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松竹伸幸氏除名は「スターリンと同じと言われても仕方ない」 共産党員ら「党中央批判」の異例会見
2024/01/11
J-CASTニュース
共産党が2024年1月15日から18日にかけて4年ぶりの党大会を開くのを前に、現役共産党員らが1月11日、記者会見を開いた。
共産党では、党首公選を行うように求める書籍を出版したことなどが原因で、松竹伸幸氏が規約上最も重い「除名」の処分を受けている。松竹氏は党大会で処分の再審査を求めているが、実現するかは不透明だ。登壇者からは除名のプロセスを批判する声が相次ぎ、「スターリンと同じではないかと言われても仕方ない」という発言も出た。党内のハラスメントを訴える人もいた。現役党員が記者会見して党批判を展開するのは極めて異例だ。
「ロジックではなく権威主義と物量で少数意見を圧殺」
登壇者は7人で、「日本共産党の全国大会へ、全党員と市民の注目を党員・有志から求める会」を名乗る。SNSを通じた情報交換を通じて記者会見の話が持ち上がったといい、7人が同じ場所にそろうのは初めてだ。「もし党中央にばれてしまったときに、最悪、処分される」として全員が匿名で発言した。6人が現役党員、1人が除籍された元党員だとしている。地域別は東日本から4名、西日本から3名。年齢は40~70代と幅広い。地方議員や専従活動家だった人もいるという。
松竹氏が除名されたのは、23年1月に出版した著書「シン・日本共産党宣言──ヒラ党員が党首公選を求め立候補する理由」(文春新書)が発端。23年2月には除名が決まった。
学生時代から30年以上、関東地方で党員をしているというAさんは、除名が「共産党と社会との断絶にもつながるのではないか」として、SNSで除名に批判的な発信を続けてきた。こういった声には除名賛成派から激しい反応が寄せられたといい、
「多数派による、共産党内での少数派に対する抑圧ではないか。非常に恐ろしく感じている。ロジックではなくて、権威主義と物量で少数意見を圧殺するようにも見えた。立場を変えると、共産党が結党以来、右派政界や保守政界からされてきたことだ」
などと懸念した。松竹氏の見解に同意しない部分も多々あるが、それでも「除名はやりすぎ」。除名はいったん撤回して、党内の議論に任せるべきだとした。
松竹氏によると、松竹氏が党員として所属する京都府南地区委員会から1月25日に呼び出しの電話があり、2月2日に聞き取り調査が行われた。その結果、松竹氏が「分派」活動を行っているとして、5日に除名処分が決まった。松竹氏は2月2日の調査の様子を、23年4月27日付のブログで次のように明かしている。
「調査が終わった段階で、地区委員長は、『あなたを除名する』と宣告したのである。地区の常任委員会に諮らないどころか、その場にいた人たちに相談もしなかった。これって、調査の前から『除名』が決まっていたということである」
規約は「党の内部問題は、党内で解決する」というけれど
登壇者のCさんは、一連のプロセスを次のように批判した。
「これはあり得ないと思う。初めに『調査します』と言って、そのときの最後に『あなたは除名です』。普通、調査をしたら一旦引き上げて検討して、それから除名を通告する。警察だって今、こういうことやらないですよね?こういう無茶苦茶な除名の仕方というのは、私たち一般の党員に対して恐怖を与える」
その上で、再審査が必要だと主張した。
「国民からの信頼を得られない、スターリンと同じではないかと言われても仕方ないような、こういう除名過程は良くないと思うので、ぜひとも党大会では、再審査を要求したい」
共産党の規約には「党の内部問題は、党内で解決する」とあり、会見自体が規約違反に問われる可能性もある。ただ、登壇者からは
「ハラスメントを組織内で解決するのは不可能」
「全く党内では解決しない。ここで声を上げなければ、党の存立にもかかわる」
といった発言が相次いだ。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)
松竹伸幸氏除名は「スターリンと同じと言われても仕方ない」 共産党員ら「党中央批判」の異例会見
2024/01/11
J-CASTニュース
共産党が2024年1月15日から18日にかけて4年ぶりの党大会を開くのを前に、現役共産党員らが1月11日、記者会見を開いた。
共産党では、党首公選を行うように求める書籍を出版したことなどが原因で、松竹伸幸氏が規約上最も重い「除名」の処分を受けている。松竹氏は党大会で処分の再審査を求めているが、実現するかは不透明だ。登壇者からは除名のプロセスを批判する声が相次ぎ、「スターリンと同じではないかと言われても仕方ない」という発言も出た。党内のハラスメントを訴える人もいた。現役党員が記者会見して党批判を展開するのは極めて異例だ。
「ロジックではなく権威主義と物量で少数意見を圧殺」
登壇者は7人で、「日本共産党の全国大会へ、全党員と市民の注目を党員・有志から求める会」を名乗る。SNSを通じた情報交換を通じて記者会見の話が持ち上がったといい、7人が同じ場所にそろうのは初めてだ。「もし党中央にばれてしまったときに、最悪、処分される」として全員が匿名で発言した。6人が現役党員、1人が除籍された元党員だとしている。地域別は東日本から4名、西日本から3名。年齢は40~70代と幅広い。地方議員や専従活動家だった人もいるという。
松竹氏が除名されたのは、23年1月に出版した著書「シン・日本共産党宣言──ヒラ党員が党首公選を求め立候補する理由」(文春新書)が発端。23年2月には除名が決まった。
学生時代から30年以上、関東地方で党員をしているというAさんは、除名が「共産党と社会との断絶にもつながるのではないか」として、SNSで除名に批判的な発信を続けてきた。こういった声には除名賛成派から激しい反応が寄せられたといい、
「多数派による、共産党内での少数派に対する抑圧ではないか。非常に恐ろしく感じている。ロジックではなくて、権威主義と物量で少数意見を圧殺するようにも見えた。立場を変えると、共産党が結党以来、右派政界や保守政界からされてきたことだ」
などと懸念した。松竹氏の見解に同意しない部分も多々あるが、それでも「除名はやりすぎ」。除名はいったん撤回して、党内の議論に任せるべきだとした。
松竹氏によると、松竹氏が党員として所属する京都府南地区委員会から1月25日に呼び出しの電話があり、2月2日に聞き取り調査が行われた。その結果、松竹氏が「分派」活動を行っているとして、5日に除名処分が決まった。松竹氏は2月2日の調査の様子を、23年4月27日付のブログで次のように明かしている。
「調査が終わった段階で、地区委員長は、『あなたを除名する』と宣告したのである。地区の常任委員会に諮らないどころか、その場にいた人たちに相談もしなかった。これって、調査の前から『除名』が決まっていたということである」
規約は「党の内部問題は、党内で解決する」というけれど
登壇者のCさんは、一連のプロセスを次のように批判した。
「これはあり得ないと思う。初めに『調査します』と言って、そのときの最後に『あなたは除名です』。普通、調査をしたら一旦引き上げて検討して、それから除名を通告する。警察だって今、こういうことやらないですよね?こういう無茶苦茶な除名の仕方というのは、私たち一般の党員に対して恐怖を与える」
その上で、再審査が必要だと主張した。
「国民からの信頼を得られない、スターリンと同じではないかと言われても仕方ないような、こういう除名過程は良くないと思うので、ぜひとも党大会では、再審査を要求したい」
共産党の規約には「党の内部問題は、党内で解決する」とあり、会見自体が規約違反に問われる可能性もある。ただ、登壇者からは
「ハラスメントを組織内で解決するのは不可能」
「全く党内では解決しない。ここで声を上げなければ、党の存立にもかかわる」
といった発言が相次いだ。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)
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