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常識を変えよう! Change commonsense

常識が変われば 世界はもっと広がる

まじかに迫る 人工知能の実用化

2012年12月05日 | 日記

これまで未来を指し示す出来事や 将来を考える上でヒントとなりそうなことをいくつか述べてきましたが、もうひとつ「人工知能の実用化はもうすぐ」という興味深いニュースをご紹介しましょう。

1997年に IBMのコンピューター「ディープ・ブルー」が、チェスの世界チャンピオンに勝利した時、識者たちは「チェスはたんなる論理ゲームにすぎないから この勝利は驚くべきことではない」との論評を繰り返していました。当時は “コンピューターに比喩やユーモアなど人間が持つ機微を習得する“ なんてできっこないと思われていたのですが、2011年に IBMが生み出した新型コンピューター「ワトソン」は、こうした課題を見事に克服し、まさしく人間の機微そのものを再現してしまったのですね。その実力は、米人気クイズ番組「ジョパディ!」で勝利した事からも窺い知れるでしょう。

『技術の進歩を見事に言い当ててきた人物』として世界的に知られる 発明家で未来学者のレイ・カーツワイル氏は、新著「How to Create a Mind(知性の作り方)」の中で、人間の脳を完全に解明して 人工知能を作り出せる時代は、多くの人が予想してるよりも、はるかに近いだろうと述べています。これまで「人間の脳はあまりにも入り組んでいるため、理論的に理解するのはほぼ不可能」と考えられてきましたが、最先端技術は【人間の脳は未来を描くことで初めて機能する集合体である】と もはや解明してしまった!と伝えているのです。

この仕組みは、我々が【視覚イメージの断片を組み立てる際に行っているシステム】で説明できるそうで・・私たちが視覚イメージを組み立てる時「受け取った外部情報は最初、基本的なパターン認識機能から取り入れられ、瞬時に高次の抽象認識へと統合されます」が、その後、この高次の抽象認識は 再度パターン認識に下りてくるのです。重要なのは、この“再度 高次の抽象認識からパターン認識に下りてくるとき” で【もし その再度下りてくる過程で 従来の視覚イメージに欠けている部分や既存認識とは異なる部分があった場合】には、本来 全体に修正をかけて再認識するのが普通でしょうが、人間は そういう間違いについても【事前にパターン予測した結果しか導き出さないように出来ている】のだそうですよ。

つまり、私たちは わからない事であろうが知らない事であろうが、それらを事前に自分勝手に予測した上で “つねにアバウトで間違った集約“ をしてしまう!というわけなんですが、ゆえに たとえ導き出した結論がまるで整合性のないものだったとしても、あらゆる事象を “自分が知っているつもりの簡素な結論へと【パターン認識しながら】すべてをステレオ・タイプにしてしまう” それが人間であるということなのです。

この『普通にしてると必ず陥ってしまう“脳の誤作動”』というジレンマに対して、カーツワイル氏は「驚き」という処方箋を提示しています。人は 自身のこれまでのパターンでは測れない事象を目の当たりにした場合、当然 驚きを感じますよね。まさに その驚きという感情そのものが、再度 脳の高次の階層を働かせるカギだとしているわけです。要するに、つねに新鮮な変化を求めて驚いていないと 脳は退化していき、その結果として あらゆることを以前のパターンに押し込めて認識してしまい、やがては その本来の機能を失ってしまう。ここで明確にしておくべきは、これらが、もはや いい加減な未知の理論ではなく、すでに最先端科学で立証された 歴然とした事実であり、すでに実用化されつつある技術であるというところでしょう。

私たちがそういった未来予測に基づいて思考しているならば、人工知能にも そういった機能を持たせれば実用化できる。そして、その際に新鮮さや驚きを感じられるようにすれば、誤作動は防げるかもしれないのです。私たちも未来を考える際には、新鮮な驚きや興味をもって望むべきかもしれません。従来の延長に押し込めることなく、未来には 今とはまったく違う自分の姿を描いてみるのも大切なことではないでしょうか。なぜなら、今のままの自分や現在の延長線上の環境に驚きなんて感じられるはずがないのですから。