立憲民主党など主要野党は週明けの衆院予算委員会で、答弁が不安定な北村誠吾規制改革担当相に狙いを定める方針だ。昨年秋に辞任に追い込まれた菅原一秀前経済産業相と河井克行前法相に続く「閣僚の資質」問題と位置付け、北村氏の辞任要求も含めて攻勢を強める構え。これに対し、与党は2020年度予算案の年度内成立に向け、月内の衆院通過に全力を挙げる。「中略」

 3日から始まった20年度予算案の審議で、野党は「桜」問題や統合型リゾート(IR)汚職事件を中心に取り上げてきた。「桜」では、首相の後援会が主催した「前夜祭」の会計が政治資金収支報告書に記載されていない問題を中心に追及。しかし、有権者の関心が強いのは、深刻化する新型コロナウイルスによる肺炎への対応だ。野党も新型肺炎に質問時間を割かざるを得ず、「守り」の答弁に努める首相を追い込めていない。

 政府・与党は予算案を28日までに衆院通過させ、参院に送付したい考え。憲法の衆院優越規定により、予算案は参院で採決されなくても30日後に自然成立し、年度内成立が確定するからだ。

 野党がペースを握れないまま、既に12日の集中審議と14日の地方公聴会が決まり、自民党幹部は「衆院の出口が見えてきた」と自信をのぞかせる。同党では「桜の質問ばかりやっても野党が支持率を落とすだけ」(幹部)との声も出ている。