COCCOLITH EARTH WATCH REPORT

限りある地球に住む一地球市民として、微力ながら持続可能な世界実現に向けて情報や意見の発信を試みています。

「ニューロマーケティング~消費者は買わされている?」と題したドキュメンタリー

2012-07-17 00:21:16 | Weblog

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7月17(火)~20日(金)00:00-00:50(24時間表記)にBS1で、BS世界のドキュメンタリー<シリーズ 消費社会はどこへ?>と題したドキュメンタリーが放送されます。特に注目したいのは18日に放送の「ニューロマーケティング~消費者は買わされている?」です。 市場経済は消費者がモノを買い続けることで成長します。最近の注目は、「神経科学」研究を応用した“ニューロマーケティング”という販売戦略です。脳の反応を分析し、無意識に買いたくなるように仕向ける広告戦略で、商品を売ろうというのです。マーケティングや神経科学の専門家たちを訪ね、危険をはらんだ新しい販売促進手段の実態に迫る番組です。

 今、日本は脱原発を求める意見が沸騰しています。そのために省エネの必要性が叫ばれていますが、広告戦略で消費を煽ることは電力需要を高め、火力への依存を高めれば温室効果ガスの排出削減も難しくなります。だから原発なしでは国が成り立たないという総理大臣発言が出てくるのですが、これはいわゆる原子力ムラの意向の反映にほかなりません。間もなく掲載予定の「発展途上国をターゲットとした国際タバコ産業の戦略に見る企業の非社会的体質」では、収益を上げるためには喫煙に起因する死者が出ることも厭わない企業体質を描きますが、利益をあげるための非社会的体質は、タバコ会社に限ったものではないのです。

 掲載が遅れて事後になってしまいましたが、17日に放送された「電球をめぐる陰謀!」では、エジソンが発明した電球が売り出された当時は1500時間だった耐用時間を、1925年に世界のメーカーが1000時間に制限することを決定し、製品の寿命を短くして多くを売る」という現代にも引き継がれている考えを編み出したことが描かれました。19日放送の「脱・使い捨てプラスチック 宣言!」、20日放送の「食品廃棄物は減らせるか」はこれまでも幾度か取り上げられてきたテーマですが、何れも経済成長のために大量消費を煽る現代的価値観を鋭く批判した番組です。以下に、番組HPで得られてそれぞれの番組の概要を示します。

7月17日(火)「電球をめぐる陰謀!」。
 エジソンが発明した電球が売り出された1881年、その耐用時間は1500時間だった。1924年には2500時間に延びた。しかし1925年に世界の電球製造会社が集まり耐用時間を1000時間に限ることを決定。世界各地で作られた長持ちの電球は一つも製品化されなかった。 同じような考え方は現代にもある。破れるように作られたストッキング、決まった枚数を印刷すると壊れるプリンター、電池交換ができなかった初期のiPODなどだ。消費者の方もモノを買うことが幸福だと考え、新しいものを買い続けている。しかしその一方で、不要になった電機製品は中古品と偽ってアフリカのガーナに輸出、投棄されて国土を汚している。 電球をめぐる“陰謀”を証言と資料を元に解き明かし、消費社会の在り方に警鐘を鳴らす。原題:The Light Bulb Conspiracy  制作:Arte France/ArticleZ/Media3.14 (フランス/スペイン 2010年

7月18日(水)「ニューロマーケティング~消費者は買わされている?」。
 消費者がモノを買い続けることで成長する市場経済。専門家たちは消費者の行動を分析し、製品を買わせるべく、その方策を練っている。そんな彼らが近年目をつけているのが「神経科学」研究を応用した販売戦略、名付けて“ニューロマーケティング”。商品や広告が引き起こす脳の反応を分析し、無意識に買いたくなるように仕向ける戦略で商品を売ろうというのだ。 現在のマーケティング界の常識は、「消費者行動は無意識的」。つまり、人々は理屈では説明できない理由でモノを買うというもの。だからこそ、ブランドという実態のないものが成立するという。 ニューロマーケティングは、これまでになかった、確実に物を売る方法として研究が本格化しているが、そこに危険性はないのか、倫理的に許されることなのか、といった議論も起きている。取材班はフランス、アメリカ、イタリア、イギリスなどのマーケティングや神経科学の専門家たちを訪ね、危険をはらんだ新しい販売促進手段の実態に迫っていく。原題:Neuromarketing  制作:Altomedia (フランス 2009年)

7月19日(木)「脱・使い捨てプラスチック 宣言!」。
 現代の生活にあふれている使い捨てプラスチック容器は、自分が捨てた後はいったいどうなるのか。この疑問に対してアメリカ人男性ジェブが答えを求めていく。 例えば、たった半日で使い捨てられたレジ袋が、めぐりめぐって大海原のウミガメの胃袋に行き着くという現実。ジェブは使い捨てプラスチックの現実を学んでいく。アメリカでは今や年間1200万バレルの石油に相当するレジ袋が使われていること。ペットボトルの製造と運搬にはそのボトルの半分に相当する量の石油が必要なこと。プラスチックのリサイクルが劣悪な環境で働くアジアの貧困層の上に成り立っていること。世界中の海の漂流物の80%がプラスチックの残骸で、日光によって腐食し、プランクトンと混ざり、誤って食べてしまった野生動物の命を奪っていること。 さらに、番組の撮影中にジェブの妻が妊娠。生まれてくる赤ん坊の健康が気になったジェブは、ほ乳瓶やオモチャなどのプラスチック製品を製造するときに使われる化合物が人体に影響を与えている可能性が高いことも知る。番組の最後には無事に赤ちゃんが生まれ、ジェブは呼びかける。「少しずつプラスチックの利用を減らすことから始めてみよう」と。原題:Bag It 制作:Reel Thing Productions (アメリカ 2010年)

7月20日(金)「食品廃棄物は減らせるか」。
 世界中で膨大な量の食品が、多くの場合、食卓に上がる前に廃棄されているという現実。「規格に合わない」、「賞味期限が近い」といった理由から、食べられるものでも廃棄されているのだ。ドイツの取材班がヨーロッパやアメリカなどで食品廃棄の現状を取材するとともに、食品の無駄を減らす取り組みを追った。1年間に3百万トンのパンが廃棄されるEU。店頭に出したパンのおよそ2割が売れ残るというドイツでは、捨てられるパンを木材と混ぜて燃料にし、パンを焼いている業者もいる。さらに、食品廃棄物をバイオガスに利用するビジネスも進んでいる。 しかし、廃棄物処理場に運ばれる食品ゴミは、大量のメタンガスを発生する。食品の廃棄物を減らすことは、自動車の数を減らすことと同じく温室効果ガスの削減のために重要になっている。 ヨーロッパやアメリカで捨てられる食品の量は、世界で飢えに苦しむ人に必要な食料の3倍以上に及ぶという。番組は、食品を捨てている現実にもっと思いをはせるべきなのではないかと問いかけていく。原題:Taste the Waste  制作:Schnittstelle Film Köln & Thurn Film (ドイツ 2010年)

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