晴れときどき化学、ところにより雑想

もしかしたら何かの役に立つかもしれない化学のお話(と、よしなしごと)

ニトログリセリン

2012年02月18日 22時05分20秒 | 化合物のお話
ニトログリセリンというと、ダイナマイトの原料となる化合物として有名ですが、狭心症の薬でもあります。

ニトログリセリンをなめた場合には、強い甘味を感じることになりますが、しばらくすると激しい頭痛を引き起こします。

そしてこの頭痛が、ニトログリセリンの血管拡張作用によるものであるということがわかりました。


狭心症は、冠動脈が狭まることによって、心臓に十分な血液が送られなくなることからくる症状なので、

この治療にニトログリセリンが有効ではないかという考えから、その検証が行われました。


舌の上にニトログリセリンのアルコール溶液を数滴たらすことで、その効果が確認されましたが、

服用してしまうと肝臓で分解されてしまうことから効果が出ないということもわかりました。


そのため口の中の粘膜から吸収させることで、即効性のある狭心症治療薬として使われるようになったニトログリセリンですが、

現在では貼り薬として皮膚に貼ることで、皮膚から吸収させて持続性を持たせるようにした形で使われています。