りが特徴的な香辛料で、肉の臭み消しや、パン、焼き菓子などに加えたりします。
ただし、使いすぎると香りが強すぎて刺激が強くなってしまうので、使用量に注意してください。
調理法としては、ナツメグは火を通すことで香ばしくなるので、火を通す前に下ごしらえに使います。
効能は、体を暖める効果があり、冷え性の方にオススメです。
また、消化器系にも効果があり、整腸作用、腸内ガスの抑制、下痢防止にも効果があります。
ただし、注意点として、多量(約5g以上)のナツメグは痙攣を起こしたり、マリファナに似た幻覚を生じることがあるそうです。


Q5.ハンバーグを作る時に加える塩は、どのくらい入れればよいでしょうか?

A5.ハンバーグ専門書やレシピサイトなどを見ると、0.8%から1.0%くらいの間で、まちまちです。
好みもあると思いますが、参考までに当店では0.7%とかなり少なめの塩分です。
この理由は、いろいろな種類のメニューに対応するために、少なめにしています。
例えば、チーズハンバーグの場合は、チーズに塩分が含まれるため、薄味のハンバーグがちょうどいいのです。
逆に、塩気を強くしたい場合は、焼く前のハンバーグの両面に塩を振りかけてから焼いています。


Q6.ハンバーグを作る時の、牛と豚の割合はどの位がいいのでしょうか?

A6.一般的には、牛7:豚3。もしくは、牛6:豚4です。牛肉100%を売りにしているハンバーグをよく見かけますが、
ではなぜ豚肉を加える必要があるのでしょうか?
豚肉と牛肉の大きな違いには、脂の融点(溶ける温度)があります。牛脂は40℃から50℃、豚脂は30℃から40℃くらい。
つまり、口の中の体温で溶けるのは豚脂であって、牛脂は固まりネトネトした食感になります。
これを合びき肉にすることで融点が変化し、口当たりがよくなります。
つまり、ビーフステーキのような「肉の食感」を重視したければ牛肉の割合を増やし、ふんわり柔らかなジューシーハンバーグを
作りたければ、豚肉を3割から4割加えると良いということになります。
ちなみに、イベリコ豚の脂の融点は19℃で手で触っただけでも溶けます。当店では、この脂をハンバーグに使っています


Q7.ハンバーグに使う玉ねぎは、何を使えばよいですか?

A7.固くてしっかりとした玉ねぎを選びましょう。また、新玉ねぎは水分が多いので、ハンバーグが水っぽくなってしまいます。
新玉ねぎを使うときは、切った後に布巾で絞ったりして、水分を調節して下さい。また、ハンバーガーに生のまま挟んで食べる
場合は、柔らかくて刺激の少ない新玉ねぎがおすすめです。


Q8.ハンバーグに使う玉ねぎは、どのくらいまで炒めればよいのですか?

A8.玉ねぎは炒めることで甘みが出ます。砂糖などを加えたしっかりとした甘みではなく、自然な甘さとでもいいましょうか。
それをハンバーグに加えることで、味に奥行きが出ます。炒める程度ですが、しっかりと色が付くまで炒めて下さい。目安は、30%位の量になるまで。つまり、100gの玉ねぎでしたら、30g位になるまで炒めます。ただし、焦げやすいので注意が必要です。焦げたものを混ぜると、ハンバーグに焦げた苦味が移ってしまいます。それから、炒めた玉ねぎは粗熱を取り、冷蔵庫でしっかり冷やしてから使って下さい。温かいうちに挽肉と混ぜてしまうと、肉が傷みやすくなり、食中毒の原因となるので要注意です。


Q9.ハンバーグを作る時に、材料に砂糖を加えると柔らかく仕上がると聞きましたが本当ですか?

A9.砂糖には、親水性・保水性があります。例をあげると、1キロもの砂糖を200ccのお湯に溶かすことが出来るそうですよ。そのような特性を生かし、肉に砂糖をもみこむと砂糖がタンパク質(コラーゲン)と水分とを結びつけ、肉を柔らかくします。ただし、それはステーキやビーフシチューなどの塊肉の場合です。
 挽肉の場合は肉自体が挽いて柔らかくなっていることと、ハンバーグの食感が柔らかいかどうかは「つなぎ」と「脂」の量によるものなので、砂糖により柔らかくなる効果は考えられません。
 ただし、ハンバーグの表面が乾くのを防いでくれたり、パサツキを防ぐ効果は期待出来ます。


Q10.ハンバーグに入れるパン粉は、どのくらいの量がいいのでしょうか?

A10.これは好みもありますが、肉の10%前後が一般的です。挽肉200gでしたら、パン粉は20gになります。
肉の割合が多くなれば、肉らしい歯ごたえのある食感となります。パン粉などのつなぎの割合が多くなれば、柔らかい食感になります。
ただし、つなぎが多すぎると肉の味や食感がなくなり、粉っぽいボソボソとしたハンバーグになってしまいます。


Q11.ハンバーグに使う玉ねぎは、炒めた後にどのくらいまで冷やせばいいですか?

A11.冷たい状態になるまでよく冷やす必要があります。玉ねぎは、炒めた後に常温で粗熱を取り、その後冷蔵庫で冷たくなるまで冷やし
ます。
そもそもハンバーグを成型する時は、全ての材料が出来るだけ冷えた状態を維持したまま素早く行います。温まることで肉の脂が溶け、酸化がすすみ品質が低下します。最悪の場合は食中毒にもつながりますので、特に暑い季節は注意が必要です。


Q12.雑誌「料理○子」のハンバーグ特集を見ると、「玉ねぎは肉本来の旨味を邪魔するのでいらない」と説明されていました。我が家のハンバーグはいつも玉ねぎを入れているのですが、ハンバーグ研究家の榎本さんはどうしていますか?

A12.玉ねぎはいつも入れています。炒めた玉ねぎの甘さや旨味、生玉ねぎの食感が好きなので、両方入れていますよ。この辺は、好みになってくると思います。
 逆に、玉ねぎを入れない方がいい場合と言うのは、高品質なブランド和牛などを使う場合で、肉の旨味だけをを堪能したいという場合です。ですが、私の個人的な考えとしては、そのような高級肉はハンバーグにしないで、塊肉のままステーキとして食べた方がいいと思います。


Q13.ハンバーグを作る時の材料はいろいろと種類が多いですが、これらを入れる順番に決まりはありますか?最初に全部入れてしまっても大丈夫ですか?

A13.はい。注意点があります。まず最初に、肉と塩だけでよく混ぜて下さい。粘り気が出るまで混ぜます。これが最重要ポイントです。この段階で他の材料も入れてしまうと肉がつながりにくく、焼いた時の割れる原因となります。そのあとは、順番を気にせず、全ての材料を入れてしまって大丈夫です。


Q14.Q13の中で、「最初に、ひき肉に塩だけを加えてよく混ぜる。」と書いてありましたが、なぜですか?塩だけ先に入れる理由を教えて下さい。

A14.これには科学的根拠があります。ひき肉に塩を加えて混ぜると、肉のたんぱく質である「ミオシン」が溶けます。そして、溶けたミオシンが網目構造になります。この網目構造が、ハンバーグの粘り気を出し、さらに保水性が向上するんです。つまり、割れにくく、肉汁が流出しにくいハンバーグが出来あがります。
そういった理由で、ひき肉に塩を加えて粘りが出るまで混ぜ、それまでは別の材料は加えないようにしましょう。


Q15.ハンバーグを作る時に牛脂を加えるとよいとテレビでやっていましたが、どのくらい入れればいいのですか?

A15.牛脂を入れるのには、ジューシーにするため、肉汁を増やすため、香りをよくするため、味をよくするため、など利点が沢山あります。ただし、入れすぎると縮む原因ともなります。目安としては、挽肉の量の10%以内で調節してみて下さい。挽肉自体に含まれている脂分の量にもよりますし、卵や玉ねぎ、パン粉などの量によっても適量は変わってきます。
 初めは、少なめに牛脂を混ぜた小さなハンバーグを試しに焼いて味見してみて、あとはお好みで追加して加えて下さい。


Q16.ハンバーグに入れる玉ねぎは、炒めた玉ねぎでなくてはダメですか?生玉ねぎを使った場合と比べて、どのような違いがあるのでしょうか?

A16.生玉ねぎとソテー玉ねぎ。それぞれに特徴があります。生たまねぎを使ったハンバーグは、玉ねぎの食感が残ります。私は、この食感が好きです。ただし、みじん切りのサイズが大きかったりすると焼いている過程で割れやすくなりますので、小さく切りそろえることがポイントです。ソテー玉ねぎの場合は、玉ねぎの甘みとコクがハンバーグにプラスされます。
 どちらを使うかは好みです。ハンバーグ専門店の場合は、ソテー玉ねぎを使うことが多いです。ちなみに、当店の場合は、両方入れています。



Q17.フードプロセッサーで肉を自分で挽いてハンバーグを作ってみたいのですが、粗挽きのほうがおいしいのでしょうか?粗挽き・細挽きの具体的な食感などの違いを教えて下さい。挽く際の注意やアドバイスなどもあればお願いします。

A17.まずひき肉の挽き方ですが、大きく分けると「粗挽き」と「細挽き(ほそびき)」に分類できます。スーパーなどで売っているものはたいてい「細挽き」で、こちらの方が一般的です。食感がやわらかく、口当たりがなめらかで、ふんわりとしたハンバーグが出来上がります。
 逆に、「粗挽き」は、肉の食感、歯ごたえなどを残したい場合に使います。柔らかい部位でしたら「粗挽き」でも美味しく頂けますが、硬い肉質の場合は口あたりが悪く、口の中に残ってしまいます。
 では、粗挽きと細挽きとどちらがいいのか?これは正直、好みの問題ですので一概には言えません。ですが、参考までに、ハンバーグ専門店では、複数の部位の肉を挽き方を変えてブレンドして使っているお店が多いです。いろいろと試してみるのも面白いのではないかと思います。


Q18.豚牛で出来るオススメヘルシーハンバーグレシピを教えてください。

A18.ヘルシーということは脂が少なく、赤身を使ったハンバーグということになります。
もも肉などの赤身肉を買ってきて、粗めのミンチにすると肉本来の食感を楽しめて良いかと思います。

あとは、ソースの油分を減らしたり、付け合わせを生野菜、茹で野菜にするなどして、1皿全体でヘルシー志向に仕上げてもよいかもしれませんね。


Q19.鶏ムネ肉と豚肉の組み合わせは、ハンバーグに合いますか?良い組み合わせ(相性)、悪い組み合わせ教えてください。

A19.鶏のムネ肉と豚肉の組み合わせも合うと思いますよ。
部位によってそれぞれ特徴があるので、目的に合ったものを組み合わせていくと、新たな発見があるかもしれませんね!
一般的には、旨みのある部位、脂の多い部位、赤身のかたい部位などを組み合わせて作ります。





ハンバーグは家庭料理です
今も昔も、子供から大人、ご年配の方にも愛される国民食です
栄養も豊富でバリエーションも豊富。
そして、一見簡単なようで奥が深いのもハンバーグです。
一度でも作ったことがある方であれば、何かしらハンバーグに関する疑問を持っていらっしゃるのではないでしょうか。
ハンバーグ研究家として、その一助になることが出来たら幸いです








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