11月26日NHKアーカイブスで、飛騨白川郷合掌集落(1995年に世界遺産に登録)の茅葺屋根葺き替えが放送された。今では少なくなったらしいが、「結い(ゆい)」という伝統的制度で、大勢の村人が長年の雪の重みでずれた骨組みの補修や、新しい茅の敷き詰めに当たる様子は感動的だった。もう一つ感銘を覚えたのは、自然の素材が実に大切かつ上手に使われていることだった。
合掌屋根の基本は60度の角度に組合された合掌材である。合掌材の下端は独楽の心棒のように削られて、母屋の梁に乗せてある。強い風が吹いても屋根の揺れが伝わらないので、母屋が長持ちするそうだ。茅は元々焼畑の後に自然に生えてきたものが使われた。中で焚く囲炉裏の煙の煤は、縄や茅葺屋根を虫食いや湿気による腐りから防いでくれる。使い古しの茅は田畑で堆肥にされる。屋根の骨組みは1間(1.8 m)間隔で配置された合掌材が縦横何本もの材木と組合されてできている。何れも200年以上前に飛騨の山から切出されたものだ。釘やカスガイ等の金具は一切使わず、荒縄と粘り気の強いマンサクの若木を捩ったものでしっかり縛り付けなおす。骨組みの上に茅止めのスノコを置き、その上にしっかり茅を敷詰めた茅を、外側と内側の村人達が共同作業で、骨組みに縄でしっかり縛り付けてゆく。葺き替えは約50年に一度行われていたが、最近は囲炉裏を使わなくなったせいで間隔が短くなったらしい。
最近露見した耐震性に問題のあるマンションやホテルは問題外だが、技術が格段に進歩した今、先人の知恵は何処に言ってしまったのだろう。
合掌屋根の基本は60度の角度に組合された合掌材である。合掌材の下端は独楽の心棒のように削られて、母屋の梁に乗せてある。強い風が吹いても屋根の揺れが伝わらないので、母屋が長持ちするそうだ。茅は元々焼畑の後に自然に生えてきたものが使われた。中で焚く囲炉裏の煙の煤は、縄や茅葺屋根を虫食いや湿気による腐りから防いでくれる。使い古しの茅は田畑で堆肥にされる。屋根の骨組みは1間(1.8 m)間隔で配置された合掌材が縦横何本もの材木と組合されてできている。何れも200年以上前に飛騨の山から切出されたものだ。釘やカスガイ等の金具は一切使わず、荒縄と粘り気の強いマンサクの若木を捩ったものでしっかり縛り付けなおす。骨組みの上に茅止めのスノコを置き、その上にしっかり茅を敷詰めた茅を、外側と内側の村人達が共同作業で、骨組みに縄でしっかり縛り付けてゆく。葺き替えは約50年に一度行われていたが、最近は囲炉裏を使わなくなったせいで間隔が短くなったらしい。
最近露見した耐震性に問題のあるマンションやホテルは問題外だが、技術が格段に進歩した今、先人の知恵は何処に言ってしまったのだろう。