グー版・迷子の古事記

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かめ

2013年09月16日 | 古事記
かめと言っても亀ではありません甕です
タケミカヅチの周辺を調べていると甕という文字に度々出会います。
そして私の妖怪アンテナは何か感じ取りました。
「おい鬼太郎、甕がキーワードなんじゃ!」

  《ミカ(甕)》

甕を現在は「カメ」と呼びますが、古代には「ミカ」と呼んでいました。
神名に付くときは「ミカ」は「イカ(厳)」の転訛のように取られ、「いかめしい、厳しい、おごそか」などの意味ととられる事が良くあるようです。
でもなんか違うのです。神様フリークの自分には何か納得出来ないモヤモヤがありました。
とりあえず、ミカ(甕)のつく神様を見ていただきます。

①武甕槌(タケミカツチ) … 雷神 剣神
②甕早日(ミカハヤヒ) … 剣神
③天津甕星(アマツミカボシ) … 星神
④天照國照彦天火明櫛甕玉饒速日(アマテルクニテルヒコアメノホアカリクシミカタマニギハヤヒ) … ニギハヤヒ
⑤倭大物主櫛甕魂(ヤマトオオモノヌシクシミカタマ) … 大物主

①②③は剣神、雷神、星神、どのような神様かイメージが沸きやすいと思います。
④⑤はニギハヤヒ、オオモノヌシ、この二柱の神様は太陽と関連付けされる事があります。

共通のミカ(甕)を持つこの神様達。どうでしょう?どのようなイメージを感じられるでしょうか?
私は輝きのようなイメージを感じました。
そこでミカ(甕)についてもう一歩踏み込んで想像してみます

ミカ(甕)に「輝き」を表すような意味があるならば、どう言った理由でそうなったのだろう?
ミカ(甕)は現在の甕(かめ)です。
酒や水を中に入れておく甕(かめ)です。

「なるほど…」
もうお分かりの方もいると思います。
酒や水を満面にたたえた甕。
それは水面に外の世界を映し出す鏡そのものなのです。

屋外に置いた甕の水面は、昼には太陽を、夜には月を、鏡のようにその神霊を閉じ込めます。
八咫鏡(ヤタノカガミ)が、アマテラスそのものとして古来大切にされていた事は周知の事実です。現存する神社では、鏡を御神体とされているところが数多くあります。
どれだけ鏡が神聖視されていたかは想像に難くありません。

それでは、まだ青銅器さえなく鏡が作れなかった頃ならどうでしょう?
後に鏡を神聖視する民族は、甕の水面を鏡として神聖視していたことでしょう。
そして後に鏡を太陽神の化身として崇め祭った民族は、甕の水面を太陽神の化身として崇め祭ったかもしれません。

そう考えてくると、

ミカ(甕) … 映し出す。輝き。

と言うような意味がありそうです。
「いかめしい、厳しい、おごそか」と言う意味でとらえるよりも的を得ていそうです。
①②③の神様のイメージとしてもピッタリって感じですね