今後、私たちが取るべき最良の方策を MBA用語を参考にして、経営的側面から考えてみることにいたしましょう。※以下の文章は「MBA経営辞書」から引用
まずは・・未来は今の延長ではありませんから、当然 自分自身も今のままでは未来を見誤ってしまいますよね。では、その自分とは何でしょう? これを経済用語では【mind set】教育・経験・先入観などから形成される 思考様式および心理状態。暗黙の了解事項、価値観、信念、思い込みなど。と呼びます。ならぱ、未来を紐解くには、この mind set を変えるための指針を新たに設定しなければなりませんが・・それが【roll model】具体的な行動技術や行動事例を模倣・学習すべき対象となる優れた人材。になります。
しかし、その際にはあらかじめ【contingency plan】起こりうる不測の事態、特に最悪の事態を想定して立てる計画、対処法。が規定されていて、なおかつ【best practice】ある結果を得るのに最も効率のよい技法、手法、プロセス、活動。最善慣行。が予測できていなければなりません。つまり、しっかりした【risk management】不測の損害を最小の費用で効果的に処理するための経営管理手法。が立てられていなければ、何を目指してどうしていくのかも明確にはならないわけです。
とかく世間は【economy of scope】何らかの経営資源を持つ企業が、その強みを生かして そういった経営資源を他にも共有できるような事業を構築できれば、より経営の効率化が図れる。と思いがちですが、いくら【supply chain】ある製品の原材料が生産されてから、最終消費者に届くまでのプロセス。にばかり気を配っても、時代のインフラそのものが技術革新によって根底から覆ってしまったら、すべては無駄になってしまうでしょう。就職面接のみならず、何かをプレゼンテーションする場合にも、人は【value chain】事業活動のどの部分で付加価値が生み出されるか?自社の強みと弱みの分析。を訴えがちですが、それはあくまで現時点での話であり、あまり将来の可能性については言及しないケースがほとんどかもしれません。
よって そういった思い込みを払拭する方法として、しばしば【KJ editor(KJ法)】問題解決のアイディアを出す手法。ブレーン・ストーミングで出された事象を1つずつ書き出し、グルーピングにより、さらに小さなグループにまとめて、それらを中グループ、大グループに分類し、様々な関連する事象を組み立てて図解化していく。これによって、課題に対する解決策やヒントのきっかけを生み出しながら、周辺情報を幅広く収集して、解決すべき問題の正体を明確にしていくことが目的。が用いられますが、スタンフォードのアントレプレナー講座などではディスカッション時に【So what?】情報に対してメッセージを抽出する際に使う。【So why?】相手に考える力や考える習慣を身につけさせる。【True?】主張の根拠となっている事柄が事実かどうかを確認するために投げかける。に留意しながら、つねに【zero base thinking】既存の枠組みにとらわれずに考える事。が求められます。
市場からみれば、私たちはつねに 何らかの【segment】市場の中で共通のニーズを持ち、製品の価値づけ・使用方法・購買に至るプロセスが同じで、購買行動において似通っている顧客層の集団。に分けられていて、単一的な【issue】「論点」「課題」「問題」などを集約し、その場で何を考え、論じるべきか決める。しか持ちえないとされています。
そこで、それらの思い込みやワンパターンな言動を払拭するために【decision tree】ディシジョン・ツリーとは・・とりうる選択肢や起こりうるシナリオを樹形図の形で洗い出し、それぞれの選択肢の期待値を比較検討した上で、実際にとるべき選択肢を決定していく手法。ここでは、まず【誰が意思決定者か?】を確認した上で、意思決定者にどのような選択肢やアイデアがあるかをリストアップすることが重要。次に、それぞれの選択肢における「起こりうる不確定要素」をすべて列挙し、そのリストアップされた事象それぞれについて、それらが起こりうる確率とリターンを求めていく。こういった確率試算を行う際のリターンでは、その成果を金銭に換算して定量化し、ある選択肢内の合計確立をなるべく目標の100%になるよう近づけていくことが望ましいとされ、このような作業を経て、起こりうるシナリオを可視化し、ツリー全体に不備がないことを確認した上で、最終的に 各選択肢の期待値の計算を行い、それに基づいて意思決定を行っていくのである。
ただ 実務で ディシジョン・ツリーを用いる場合に難しいのは、本来 不確実であるリターンの額や、その発生確率を定量化するというところにある。そのため、ディシジョン・ツリーを直接的に意思決定へ応用しているのは、製薬や石油発掘など、リターンや発生確率を比較的推定しやすい業界に限られ、ほかには金融工学の考え方を応用した リアル・オプションのプロジェクト評価でも応用されるケースが見受けられる。を活用していくのですが、ここで新たな問題が持ちあがってきますよね。
それは、いくら上記のような経営上の複雑な分析を駆使したとしても、成果が100%にはならないというところでしょう。ですから、私たちはむしろ原点に立ち返って考えていくべきなんです。つまり mind setを行うために roll modelをいかに選択し、それらをどのように活用するか? を再度、認識し直すということです。物事はいつも「そもそも論」にこそ答えがあるような気がしてなりません。次の章では この“そもそも”という視点から、mind setやroll modelをとらえなおしてみたいと思います。