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〜かたることばが歌になる風になる〜

卯sagiの一歩

先週の雨の木曜日、京都市美術館に「モネ展」と「ルノーアール展」を観に行ってきた。

モネと言えば大方の人は「睡蓮」を思い浮かべるだろう。
しかし、私が知らなかった肖像画、デッサン、睡蓮以外の風景画などを観ることができた。

有名な睡蓮の水面は花の淡いピンクや赤い色をポイントに、木々に覆われたような日陰の庭の中にある池の水面の、その中に見える水草だろうか、はっきりとしない輪郭で描かれている。
どちらかというとそういう暗めの色調の画風の中で、白昼ということばを連想させるぼやけた色彩の海の中にポッと浮かんだ、ヨットのそれだけがくっきりと焦点が合った明るい色調の絵が目を引いた。
また、川が流れるその先の中央に水車があり、オランダの赤や黄色のチューリップとおぼしき花畑の絵は、睡蓮とは全く趣の違う、明るい日差しを感じるものだった。
印象派の画家やそれに影響された作曲家の作品の特徴は光を感じることだ。

展示作品をどんどん見て回っていくと、素人の凡人の私には、これはどういう心情で描いていたのだろうと思ってしまうような、「ばらの庭」「柳の庭」や、太鼓橋を描いた「日本の庭」などは、暗い赤や緑や黒といった色をただ塗りたぐったようにしか見えない、タイトルにある対象物が私には見えてこない抽象画ばかりのコーナーもあった。
年齢を経てきたその域にしかその心情を表現できないものがあるのだろうかと、そう理解するしかなかった。

続いてルノアールを観た。柔らかい色調で描かれた少女や婦人の絵で有名な画家。
その腕や頬の肌色から、まるで生きている人のような存在感と温かみのある色調。
しかしその柔らかい空間の中でどの絵も目だけは、その意思が宿っているかのようにはっきりとこちらを見つめているのが印象的だった。
戸外の食事のテーブルの場での、煙草に火を点ける男性の煙草の火が、今まさに点けた火のように見える絵のリアルさには、当たり前なんだが、絵描きさんはやっぱりすごいテクニックなんだと驚愕するばかりだった。
ルノアールは、人間の内面までをも描こうと生涯人物を描くことに拘ったそうだ。

お昼1時半頃全て見終わって外に出ると相変わらず雨は降り続けている。
この美術館は平安神宮の鳥居の右横に建つ。

この日の昼食は、小学校同級生のたくちゃんが、美術館近くに安くて美味しいところがあるよと教えてくれた、普通の民家をそのままお店にしている「卯sagiの一歩」 というおばんざいのお店。




シーズンの時は1時間ぐらいはざらに待たねばならない人気のお店らしいが、この日は前にどこかの外国のカップルが1組待っていただけで、10分ほどで幾つかあるちゃぶ台の一つに案内された。

妹と一緒に1,300円のおばんざいセットを注文した。京都で日常に食すお惣菜のことを「おばんざい」と呼ぶ。
5種のおばんざいと、メインは、豆腐ハンバーグ、茄子はさみ揚げ、とんかつおろしポン酢、とんかつ卵とじ、チキン南蛮、梅しそはさみ揚げ(ささみ)から一つ選ぶ。 
私は、たくちゃんオススメの茄子のはさみ揚げ、妹は豆腐ハンバーグにした。

5種のおばんざいは、卵焼き、糸こんにゃくと筍の炊いたん、おからのポテサラ、ひじきの炊いたん、切り干し大根を戻し、そのままポン酢で和えたお漬物風のおばんざい。
「炊いたん」とは「炊いたもの」という京都弁(関西弁)のこと。

おからのサラダは、ゴマを混ぜたおからに刻んだ玉ねぎと、フライパンで溶かしたマヨネーズに豆乳と隠し味程度の甘みを加えて和えているらしく、おから特有のパサパサ感はなくしっとりとしたポテトサラダのよう。
自分のうちでも作れる家庭料理だ。
最後に、たっぷりのキャラメルソースのかかった豆乳プリン。食事の最初に出してくれたお茶は、燻した匂いが鼻につくお番茶。このお茶私はちょっと苦手。
これだけで満腹でこの日は夕方になってもお腹は空かなかった。

昨年1月に主人が亡くなった後、私が15年ぐらい前に少しの間習っていた絵の先生の個展があって伺った際、先生にまた絵を習いたいということをお願いしたのだが、この日はその思いを 一層強くして京都を後にした。



活動を終了した「女声合唱団風」のこと、「コーラス花座」のこと、韓国ドラマ、中国ドラマなど色々。

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