誰かが
いついつ訪問するとも
知らされず
自宅に
見知らぬ人達が
庭から、部屋から
ウロつくなんて
本当に怖い
怖すぎる
知人って
何処で知り合ったの？
何処に住んでるの？
何故その日、その人達がくることを
前もって言わないの？
誰でも普通に疑問に思うし
おかしな出来事だ
女性も
マズイとは思ったのだろうか
早めにその場はお開きになり
知人とやらいう人達が
去られると
父は
誰でも思うだろう
疑問を問うたのだとか
女性の言う、訳はこうだ
父がゴルフに行くと
女性はひとりになるのが淋しかったとか
父には趣味があるけど
女性は無趣味で楽しいことがない
友達もいないのに
何故ひとりで
父の帰りを
待たないといけないのかと
「あなた、たのしくて、なんでわたしは
たのしんだら、いけませんかー！」
と
大きな声で言葉を吐き捨て
怒る
泣く
文句をいう
を繰り返し
あげく
タバコの匂いが充満する
散らかった部屋を
そのままにして
裏口から
車の鍵とバックを持って
出て行った
やれやれ
どうしたものかと
思いながら
片付けを始めた父は
国産ではない銘柄の煙草を見つけた
開封はしてあり
中身がまだ何本かある
誰か忘れて帰ったのか
まさか
取りに来られはしないだろう
「こがーなもの、捨ててしまえ思うて
捨てたんよー…......それがなー」
まだ話には先があり
片付けが済んでも
なかなか帰らない女性を
心配して待っていたら
しばらくして帰って来た
ご機嫌よく、笑顔で
「あなた、かえりましたー」
と
つづく