糸紡ぎ

するすると
１本の糸になるように

なめらかに
しなやかに

まるで
はじめから
あるべき姿であるように

心地よく
縒り合わさってゆく

アンテナ

圧倒的な感性を
圧倒的だと感じることのできる

幸福よ

ぞくり

それは
武者震いにもなりきれない

ただの喝采

あこがれ

そこにつながるのは
弛みない努力

たいせつなのは
途切れさせないこと

手

きみの手に
似たい

すてきなものを
生み出せる手になりたいんだ

ふたつの赤

似ているようで
全然ちがう

すこし
寂しい気もするけど

きっと
それでいいんだろう

いとしき
ふたつの赤

初恋の日

真っ赤な顔して
そこにいる

そんなきみを
ずっと　見ていたかった

となりあわせ

手が届くわけでもない
肩が触れるわけでもない

息遣いも
表情も
見えないけれど

それでも
うれしいの

ソーダ

かろやかに
なりたいの

しゅわしゅわと
はじける

ソーダ水の
世界観のように

爪弾く

弦の鳴らす
きゅっという音とともに

胸のまんなかが
きゅっとなる

ねがい

きみには
いつも
わらっていてほしい

たとえ
それが
ぼくのとなりじゃなくても

夏の終わり

とびきりの
夏の終わり

青空
音楽
お酒
友達

抱えきれないほどの
宝物で満たされた

２年分の夏の
最後の一日

激震

自分でも
びっくりするほどの。

ゆれゆれ。

たぶん
今日は
泣く。

全身浴

きみの
響きに
あたまのてっぺんまで
埋もれたい