2005年にニジェールは干ばつとバッタの大量発生などで飢餓に見舞われました。地球ドラマチックという番組で、その前年にモーリタニアで起こったバッタ大発生の恐るべき状況を見ていたので、今回の番組でもバッタ被害が取り上げられると予想していたのがまったくの外れでした。番組は飢餓を人災として取り上げ、国境なき医師団(MSF)の子供たちへの緊急栄養治療活動を柱に、ニジェール政府・国際機関・援助団体の動きや、ニジェールの政治・経済・社会状況を描きながら展開されました。
番組には若者のヴォーカル・グループによる下記のような歌声が流れました。
石油やウランではすぐ来るが、飢饉では来てくれない
人類の恥だ、子供が死んで行くのを黙って見ている
村には骨と皮だけの子供たち、何故こんなことに
もう耐えられない、世界に合図を送るんだ
飢饉で子供達が死んでいる、政府がどんなに隠してもひどい有様だ
僕たちはまだこうして生きているけれど
人々が飢饉で死んで行くのを見ていられない
誰が救ってくれるんだ?誰が窮状から救ってくれる?
子供達が死んで行く、この現状を変えてくれ
MSFの集中栄養治療センターには、体重が正常児の半分に満たない子供達が大勢連れて来られ、子供の死亡率が戦争や人権侵害が起きている国より2~4倍も高いという悲惨な状況にありました。国連食糧計画からの緊急支援要請があったにもかかわらず、飢餓が常態化しているニジェールに対する国際社会の反応はにぶいものでした。2005年の国連人間開発計画の資料で、ニジェールの人間開発指数は177カ国中最下位でした。就学率はアフリカ最低で、人口増加率は年3%、2050年までに4倍増の見込みです。
かつてニジェールは国外からの援助を受けられない悪い独裁国家見本でしたが、現政権は民主主義の定着・発展の努力中でアフリカの民主国家の手本になっています。残念なことに、国会の議席は字の読めない裕福な商人たちで占められていました。
国際通貨基金(IMF)と世界銀行は、融資の条件に歳出削減、農業助成金と市場介入禁止、国有機関の民営化などを含む構造調整プログラムの実施を要求しました。このプログラムは歳入の充分ある先進ならまだしも、貧しい国にはそぐわず、却って貧困を助長させてしまうものでした。以前見た「ザンビアの食料援助の内幕」という番組でも、このプログラムの失敗が描かれていました。
国家予算の1/3以上を開発援助が占めており、それを元手にした開発プロジェクトの職員は公務員の10倍も高収入で、優秀な人材は公務員にならず、公務員は汚職に手を染める悪循環で、国家そのものの衰退を招いてしまったのです。国民全体の収入を挙げ、国を反映させる手助けが必要ですが、援助を価値あるものにするためには、問題に取り組む新しい手段や適切な資金の割り当て等が求められています。若者を雇用する生産部門やインフラ整備に投資するには、国外からの援助資金が必要ですが、先進国が約束した援助約束が半分も履行されていないのが実状でした。
番組には若者のヴォーカル・グループによる下記のような歌声が流れました。
石油やウランではすぐ来るが、飢饉では来てくれない
人類の恥だ、子供が死んで行くのを黙って見ている
村には骨と皮だけの子供たち、何故こんなことに
もう耐えられない、世界に合図を送るんだ
飢饉で子供達が死んでいる、政府がどんなに隠してもひどい有様だ
僕たちはまだこうして生きているけれど
人々が飢饉で死んで行くのを見ていられない
誰が救ってくれるんだ?誰が窮状から救ってくれる?
子供達が死んで行く、この現状を変えてくれ
MSFの集中栄養治療センターには、体重が正常児の半分に満たない子供達が大勢連れて来られ、子供の死亡率が戦争や人権侵害が起きている国より2~4倍も高いという悲惨な状況にありました。国連食糧計画からの緊急支援要請があったにもかかわらず、飢餓が常態化しているニジェールに対する国際社会の反応はにぶいものでした。2005年の国連人間開発計画の資料で、ニジェールの人間開発指数は177カ国中最下位でした。就学率はアフリカ最低で、人口増加率は年3%、2050年までに4倍増の見込みです。
かつてニジェールは国外からの援助を受けられない悪い独裁国家見本でしたが、現政権は民主主義の定着・発展の努力中でアフリカの民主国家の手本になっています。残念なことに、国会の議席は字の読めない裕福な商人たちで占められていました。
国際通貨基金(IMF)と世界銀行は、融資の条件に歳出削減、農業助成金と市場介入禁止、国有機関の民営化などを含む構造調整プログラムの実施を要求しました。このプログラムは歳入の充分ある先進ならまだしも、貧しい国にはそぐわず、却って貧困を助長させてしまうものでした。以前見た「ザンビアの食料援助の内幕」という番組でも、このプログラムの失敗が描かれていました。
国家予算の1/3以上を開発援助が占めており、それを元手にした開発プロジェクトの職員は公務員の10倍も高収入で、優秀な人材は公務員にならず、公務員は汚職に手を染める悪循環で、国家そのものの衰退を招いてしまったのです。国民全体の収入を挙げ、国を反映させる手助けが必要ですが、援助を価値あるものにするためには、問題に取り組む新しい手段や適切な資金の割り当て等が求められています。若者を雇用する生産部門やインフラ整備に投資するには、国外からの援助資金が必要ですが、先進国が約束した援助約束が半分も履行されていないのが実状でした。
ご高配宜しくお願い致します。。。
先生こんにちは☆
何度もブログ拝見してりますが、初投稿です!
私は某私立大・金曜6限を履修している者です。
先生の講義を受講するにつれ、最近では環境問題にどっぷりハマってしまい、色々と自分なりに調べたりしております。
そして、先日先生より「NHKスペシャル(地球シュミレーター)」のDVDを頂戴し、知り合いに色々話したりしているところです。
さて、1/16TBS NEWS23放送「地球崩壊」についてご覧になりましたか?
頂戴したDVDとほぼ同様の内容でしたが、元ゴア副大統領との対談などもあり充実したものだったと思います。
私は東京に暮らす平凡なサラリーマンですが、
3年ほど前まで、スクーバダイビングの仕事で2年間ほど
インド洋のモルディブという国におりました。
当時「温暖化」の影響はそこでも顕著に見られました。
・海水温上昇に伴うサンゴの白化
・海面上昇による高波・砂浜浸食
・エルニーニョによる気候変動
・これらによる水中動生物の生態系異変…etc.
講義で学習した「ツバル」と似たような国のことです。あれから3年経ちますが、さらなる温暖化の影響が心配です。
今は後期試験勉強そっちのけで(笑)、オススメ頂いた「スウェーデンに学ぶ「持続可能な社会」」を読んでます。
読めば読むほど恐ろしいですね。
そして経済成長優先で環境に関して環境税の見送りなどをする国の人間であることをとても恥ずかしく思います。
現在、私は結婚しておりますが子供はおりません。
近い将来に、放送したようなことが現実に起こることを考えると、子供の明るい未来はないと思います。
ですから子孫を残したい、と思わなくなってしまいました。
残念です。
それと、下記質問です。可能でしたらご教授下さい。
① 持続可能な社会について、どのように情報収集されていますか?(TV番組のチェックの方法、WEBサイトの検索方法…etc. 教えて下さい)
② 先生個人的な見解でかまいませんので、どの新聞社が環境問題等グローバルな社会問題に多くの記事・時間を割いていますか?(どこの新聞を購読しようか迷っています)
③ 他にオススメする本があれば是非読みたいので教えて下さい!
私はまだまだ勉強不足で、隔たった考えだと思います。
私の意見に対する異論助言等ありましたら是非ご指導承りたいです。
P.S. 後期試験頑張ります☆
1/16の「地球崩壊」はブログ記事を作成しながら断続的に見ました。初めて見る方々には有意義な内容だったと思いますが、私は「不都合な真実」の試写会を見てしまっているので、ゴア元副大統領の迫力がもっと伝わる内容であって欲しい気がしました。
持続可能な社会についてどのように情報収集しているかですが、情報は無数にあって考えると気が遠くなりそうです。まず何よりも関心を持つことが必要でしょう。私の場合はもともと環境問題に関心があって、定年退職後の自然科学者として微力ながら何かできないかと考えていた時、某大学で講義する機会が巡って来たのです。学生さん達に知っておいて欲しい情報はないか目を光らせているようなものです。
視聴覚に訴えるのは効果が大きいので、NHKのHPで一週間先の番組までほとんど毎日チェックしています。結構時間を取るので民放までは広げるのは止めました。NHKスペシャルや衛星放送で見応えのある番組がありますね。月~金のきょうの世界の特集も、世界情勢について含蓄のある内容が放送されるようです。
Webサイトについては、1月12日の講義で配ったプリントを参考にしてください。World Watch Instituteに登録すると(無料です)、定期的に質量とも充実した情報を配信してくれます。そこから毎年出ているState of the World(日本語版で地球白書)や、最近知ったNew Internationalist Japanから出ている月間日本語冊子も含蓄の多い記事が有ります。
新聞は毎日を購読していますが、朝日なら駄目ということはないでしょう。読売は分かりません。
ゴア元副大統領を本気で環境問題に邁進させた原動力は、交通事故での怪我から一命を取りとめた息子さんの生きてゆく世界を思ってのことだったそうです。こいちさんも、子孫を残す気になって、環境問題で積極的に発信してください。
講義中お知らせ頂いたサイトについてはひと通り拝見したのですが、観れば観るほど何もできない自分が情けなくなります。
しかし、この現状をめげずにゴアさんのようにコツコツ知らせて行こうと思います。
また、各サイトのイベントや寄付なども参加していけたらと思っております。
TV番組については、先生がNHKでしたら私は民放、新聞は先生が毎日なら私は朝日でも攻めようと思います。
今後も現実が変化するたび、情報は増えていきますよね。
来年、先生の講義が受けれないのは寂しい限りですが、時間ができたら教室にそっと御邪魔しようと思ってます。
このブログも頻繁にチェックさせて頂きますので、引き続きオススメする番組、WEB、新聞雑誌・本などありましたら是非是非ご教示下さい☆
(すごく期待していたりして…(笑))
※ 週末、「ダーウィンの悪夢」を観に行ってきます!
こいち
民放や朝日でめぼしい情報を知らせてください。そのうち自分でもブログを開設しませんか?私はこのブログで月額290円払っていますが、大容量の画像を載せたりしなければ無料で済みます。
私もこの番組を見ました。エチオピアのコーヒーの話も見ました。
詳しく教えて頂きたいのですが、IMFのプログラムは何を完成形に考えて行われたのでしょうか。
基本的に食料自給率は上げるべきだとは思いますが、先進国がこぞって無作為にそれをすると途上国の歳入が一切断たれるのは誰でも分かる事です。
WHO閣僚会議での欧米とアフリカ諸国の意見の相違点なども含めて説明頂けると有難いです。
IMFや世界銀行の構造調整プログラムは、累積債務が深刻になった国の民間活力を高め、市場主導の経済成長を実現して輸出を増加させ、国に比較的優位性を発揮させることを企図したものです。融資の条件は、i) 通貨引下げによる輸出力強化と輸入制限、ii) 政府による公的支援削減、iii) 価格統制撤廃、iv) 輸出入や為替管理の撤廃、v) 国営企業の民営化などで、これらを満たさないと、融資が受けられないしくみになっています。
豊かな先進国中心に考えられたものなので、経済基盤が脆弱で文化的背景の異なる発展途上国の実状にそぐわない点が多く、特に貧困層に深刻なダメージを与えたことが指摘されています。例えば、返済に充てる外貨獲得のための森林伐採、食用穀物栽培から換金作物単一栽培への農地転用、多国籍企業による民営化された国営基幹産業の買収、公共投資削減による教育、医療、福祉予算の削減などは、今日本でも問題になっている貧富の格差の拡大に繋がります。
WTOで大きな問題は補助金です。国内生産者に多額の補助金を払っている欧米の農産物輸出国が低価格で発展途上国に売り込みを図ると、発展途上国の零細な生産者は価格競争で立ち行かずに駆逐されてしまうのです。コーヒーを初めとする換金作物も、貿易の不公正によって生産者が不利な立場に置かれています。フェア・トレードはこれを是正する目的で進められています。
ある製品の不買運動を展開すると、その生産を生活の糧にしている人達を直撃することなり、一面的に物事をとらえただけでは解決にならない難しさがあります。しかし、現状維持がベストとは言えず、温暖化、エネルギー消費、資源枯渇など諸問題を考えれば、今までのような経済成長至上主義でなく、地球の環境容量と資源の循環を念頭に置いたライフスタイルへの転換が望まれます。その典型が地場産品に依存した地産地消です。食料不足の時代の到来が必至の状況では、発展途上国も自国民を養うための食料生産に取組むべきなのです。先進国が発展途上国にすべきことは搾取でなく、自立支援だと思います。
また少し、自分なりに考えてみます。