映画なら

朝、救急車で患者さんが他の病院から転院してくるのは知っていた。
前情報によれば、かなり具合の悪い末期がんらしいが、家族が当院を希望しての転院だという。
担当は他の男性医師の予定になっていた。

ところが、救急車が予定時間どおりに到着したというのに、院内にいるはずの担当医がつかまらない。

「センセイ、とりあえず替わりにお願いします」

まさにこれから胸に水を抜く管を入れようっていうときにポケベルで呼ばれた。
まったくどうなってんだか

患者さんの到着した病棟へ行くと、救急隊員が部屋の前で待っている。
ハイハイ、転送の書類にサインねりょうか・・い・・・あらっ

久しぶりに胸がトキメイタ
いやいや救急隊員にじゃなくって・・・
救急車に一緒に乗ってきた研修医らしき若いドクター

患者さんの病状を説明してもらっているあいだ、ワタシの頬は緩みっぱなし。
だってすごく可愛かったんだも～ん。

映画だったら絶対ここは彼に電話番号書いたメモ渡すシーンなのになあ

まっ、おかげさまで半日くらいは気分よくすごせました。