アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

第31回東京国際映画祭:私のDAY1

2018-10-26 | アジア映画全般

昨日のオープニングはスルーした第31回東京国際映画祭ですが、本日からいよいよ始動しました。基本的にはプレス&ID試写という、一般上映とは違う場所で見ることがほとんどなのですが、たまには一般上映の方にも潜り込みますので、どこかできっとお目にかかれると思います。六本木会場の夜はこんな感じです。


さて、本日は、図らずも「中華デー」となってしまいました。見た3本が、中国と台湾の作品だったのです。簡単にですが、ご紹介しておきます。

<コンペティション>
『詩人』
2018/中国/123分/中国語/原題:詩人/英題:The Poet
監督:リウ・ハオ(劉浩)
キャスト:ソン・ジア(宋佳)、チュー・ヤーウェン(朱亞文)、チョウ・リージン


©2018 Edko Films Ltd. All Rights Reserved.

時代は文革終了後間もない、中国の北部の小さな町。ここには鉱山があり、鉱石が採れる山へと鉄道が走っています。その鉱山で働く詩人である男性と、その献身的な妻の物語です。詩人は夜間大学にも通っていて、そこを修了すれば現場から事務職へと配置転換も可能。その一方で、彼が書く詩も少しずつ認められるようになっていきます。妻は、さらに彼の詩を世の中に知ってもらおうと、ガリ版印刷で彼の詩集を出そうとするのですが、工場勤めのあとに夜、印刷機を持っている人の家で作業をするのを夫に怪しまれ、徐々に二人の心は離れていくことに....。

最初に登場する駅前広場がやけに「文革・文革」している、と思ったら、案の定セットでした。上映後にあった監督や出演者とのQ&Aは聞かなかったのですが、そこで「2億円でセットを作った」と語られたのだとか。それだけに作り物の感が強く、出てくるエピソードもどこか現実離れしていて、あまり心に迫ってきませんでした。妻役のソン・ジア始め、工場での彼女の後輩になるチョウ・リージンなど、女優たちの演技力は魅力的だったのですが...。文革から改革・開放経済発展期へと移り変わる「時代」を、監督は描きたかったようです。


<アジアの未来>
『海だけが知っている』
2018/台湾/96分/中国語/原題:只有大海知道/英題:Long Time No Sea
監督:ツイ・ヨンフイ(崔永徽)
キャスト:ホアン・シャンホー(黄尚禾)、ジョン・ジアジュン(鍾家駿)、リー・フォンイン(李鳳英)


©Swallow Wings Films

台湾の蘭嶼島を舞台にした作品。祖母と暮らす小学生の男の子は、高雄に出稼ぎに行っている父親が恋しく、時折祖母に反抗してしまいます。靴がボロボロで、買ってきてくれるという約束も守ってくれない父。そんな時、小学校に新しい先生がやってきます。先生はこの島の先住民族の踊りをみんなに憶えさせ、コンクールに出場しようと言いますが...。

嶼島には、フィリピンのバタン島から移住してきたタオ族の人々が住んでいるのだとか。祖母はこのタオ族の言葉を話すのですが、少年は国語(標準中国語)を話しており、祖母は聞けばわかるが話せない、という設定です。一方で、タオ族の言葉を話す父と祖母の会話は、まるでタガログ語みたいに聞こえます。嶼島の出稼ぎの実態と共に、台湾各地での先住民の意識の高まりも描いていて興味深いのですが、これもいまひとつ胸に迫ってこなくて残念でした。


『武術の孤児』
2018/中国/121分/中国語/原題:武林孤児/英題:Wushu Orphan
監督:ホアン・ホアン(黄璜)
キャスト:ジン・ジンチェン、ホウ・ユンシャオ、リウ・ジーハン


©Dadi Century (Beijing) Co.,Ltd.

 人里離れた所にある止戈武術学校は、小学生数十人を抱える寄宿制の学校です。武術を中心に教えていますが、もちろん普通の小学校のように、国語や数学の授業もあります。ここにやってきた青年は事務長の甥で、国語担当教師として赴任したのですが、次々と先生がやめていくため、次には英語、最後には数学も教える羽目に。校長はかくしゃくとした老人で、ハヤブサを飼っており、どうやら武術の達人らしいのですが、その息子は足をケガしたのが元で、ぶらぶらするだけの男になってしまっていました。他に、女性医師やその元カレの武術の先生など、ユニークな人々が集まるこの学校には、いつも脱走を試みては連れ戻される少年がいました...。

見る前は大いに期待していたのですが、学園ものとしても、武術ものとしても中途半端でした。クスリと笑わせてくれるところはあるものの、それぞれの季節(「秋分」「寒露」「霜降」等々、いかにも格調高いタイトルが現れるのですが、本筋ともあまり絡んでこないし...)ごとに挿入される謎の隻眼老人と様々な老武術家との闘いも、まったく意味不明。う~む...。

というわけで、残念ながらいまだ目が覚めるような作品には当たらずじまい。まだ第1日目なので、この先に期待しましょう。しかしながら、目の覚めるようなお方には出会いました。今年の<アジアの風>の審査員、ピート・テオです。お久しぶり~~~。思わず握手し、お写真を撮らせてもらいました。


お隣はやはり審査員のジェレミー・スゲさん。ご親切に、「ピートとあなたの写真を撮りましょうか?」と申し出て下さって、恐縮してしまいました(お言葉に甘えました)。審査員のもうお一人は山下敦弘監督で、外国人のプレスの方からサインを求められていらっしゃいました。豪華審査員と一緒に見られる<アジアの風>上映、いい作品があることを願っています。


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