
(写真は、母に作ってあげたかった穴子飯)
傷みそうなのは、母の宝石箱の方だった
女性は
こじ開けようとしているのか
ドライバーも用意している
たまらずワタシは
母が鍵を置いていた棚の奥に
手を伸ばして
小さな鈴のついた鍵をとり出した
ここから話す話が
ブログを始めるきっかけになった
エピソードになる
座る女性の目の前に置いてある
宝石箱の鍵穴に
鍵を入れて回して開けた瞬間から
女性の本性が大解放されていく
カチャリっと鍵を回して
開いた宝石箱からチロリンとオルゴールの残音がした
女性が一つ一つ手に取って
チェックをし始めた
普段かけているのを見たことがない
老眼鏡をかけ
これはイミテーションだ
これは地味だと物色し始めた
その様子は
薄暗い納戸の中では余計に気味悪く
昼間でも真っ暗な部屋の蛍光灯の明かりに照らしては
お値打ちのものを探しているのだ
中には
刻印のついた
ゴールドのネックレス
小さなダイヤのついたプラチナのネックレスや、ブレスレットがあった
父からのプレゼントだろうか
母は身に付けることをせず、大切にしまっていたのだった
すると女性は
それらを手に取り
突然こう言い出した
「おとさんがあ〜〇〇(女性)は〜ゴルド、プラチナ、ダイヤが似合う女だ〜ってよく言ってたからあ〜.....これは私があ....もらうんだ」
「これもダイヤがついてるから〜私だ」
「これもプラチナだ〜」
と言い
ブレスレットは腕につけ
ネックレス類は
そそそっと
スカートのポケットに入れた
そして
驚きすぎて
一声も出せないワタシに
トドメを刺す勢いで
「S子は〜シルバーの女だっ」
と言って
シルバーでも何でもない
メッキのネックレスをワタシに差し出した
ポカンとしたワタシが
受け取らないままでいると
残りは全部イミテーションだと言い
宝石箱パタンと閉めて
ワタシのの膝上にポンと置いた
「これは、おかさんの〜形見だからあ〜
あげるからね〜」
薄暗い部屋で
ぼんやりして少し動けなかった
母の宝石を欲しかったわけでもなかったが
女性があまりに身勝手なので
頭の中がフラフラした
同時にこうも思えた
母の想いが
ワタシに女性の本性を見せてくれたのかもかもしれない
女性の金銭欲
身勝手さ
起伏の激しさは
この辺から
どんどん加速を増していった
つづく
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