今月1日、スイスのアルプス山脈を縦貫するゴッタルド鉄道トンネルが開通した。
トンネルはスイス中部のエルトスフェルトと南部のボディオを結び、全長は57.1キロメートル、青函トンネルを上回り世界最長のトンネルになった。工事に着工したのは1999年、完成までは17年の歳月と日本円で1兆3000億の総工費がかかった。
トンネルを通過時間は17分、最終試験を終えた後、260本の貨物列車と65本の旅客列車を走らせる予定である。
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青函トンネルを超える山岳トンネルがスイスに開通、大清水トンネルが1982年に開通するまでは50キロほど西側にあるシンプロントンネル(全長19,800m)が70年以上も世界一をキープしていたが、それを再び奪還することになった。でも、海底トンネル、複線トンネルとしては世界一の長さである。
ゴッタルド鉄道トンネルは、単線並列構造なので、すれ違いを気にせずに高速運転ができる。そのためトンネル内での平均速度は200キロぐらいになる。青函トンネルも単線並列で作れば、すれ違いを気にせずに高速運転できたのだけど、地盤の関係で山岳トンネルとして複線で作ったからな。そのおかげで、総工費は7500億とゴッタルド鉄道トンネルに比べて抑えられているのだけど。ちなみに、英仏海峡トンネルも単線並列だが、ユーロスターの最高速度は160キロに抑えられている。
トンネルが開通したものの、営業運転開始は12月になるとのこと。日本では開通=営業運転開始なんだけどね。トンネルを通過する貨物列車は260本、旅客列車は65本、青函トンネルの貨物51本、新幹線26本に比べるとだいぶ多い、特に貨物の本数は青函トンネルの5倍以上で、平均11分間隔で運転されていることになる。旅客列車は毎時2本ぐらい、ミラノとチューリッヒを直接結ぶ特急が6往復しかないことを考えると、それ以外の都市間列車が多いのだろうか。
12月改正で、特急がゴッタルド鉄道トンネルを経由するようになると、ミラノ、チューリッヒ間の所要時間は3時間40分から2時間40分と1時間も短縮されるとのこと。所要時間及び短縮時間は、北陸新幹線開業時の東京~金沢間や、北海道新幹線開業時の仙台~函館間に匹敵する。鉄道6往復2時間40分に対し、飛行機は5往復が55分、チューリッヒ空港は市の中心部からSバーンで10分だけど、マルペンサ空港はミラノの中心部から40分以上かかるからな。3時間を切ることで、飛行機との競争力が高まるかもしれない。
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