直前に大きな揺れ 青ざめる乗客 コースター事故(朝日新聞) - goo ニュース
よりによって、こどもの日の惨劇。亡くなった19歳の女性には、心からご冥福をお祈りしたいと思います。
さて、事故の原因となった「車軸の折損」ですが、安全が守られる中でスリルを楽しむはずの絶叫マシンにとっては、本来ならば最善を尽くすべき箇所の破損であると考えられます。
車の世界でもとある会社の「車軸が云々」という事故が話題になりましたが、基本的かつ重要な部位の欠損での事故の結果がどのようになるのか…答えは、その時にも散々論議されていたのではないか?と思うのですが。
今回の事故については、「運行していたエキスポランド社の管理責任が厳しく問われる」という論調(というか、決まり文句)ですね。「管理責任」は当然のことながら問うべきですが、マスコミ各社にはそれを受けて「再発しない方法」も必ずフォローしていただきたいものです。
下記は事故を受けての対処に組み込まれることでは思いますが…、施設メーカーを交え、
① 「絶叫マシン」と呼ばれる施設の、メンテナンス方法のベンチマーキング
② 検査方法・部品交換周期のマニュアル作成
③ 最低限、マニュアル記載のメンテナンスを実施しているかのフォロー活動
を、最低限義務付けるくらいの対策を徹底するくらいのことが出来ないものかと思います。
ちなみに、レールの上を走るという共通項を持った「鉄道車両」は、少なくとも下記の基準をもって行っているそうです。
①仕業検査(2日/回、目視)
②交番検査(30日/回、目視→室内検査・部品検査・車輪削り)
③月検査(90日/回、一部カバー外し検査、交番検査と同時に行う場合あり)
④重要部検査(電車の場合4年/回、車体と台車を切り離して行う)
⑤全般検査(電車の場合8年/回、全部の機器を取り外したメンテナンス)
この中でミソは、交番検査時の「車輪削り」ではないかと思われます。車輪を削る作業を行うポイントは「乗り心地の確保」であると言われております。一口で乗り心地とは言いますが「乗り心地の変化=危険因子増」である訳で、変化因子を消すことが安全に繋がると考えた中での検査であると言えなくもないのではと思われます。
また、車輪削りを行うことによってメリットもあります。削り過ぎるのもまた危険であるため、基準を超えれば交換を行うのです。直径の許容範囲を超えれば動力方法にも影響を与えるものですから、当然のこととなるのではないかと思われます。また、そのようなメンテナンスを行うことによって必然的に車軸のコンディションにも目を向けることが出来るのではないかとも考えられます。
とは言え、点検のごとにその場で「点検」などは目視以外に出来ないのは事実ではあります。車輪・車軸に特化した論議であれば少なくとも、①解体検査を行うこと と、②解体検査時に車輪・車軸の交換を行うこと を標準化し、交換したものは施設メーカー返送のもとで検査を実施したうえで、疲労度をデータ化するような施策が出来ないものかと思うのですが。
以上の考察は別としても、この事故を機に、施設メーカーと設置企業の間で安全への取り組みについて真摯に取り組んで戴きたいと思います。