拝島ライナー2018春デビュー

西武鉄道では2018年春から有料座席指定列車『拝島ライナー』を40000系電車で運転することを発表した。運転区間は西武新宿→拝島間、運転時間帯は夕方・夜間で、下りのみの設定とする。
『拝島ライナー』のロゴは、Hの文字を座席に見立て、着席サービスをイメージしたもの、その色は沿線の緑をイメージした『グリーン』と玉川上水の水の流れをイメージした『ブルー』で表現している。
料金、停車駅、運転時刻など詳細については決定次第発表する。

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今春から走り出した池袋線・秩父線の有料座席指定列車『S-TRAIN』。それに次いで、来春からは、新宿線・拝島線でも有料座席指定列車が設定されることが明らかになった。拝島方面への設定は、有料特急空白域というのもあるけど、中央線・青梅線への対抗というのもあるのかと。『拝島ライナー』の運用車両は『S-TRAIN』と同じ40000系、ロングシートにして一般列車との共通運用が可能だが、『S-TRAIN』のように運用を分けるかもしれない。

拝島への有料座席指定列車は、2011年から2014年まで運転された。2011は12/11から12/18までの毎日運転し、高田馬場を出ると、2011は田無、小平、玉川上水のみに停車、2012年は西武の創立100周年を記念して8/24～8/30まで運転、この時に、田無を通過し、東大和市に停車するようになった。同じ年の12/10～12/16にも運転した。2013は12月の第２・第３木金に運転、2014は12月の第２・第３・第４木金に加え、９月に運転された。2015、2016は設定がなかったが、2017年になって今回のプレスリリースとなった。

『拝島ライナー』の停車駅はこの臨時特急を踏襲するのだろう。途中から通過になった田無は微妙、高田馬場からは20分かからないけど、最近有料座席指定列車の停車駅になったせんげん台や枚方市も20分かからないのだな。『S-TRAIN』は保谷に停まるけど、あれは対有楽町線だからな。拝島線内の停車駅を、東大和市、玉川上水のみとするか、玉川上水から先を各駅停車にするか、小平から先を各駅停車にするかも気になるところ。『S-TRAIN』のような降車専用だったら、東大和市、玉川上水のみ停車の可能性がある。ただ、『S-TRAIN』は朝上りの設定があるから終点で降車専用にしているので、夜下りに設定される『拝島ライナー』に、このことが適用されるかはわからない。
2016年度の乗降客数で見ると、玉川上水の42000人が一番多く小平の39000人を上回る。次いで、拝島が36000人、小川が29000人、東大和市が25000人となる。小川は東大和市を上回るが、国分寺からの流動が多いのだろう。玉川上水～拝島間の武蔵砂川、西武立川ともに11000人と他駅の半分以下、萩山は10000人しかおらず、西武遊園地までの各駅の客を合計しても26000人だ。それを踏まえると、東大和市、玉川上水停車なのだけど、玉川上水から拝島までの各駅に停めれば、先行する各駅停車を玉川上水から先で部分廃止して入庫させることが可能だ。

40000系は2017年度末で６編成体制になる。そのうち半分に当たる３編成が新宿線に投入されれば、２編成での運用で１時間半ほどの間隔で『拝島ライナー』の運転が可能となる。17時台から23時台まで設定すれば５本の運転が可能だ。池袋線の方も３編成になれば、豊洲→所沢間『S-TRAIN』の増発が可能になるから、来春改正時に行なわれるだろう。

ここで同時間帯のJRと比較してみる。まず、所要時間。西武は50分ほどだが、JRは、青梅ライナー３号と５号が38分、１号と通勤快速２本が43分、快速は50分前後となっている。速い列車は５本だけで、快速、通勤快速は東京発なので着席保証はない。歌舞伎町辺りからだと所要時間差もなくなるから、西武が優位となる。
次に特別料金。『拝島ライナー』の特別料金は、『Sライナー』を踏襲した場合、西武新宿から拝島までの距離は40キロに満たないので、300円ということなる。一方、青梅ライナーの料金は510円、今はE257での運転だが、あと数年経てばE353での運転となる。また、中央線快速にもグリーン車がつくようになり、平日770円、土休日570円で利用できるようになる。グリーン車は40000系のシートより快適だが、平日の料金は倍以上になる。

来年５月には、全線開業50周年を迎える西武拝島線。直通する西武新宿線に、終日の有料特急が走り出してから25年経過して、ようやく有料特急が走り出すのだなと。今回は夕夜下りのみの設定になるけど、朝上りは西武新宿線及び西武新宿駅のスペック的に難しいのだろうか。『S-TRAIN』が朝上りに設定できるのは、池袋線の複々線区間から有楽町線に乗り入れているからだし。