チャーリーが来たばかりの頃、野性的ですばしこく、不安気なビビリでした。
亡くなった、人なつこくて気立てのよかったタコと比べて
『私はこの子を愛せるだろうか』と1ヶ月、飼う決心がつかずに、迷っていました。
触ると噛むし、ふうーっていうし、マッハで逃げるし、目をみないし…。
今迄見た事もなかったペット本など、立ち読みしたりして。
生後4ヶ月前に親兄弟と引き離されると、人間の手や指を、親兄弟の代わりとして
おもちゃのように、じゃれる、ヒートアップして噛む…という傾向にあると書いてあったので
できるだけグローブをしたり、手で遊ばせないようにしたり、と色々試しました。
“噛まれたら、噛み返して、痛みを教える作戦”
これは、ますます彼の闘争本能をかき立てることになりました。
そして、次の作戦は、“噛まれたらベロベロ舐める”でした。
彼の愛情表現が、噛むことだとしたら、こちらの愛情表現として“舐める”ことにしたのです。
顔をつかみ、鼻先をベロベロと、私は舐め返しました。
彼はキョトンと驚いた様子で、調子が狂い、繰り返すうち、やがて私を舐め返すようになりました。
(これは、汚いと思う方は、やってはいけません。免疫力に自信のある方だけにおすすめです)
今、新しく子猫のたまが来て、チャーリーは戸惑いながらも、たまを受け入れようとしています。
しっぽにまとわりつかれて、少し我慢して、カッとなって、取っ組み合い、
けれど、たまを抱きかかえて、ベロベロと、執拗に舐めています。
加減が過ぎて、たまは迷惑そうですが、チャーリーの精一杯の、愛情表現だと、私は見つめています。
あの死にそうだったチャーリーが、少しずつ、成長している姿を、
あの頃御世話になった浅草橋の皆さんに、お見せしたいです。
厄介な子だなと思った私たちにとって、今 彼は、とても大切な家族です。
たまが来て、むしろ、チャーリーの感受性の変化を発見し、
あらためて、あの時救ってくださって、ありがとうございましたと、伝えたい気持ちです。