アジア映画巡礼

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白ラブちゃん名演技②『チャーリー』の予告編と登場人物&登場動物たち紹介

2024-06-02 | インド映画

カンナダ語映画『チャーリー』への期待が、私の周辺でじわじわと高まっています。少し前に予告編がアップされたからでしょうか? まずは、映画のデータと予告編をどうぞ。

『チャーリー』 公式サイト
 2022年/インド/カンナダ語/カラー/シネスコ/164分/原題:777 Charlie
 監督・脚本:キランラージ・K 
 出演:チャーリー、ラクシット・シェッティ、サンギータ・シュリンゲーリ、ラージ・B・シェッティ、ダニシュ・サイト、ボビー・シンハー
 配給:インターフィルム
6月28日(金)より、新宿ピカデリーほか全国ロードショー 

映画『チャーリー』予告編|24.6.28全国ロードショー!

 

予告編、ご覧になった方は、後半部分に「えーーー!!!」ではないかと思います。そんなストーリーなのォ?(すでに涙声)。そうなんです、配給会社さんも、きっとこれを予告編に入れるかどうかで悩まれたことと思いますが、これがないと二人、いや、一人と一匹が南インドの西岸カルナータカ州マイスールから、北インドの雪山を目指す長旅の動機付けが効いてこないんですね。しかし、映画をご覧になればそんなことは忘れてしまうぐらい、名犬チャーリーの演技力に引き込まれて、笑いすぎで涙が出てしまうことでしょう。今日は画像もいろいろいただいたので、登場人物&登場動物を簡単にご紹介しておきますね。

ダルマ(ラクシット・シェッティ/下写真右)

©2022 Paramvah Studios All Rights Reserved.

こんな人嫌いの人、インド人で見たことない、というぐらい、強引にマイウェイの男。大きな工場に勤めていて、職場での技術者としての評価はピカイチの「最優秀社員」だが、人間的評価となると、そろそろ中年にさしかかるのに妻や子もなく、人づきあいも全くしないことから、「変人」扱い。チンマヤ・コロニー(団地)という住宅区に一軒家を持っているが、家の中は小汚く、タバコの吸い殻とビールの空き瓶の山。もちろん自炊などせず、少し離れた国道沿いの老夫婦による小さな店で、タバコと共にイドリー(米粉の蒸しパン)を買ってきて食べるのが日課。唯一の趣味はチャーリー・チャップリンの映画を見ることで、壁には彼の姿を写した飾り物も貼っている。団地の人々からも敬遠されているが、小学生の女の子アドリカだけはなついている。

©2022 Paramvah Studios All Rights Reserved.

演じるラクシット・シェッティ(本当は「ラクシト・シェッティ」表記にしてもらいたかったのですが、間に合わなかった。「シット」な表記になってしまってごめんなさい)は1983年6月6日生まれの40歳(もうすぐお誕生日ですね!)。「サンダルウッド」と呼ばれるカンナダ語映画界を代表する映画人の1人で、プロデューサー、監督、脚本家、作詞家としても活躍しており、本作『チャーリー』も彼の映画会社の作品です。2010年に俳優デビューしたあと、2013年に『Simple Agi Ondh Love Story』でブレイクを果たし、その後映画会社を設立。初めての製作作品となった2016年の主演映画で、大学を舞台にした若者映画『Kirik Party』では大ブレイクを果たします。その後はプロデューサーとしての活躍が目立ったのですが、本作『チャーリー』では俳優としての実力を再度見せつけ、本作をカンナダ語映画歴代興収第6位のヒット作に押し上げました。ラクシット・シェッティの受けの芝居がうまいので、チャーリーの魅力倍増どころか三倍増、といった、素晴らしい映画になっています。

チャーリー

©2022 Paramvah Studios All Rights Reserved.

ラブラドール・レトリーバーの女の子。多頭飼いのブリーダーの所から、窓を破って逃げ出した勇気ある仔犬で、マイスールの団地でダルマと出会う。紆余曲折の末ダルマの飼い犬となり、ブリーダーが付けた「キートン」という名前を捨て、チャーリー・チャップリンの名前から「チャーリー」と名付けられる。動物愛護協会が主催する犬の登録所で「777番」という鑑札番号ももらうが、成長したのちに血管肉腫を発症。なぜか氷の山の上で転げ回るのが好きで、テレビ画面に雪景色が出ると喜ぶため、ダルマは雪山に連れて行こうと決心する...。

©2022 Paramvah Studios All Rights Reserved.

チャーリーを演じたラブちゃんは、どうもかなりたくさんいるみたいで、あまり犬に詳しくない私が見ても、あれ、ちょっと顔が違うぞ、毛並みの色が違うぞ、成長の度合いがおかしいのでは、等々、ツッコミどころが多々あります。犬に詳しい方なら気になるでしょうか、それとも、かえってそれが楽しいと思って見てもらえるでしょうか? 何せ、インド映画では犬が主人公の映画がほとんどないので、その辺のテクも素人っぽいのです。とはいえ、大人のチャーリーを演じたラブちゃんは、実に手の(足の、と言うべきか)演技がうまく、上の画像にもあるように、思わず大阪弁で「あんさん、大丈夫でっか?」とセリフを当てたくなるような、味のある表情と動作をしてくれます。

デーヴィカ(サンギータ・シュリンゲーリ)

©2022 Paramvah Studios All Rights Reserved.

動物愛護協会の責任者。いいかげんな飼い主ダルマに腹を立てて突っかかるが、後には彼の良さを認めて、彼の旅に一時伴走したりする。

サンギータ・シュリンゲーリは1996年5月13日生まれ。2016年に短編映画でデビュー、その後、長編劇映画やテレビドラマで活躍。2022年のプニート・ラージクマールの遺作とも言うべき『Lucky Man』では、2人のヒロインの片方を演じ、サントーシャム映画賞のカンナダ語映画主演女優賞を獲得しています。プニート・ラージクマールはカンナダ語映画界の往年の名俳優ラージクマールの息子で、2021年10月29日に急逝。そのため、2022年、23年製作のカンナダ語映画には、冒頭にプニート・ラージクマールへの弔意を示して彼の写真が登場することが多く、本作でも最初に登場しています。

獣医師アシュウィン・クマール(ラージ・B・シェッティ)

©2022 Paramvah Studios All Rights Reserved.

一見、頼りなさそうで、いいかげんな医師に見えるが、無類の動物好きで、ダルマとチャーリーのことに心を砕いてくれるいい人。

本作では、俳優のほかに脚本にも関わっているラージ・B・シェッティは、映画監督でもあります。1987年7月5日生まれなので、主演のラクシット・シェッティよりも若い! なお、「シェッティ」はカルナータカ州の沿岸部に多い姓で、2人の間に姻戚関係はありません。本作である映画賞の助演男優賞にもノミネートされたラージ・B・シェッティですが、最近はマラヤーラム語映画にも出演し始めたようです。

アドリカ(シャルヴァリ)

©2022 Paramvah Studios All Rights Reserved.

ダルマの近所に住む小学生の女の子。この団地では、偏見なくダルマに接する唯一の存在。チャーリーに「Thank you」のしぐさを教え込んだりと、訓練士の役割も果たしてくれる。

かわいいアドリカ役のシャルヴァリちゃんには、チャーリーと同じくらい魅力を感じる人が多く出るはず。表情もしぐさもとびっきりかわいくて、ちょっと成長した今では女優の貫禄も出始めています。将来、カンナダ語映画のスターとなるか!?

あとの登場動物たちもちょっとご紹介したかったのですが、それはご覧いただいてのお楽しみ、ということで一言だけ。「黒ラブちゃんにも、せひご注目下さい!」

 


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