近鉄2021年７月改正（山田線、鳥羽線）

近鉄の2021年7月改正、山田線では急行と特急の見直し、鳥羽線では普通と特急の見直しなどが行われた。

●山田線

山田線は、大阪線からの直通が見直され、データイムの阪伊特急が半減、急行は五十鈴川発着が伊勢中川発着となり、山田線への直通がなくなった。データイムに大阪線から山田線へと乗り入れるのは特急が毎時１本だけとなる。大阪線急行がデータイムの山田線への乗り入れを止めたため、それに接続する名古屋線急行が松阪発着だったのを五十鈴川発着に変更、代わりに五十鈴川発着を松阪発着に変更している。このことで、午前を中心に名古屋発41分の五十鈴川行は松阪行になるが、終点の松阪で鳥羽方面の普通にすぐに接続する。

一方、データイムの五十鈴川発上り急行を見ると、18分上本町、55分名古屋だったのが、13分名古屋行のみとなり、急行上本町行は伊勢中川で乗換という形になる。急行の伊勢市発は18分、16分の特急の直後の設定だ。さらに直後に20分発の快速みえがある。津までは近鉄急行の方が10分先行するが、桑名では快速みえが数分早着、名古屋では逆転して近鉄急行の方が数分早着となる。運賃は近鉄の方が安いが、近鉄は値上げがある上、ＪＲの遠距離と通し運賃となると差は縮まる。

ところで、東武の快速がなくなった今、100キロ以上も無料優等が走るのは、ここ近鉄名古屋線・山田線だけになる。東武と違い、松阪市、伊勢市と人口の多い都市があり、観光需要だけでなく都市間需要が見込めるからだ。とはいえ、今回の改正で毎時１本となったので、有料特急とワンマン普通という東武と同じ状況になる可能性は否定できない。

普通列車は伊勢中川発9時45分普通賢島行を9時57分の普通鳥羽行に繰り下げ、急行から接続させる。夜間時間帯は20時55分の普通鳥羽行を20時51分に繰上げ、五十鈴川行から短縮した松阪止急行から接続させる。伊勢中川発22時08分の賢島行については、22時14分に繰下げ、行先を宇治山田行に変更する。時刻を繰り下げることで、名古屋線急行から名伊特急からすぐに接続して、名古屋から伊勢中原、松ヶ崎への利便性が向上する。一方、この賢島行最終を宇治山田行に短縮、代わりに伊勢中川発21時49分を五十鈴川行から賢島行最終にして、鳥羽以南の最終を繰り上げるが、これについては次の志摩線で触れる。伊勢中川発23時12分の鳥羽行については、明星行に短縮変更させている。明野から先、伊勢市方面へは16分後の宇治山田行がフォローする。

●鳥羽線

鳥羽線は山田線で述べた通り、終電の繰上げの他に優等を中心に行先の変更が行われる。

宇治山田から先は伊勢中川発22時34分の宇治山田行を鳥羽行に変更して、鳥羽方面への最終とする。このことで、宇治山田での鳥羽行最終は23時49分から23時21分に繰り上がる。鳥羽行最終に接続する特急は、改正前は近鉄名古屋発22時05分だが、今回の改正では近鉄名古屋発21時45分に繰り上がる。それでも参宮線の最終に接続するのが、名古屋発19時45分の特急南紀であることと比べれば２時間も遅い。急行については、宇治山田発22時18分（名鉄名古屋発20時31分）の急行を鳥羽行だったのを五十鈴川行に変更する。鳥羽方面の賢島行最終には18分で接続する。

特急については運転区間の短縮変更を行ない、鳥羽線への接続を見直す。
平日ダイヤでは、宇治山田発19時31分、20時42分、21時42分、22時10分の名伊特急については鳥羽線への乗り入れを止めて、宇治山田止に変更する。上りも鳥羽発19時40分の名古屋行は五十鈴川発19時48分に、同じく鳥羽発20時40分の名古屋行は松阪発21時10分に変更、名古屋へは20分前の阪伊特急から乗り継ぐ形となる。土休日は、名古屋発９時台から14時台及び、17時45分の名伊特急鳥羽行を全て宇治山田行に変更する。データイムの６本は、宇治山田での鳥羽線への接続はない。鳥羽発も、9時台から14時台まで名伊特急は賢島発が毎時１本のみとなり、阪伊特急が五十鈴川にて６分で接続する形となる。

夜間は22時台に一部特急の行先変更を行い、宇治山田行と鳥羽行を入れ替える。このことで、鳥羽行最終特急は、宇治山田発22時10分（名古屋発20時45分）から22時36分（名古屋発21時10分）へ20分以上の繰下げとなる。宇治山田で普通鳥羽行に乗り継ぐケースとは、名古屋場面で80分差だったのが35分差となる