テキサス州ダラスで起きた警官銃撃事件で、警察は爆弾ロボットを出動させ、犯人の1人を爆死させた。ダラス警察では2015年6月、警察に逆恨みした男が武装したSUVで警察署を襲撃した際にも爆弾ロボットを使用している。
アリゾナ州ツーソン警察SWATチームと遠隔ロボット「Andros F6A」。
米国ルイジアナ州やミネソタ州で黒人男性が警官に相次いで射殺された事件(日本語版記事)を受けて、7月7日(米国時間)には全米各地で抗議活動が行われた。そして、テキサス州ダラス市では、抗議活動を警備していた5人の警官が射殺され、さらに複数の警官と2人の民間人が負傷するという襲撃事件が発生した。
ダラス警察は7月8日早朝、立てこもった犯人に対して、「爆弾ロボット」を出動させた。ロボットの爆弾で、犯人が爆死した。
これは、米国の警察史上前例のない出来事のように思われた。しかし、「カリフォルニア州戦術部隊員協会(California Association of Tactical Officers)」のシド・ヒール会長は、『ARS TECHNICA』US版の取材に対して、「米国内では前例がないことだが、想定されていなかったわけでもない」と語った。同会長は、海兵隊勤務のあと、ロサンゼルス郡保安局で地域管轄本部長を務めた人物だ。
(中略)
ダラス市警察のデヴィッド・ブラウン署長は、8日の記者会見で次のように語った。
われわれは容疑者のひとりを追い詰め、数時間に渡って交渉を試みた。だが、交渉は決裂し、容疑者との銃撃戦となったため、ロボットの延長装置に爆弾を取り付け、容疑者がいるところでそれを爆発させる以外に選択肢はないと判断した。
こうしたロボットは決して安いものではない。カリフォルニア州戦術部隊員協会のヒール会長によると、最低でも1体およそ8万ドルはするという。「わたしであれば、部下が危険にさらされるよりは8万ドルを使う」と同会長は述べた。
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