かりんとう日記

禁煙支援専門医の私的生活

来週、僕はどうなっているんでしょうか?

2006年04月17日 | 昼下がりの外来で
今日、禁煙外来にいらっしゃったKさん(40)は製薬会社にお勤め。
検診で肺気腫の所見があると指摘され、
このままじゃヤバイと思ったそうです。
たまたま私が禁煙外来をやっているとの噂を聞きつけ、意を決していらっしゃいました。

「一人じゃ禁煙はできないと思ったんです。ここで先生にプレッシャーをかけてもらったら出来そうな気がして」

『プレッシャーなんてかけませんよ でも、一人でどうにかしようと思わず、ここにいらしてくださったのは正解です!お待ちしてました~

ニコレットで挫折した経験ありとのことなので、ニコチンパッチを使ってみることにしました。
帰り際、来週の外来を予約すると・・・

「来週、僕はどうなっているんでしょうか?」などとおっしゃいます。

『タバコを吸わない自分が想像もつきませんか?』

「想像できませんね・・・」

『もう吸えないと思うと寂しいなあなんて感じたりしているのかしら?』

「そうなのかもしれませんねえ・・・」

『そんなふうに自分の心を、よお~く覗いてみることが大事なんですよ。禁煙は本当の自分を取り戻すことですから』

「がんばりますので、よろしくお願いします!」

『来週、お待ちしてますね!』

第一線で活躍している普段のKさんはスーツをピシッと着こなし、クールなイメージでした。
でも今日、外来にいらっしゃった彼は、初めて一人でおつかいに出された小学生のようでした。
禁煙は、大きな夢のある買い物かもしれませんねえ。



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 週末はハマ | トップ | 自分と向き合うということ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

昼下がりの外来で」カテゴリの最新記事