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(農政)企業が農業、高まる期待

2005年11月04日 | 農業サポートセンター
 9月に施行された改正農業経営基盤強化促進法などで、株式会社やNPO法人が農業に参入することが可能になった。企業の参入は、雇用の受け皿や農地の有効活用につながるとして、市町村でも期待が高い。金融機関も、新たなビジネスチャンスとして、農業事業者向けの融資の取り組みを本格化させている。

 改正農業経営基盤強化促進法や改正農地法が施行されたことで、これまで特区だけで認められていた農業生産法人以外の一般事業会社が、市町村から農地を借りて農産物を生産し、販売することが可能になった。
 企業が借り受ける農地は主に、高齢化や担い手不足によって増加傾向にある「耕作放棄地」(過去1年以上作付けされず、作付けされる見込みのない農地)。

 県農政企画課によると、00年の県内の耕作放棄地の面積は約1万2千㌶で、全体の農地に占める割合は約8%。90年の約4%から倍増した。
 今夏、県が各自治体を対象に実施したアンケートでは、企業への農地の貸し出しを「検討したい」と答えた自治体は三つにとどまるが、多くの耕作放棄地を抱える市町村では、農地の有効活用策と雇用拡大のチャンスとして期待は膨らむ。
 実際に市町村が農地を貸し出すためには、耕作放棄地が多い地域を対象区域として設定して基本構想に盛り込み、企業と市町村が協定を締結するなどの手続きが必要だ。
 県は今後、企業参入を促すための補助制度の設立などを検討し、企業や市町村に積極的にPRしていく方針だという。

 一方、農地の担保価値の問題や天候に収益が左右されるなど、従来は融資対象となりにくかった農業分野への金融機関の参入も本格化している。
 常陽銀行は昨年6月に農林漁業金融公庫と業務協力を締結。蓄積のなかった農業向けの貸し出し審査のノウハウを培うことを目的に同公庫と人事交流を行っている。
 今年1月からは農業事業者向け無担保ローンも始め、すでに新規貸し出しは約200件、4億円の実績を上げた。
 同行法人事業部は「担い手の育成のほか、生産・加工・流通を包括的にとらえた融資・コンサルティング業務で、農業分野はビジネスチャンスとなる」とする。

 関東つくば銀行も8月から農業従事の個人・法人向けの融資を開始した。有担保で3千万円(無担保で500万円まで)まで融資する。同行調査広報室は「規制緩和により農業分野は収益が見込める成長分野となった」と話している。

朝日茨城
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