グー版・迷子の古事記

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いろはにほへとちりぬるを

2014年01月08日 | いろは歌
先月何気なしに見ていた「いろは歌」に興味を持つきっかけになったのはこの最初の一文です

いろはにほへとちりぬるを

一般的な解釈としては…

・匂いたつような色の花も散ってしまう
・匂いたつような色葉も散ってしまう

と言った所でしょうか。
「いろは」を「色は」或いは「色葉」と読んでいます。
「花」「葉っぱ」の違いであれ、内容的には大して変わらないようにも見えます。
ところが出だしを次のように書いたらどうでしょうか?

色葉に負へど

「色葉と言う名前だけれども」と言うような意味になるかと思います。
「負う」と言う言葉は「名前を背負っている」と言うような意味でも使われます。
老婆と言う意味の「媼(おうな)」と言う言葉がありますが、かなり古い時代には「負ふ名(おふな)」で若い女性を表していたと思います。
また「名に負ふ」なんて使い方もされます。

名にし負はばいざ言問はむ都鳥わが思ふ人はありやなしやと
(古今集・在原業平)

色葉と言う名前の女性が居たのではないか?と思ったのです

色葉と言う名前の匂いたつような美しい女性だったのだけれども儚く散ってしまった事だ

私は「いろは歌」の出だしをこのように読んでみたのです。
そしてその後も読み進めていくと、もう一人「いろは歌」を詠んだであろう男性の姿も垣間見えてくるような気がしました。
そして、色葉と言う名前の女性と歌を詠んだであろう男性を手がかりにネットで検索してみたのです

…残念ながら検索にはひっかかりませんでした
しかし私はもう一つの手段を考えていました。
「色葉」と言う文字は「もみじ」と読んでもいいのではないか?
「色葉」に「もみじ」と言う仮名を振った物を何かの古い本で見た気がするのだが…

そこで「もみじ」と言う名前の女性と歌を詠んだであろう男性で検索してみたのです。
すると検索結果にちゃんと表示されるじゃないですか
そして二人の周辺をネットで検索してみたところ、どうやらこれはもしかすると…
本物かもしれないと思ったのです

そこでもう一度「いろは歌」を改めて見てみると、そこには「もみじ」の名前も隠されている事に気付いたのです。
「いろは歌」を慣例どおり7文字で書いた物と歌の区切りで書いた物は、一行目と最後の二行は一致するのです。他の行は全く異なりますが、この三行だけは同じになるのです。
初めの一行には「いろは」が書かれ、最後の二行には「もみじ」と言う言葉が隠れていたのです

いろはにほへと
ちりぬるをわか
よたれそつねな
らむうゐのおく
やまけふこえて
あさきゆめみし
  ゑひも
せす

いろはにほへと
  ちりぬるを
 わかよたれそ
  つねならむ
うゐのおくやま
  けふこえて
あさきゆめみし
  ゑひも
せす

黄色い文字を上下上下で読んでみてください。

あさきゑゆひめもみし

「朝消ゑゆ姫紅葉」とでも読むのでしょうか。
「消ゑゆ」という言葉は「色葉匂へど散りぬるを」に繋がっていそうに見えます。
慣例の7文字の区切りと歌の区切りとでも変わりが無い三行に「いろは」と「もみじ」が記されているのです

(迷子の古事記 2013.12.13)