風のたより #161 千葉甫 2020-02-19 14:04:42 | 短歌 ベランダの端から首を伸ばしては真下見つめる鴉見守る 街路樹の根元の土に青々と草の溢れる立春過ぎて 終了の間近となってフリーズのコンピューターの画面見つめる
風のたより #160 千葉甫 2020-02-17 14:06:06 | 短歌 ほろほろと陽ざしの中を降る雪の思い思いの軌跡を描く 下りてくる雪の一つが真っすぐに陽ざしを受けて刹那煌めく 一散に走り続けている夢の中からふっと覚めて真夜中 .
風のたより #159 千葉甫 2020-02-15 13:51:41 | 短歌 ゆるやかに意識の外へ今日は去るピアノのジャズで夜は更けつつ 軒下の屋根の瓦に蹲る猫と眼が合う寒い夕暮れ 黙々と食べる今年の恵方巻 食卓からはそっぽを向いて
風のたより #158 千葉甫 2020-02-13 14:03:35 | 短歌 コーヒーの立てる匂いに眼を閉じて今の思いの外へ退く 庇打つ音硬くなる降っている雨は霙に変わってきたか 間をおいて再び一つ轟いた雷鳴あって氷雨降る夜
風のたより #157 千葉甫 2020-02-11 13:59:20 | 短歌 気忙しい一日となって行く今日は陽ざしがあったり雨があったり 混沌としている思いを周囲から時間が形整えてゆく 若い日の面影還る長いこと忘れたままでいた人の訃に