ベルギーの健康保険

2006-01-20 18:53:39 | 毎日の暮らし
ちょっとややこしい話ですが、いろいろと思うところがあって、今入っている保険組合を変えようかと思っているので、今日は健康保険のお話。

まず、ベルギーで公的な医療保険を受けるには、mutualité(仏)/mutualiteit(蘭)と呼ばれる保険組合か、Caisse auxiliaire d'assurance maladie invalidité/Hulpkas voor Ziekte-en Invaliditeitsverzekeringという公的機関に加入しなければいけません。

後者は、公的な医療保険でカバーされる強制保険(assurance obligatoire(仏)/verplichte verzekering(蘭))のみを扱う機関。一方前者は、強制保険に加えてそれぞれの組合で独自の追加保険(assurance complémentaire/aanvullende verzekering)や入院保険など、付随的なサービスを提供しています。

※ちなみに強制保険でカバーされている診療内容でも、医者や病院が社会保険に加入しているかどうかで患者が負担する金額は変化します。診療費は、医者、mutualité、医療保険庁INAMI/RIZIVの3者協議で決まるのですが、例えば公定価格が20ユーロでINAMIが15ユーロ負担し、患者本人の負担は5ユーロ、となっている場合、社会保険に加入している保険医は公定価格どおり20ユーロ請求するので患者の負担は5ユーロですが、社会保険に加入していない医者は自由に診療費を設定できるので、例えば40ユーロ請求してもINAMIが負担する分は15ユーロだけで、本人の負担が25ユーロになってしまいます。

ほとんどの人は、どこかのmutualitéに加入していますが、たいてい両親が入っていたmutualitéに生まれたときに加入して、死ぬまでそのまま、というパターンが多いんだとか。うちの夫もそうで、私も結婚したときに夫が入っていたmutualitéにそのまま入っています。(^_^;)

でも、比べてみるとその料金やサービスの内容には結構差があるのです。

ちなみに、mutualitéは5つのグループがあって、
A.Mutualités Chrétiennes/Christelijke Mutualiteiten(キリスト教系)
B.Mutualités Socialistes/Socialistiche Mutualiteiten(社会主義系)
C.Mutualités Neutres/Neutrale Ziekenfondsen(中立)
D.Mutualités Libérales/Liberale Mutualiteiten(リベラル系)
E.Mutualités Libres/Onafhankelijke Ziekenfondsen(これも恐らく中立)
があり、それぞれのグループの中で主に地域別に実務を担当するmutualitéが複数存在し、そのうちのひとつのmutualitéに加入する、ということになっています。

全部比べるのは大変なのでしていませんが、強制保険の対象にはなっていない歯列矯正や鍼治療が追加保険の対象になっていたり、独自の病院ネットワークを持っていて、その病院にかかれば治療費をほとんど全額mutualitéが負担してくれたり、という付随的なサービスの部分で、それぞれのmutualitéの違いが出てきます。

ちなみに、私が今加入しているmutualitéでも、今度加入しようかなと思っているmutualitéでも、加入すると自動的に追加保険に加入することになっているのですが、追加保険はオプションになっているmutualitéもあります。入院保険が追加保険に含まれているところもあるし、オプションで別料金になっているところもあります。民間の入院保険や事故保険に入っている場合には、どこまでmutualitéに求めるか? というのも結構重要。

そんなわけで、いろいろ考えて今度話を聞きに行こうかなと思っています。ちなみに、mutualitéを変えるのは簡単で、加入したいmutualitéに申し込みをすると、そのmutualitéですべての手続きをしてくれて、今加入しているmutualitéには何もする必要ありません。新しいmutualitéに加入できるのは、四半期ごと。1月、4月、7月、10月の1日付で変わるので、その1ヶ月前までに申し込む必要があります。

・・・しかしこの手の話は複雑で、なんだかいろいろ調べているうちにどうでもよくなってきたりして・・・。(^_^;) 健康で何事もなければそれが一番なんですけどね。