竹心の魚族に乾杯

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登場する団体名、河川名は実在のものとは一切関係ございません。

アニーリングの説明

2009年03月11日 21時10分46秒 | 兵法書・具足編
ナイロン糸って、買ってみて、使ってみないと分からないので、結構不便ですよね。
新しいテグスを買うことは、ある意味、賭けですよね。

そんでもって、号数による違いの大きいこと!0.4号はいいけど、0.2号は全然使い物にならない、ということもあります

テスターの人たちもただほめるだけという感じで、もうちょっとどうにかならないものでしょうかね~


さて、先日の「ナイロン糸の染色」でちょっと触れたアニーリングというのは早く言えば「焼きなまし」のことです。
鉄などの金属だと、焼きなますことによって柔らかくなりますね?

ナイロンなどのプラスチックの場合、単純に柔らかくなるというよりは、表面の硬い皮がなくなって、内部と同じような状態になると言ったほうがいいかも知れません。

と言いますのは、ナイロン糸の場合、溶かした樹脂をノズルから押し出して、引っ張って伸ばし、さらに冷ますわけですが、この時、表面がいち早く冷却される一方で、内部はゆっくりと温度が下がっていきます。そうすると当然内部と表面とで性質の違いができてしまうことになるわけです。
そして急速に冷やした方が表面が硬く、傷つきにくくなり、ギラギラしてきます。これは、中心部分と表面との間に屈折率の差が生まれるからです。

反対に、ゆっくり冷ました場合は表面が柔らかく、透明度が低くて濁ったような感じになります。

でもやり過ぎると、断面潰れによる変形を受けやすくなってしまいます。そうすると軽く引っ張っただけでチリチリのパーマになります(細糸の場合)。



釣り糸のような細い品物の場合、ある程度表面が硬い方が何かと都合がいいわけで、ゆっくり冷ましたような製品はほとんど見当たらず、表面がツルツルした製品がほとんどです。

そこで、表面を硬く成形した製品を一度温めて、それから徐々に温度を下げていきますと、成形の段階で徐冷したのに近い状態に近づけることができます。これがアニーリングというわけです。本当は湯浴じゃなくて特殊な乾燥機を使うんでしょうけど、まあ、趣味の範ちゅうですんで。


渓流釣りで、川虫を餌にした軽量仕掛けの場合、道糸・天井糸は適度にアニーリングして、直線性を増したラインの方が、よく飛ぶし、また波に馴染みやすくなるようです。
ただし、元になる糸は熱処理に適したものと適さないものがあります。
材料にはなるべく伸びの少ない糸を選びます。コーティングで硬くした糸は…厳しいですね。

それと、アニーリングすると急激な衝撃にはもろくなります。



では、アニーリングをするとどんな感じになるかは、やっぱりやってみないと分からないのでしょうか?

カスタム好きの皆さんのことだから、「失敗するぞ~」と言われれば言われるほどやってみたくなるとは思いますけど


で、ナイロン糸を徐冷するとどんなふうになるかは、言葉ではなかなか言い表すのが難しいですけど、そんな状態に近い製品があります。

それがこれ。マキシマスーパーソフト。

確かに透明度は高くなくて、ちょっと濁っています。
直線性が高くて、スプールの巻き癖がほとんどありません。伸びが少ないのにそれほど硬くないという不思議な糸です。
この糸を使ってみれば、なんとなくイメージはつかめるかと思います。

ちなみに、スーパーソフトは、姉妹品のカメレオンよりも硬いです(顔料のせい?)。ご注意を

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