かりんとう日記

禁煙支援専門医の私的生活

痛くない注射

2022年07月14日 | 今日こんなことが
爽やかな空だなあと、その日はついつい空を見上げた。
本来、7月の空は、こんな感じのはずなのかもしれない。

前日、久しぶりに心がゾワゾワして、嫌な気分になったので、土曜日の子供のワクチン接種に出かけて、気分が少しでも良くなったらいいなあと思っていたから、空の爽やかさは救いに感じた。

二回目の接種にやってきた子供たちの中に、スキップしながら診察室に入ってきた女の子がいた。
名前は花ちゃん、9歳。

なぜそんなに楽しいのか、もちろん聞いてみた。

「だって、ぜんぜん痛くないんだもん!だからすごく楽しみだった。」

1回目は私担当ではなかったみたいだけれど、痛くなかったんだ。
それはよかった。

子供のワクチン接種の問診時にしている質問「今日の元気さはどれくらい?」には、万歳しながら「100!」と元気よく答えてくれた。

あまりにも快活で、こちらまで元気にしてもらって、もっとおしゃべりしていたかったけれど、そうもいかないので、注射をすることに。

ところが、腕をアルコール消毒しているときに、パッと振り向いて「針が見たい!」というので、持っていた注射器を危うく変なところに刺してしまうところだった。

針を見たくないと、目を背ける子は多いけれど、針そのものを見たいと言われたのは初めてだった。

「ギザギザしているの?」

いきなり、顕微鏡的な質問だなと思ったけれど、ちょうど前日に献血をしたという看護師さんも加わって、ワクチン用の針はとても細いのだという説明をしたあとに、注射する技術の良しあしも痛さに関係すること、それから、注射される側も、リラックスしていることが重要といった話をした。

でも、彼女が言っていた「ギザギザ」が気になったので、あとでネットで調べてみたら、理由がわかった。

それは、蚊の血の吸い方をヒントに、痛くない注射針が開発されたという話。

子供用サイトにも、この話題が書かれてあったので、きっと花ちゃんは、そのことを言っていたのだとわかった。

ワクチン用注射針ではその技術は使われておらず、主にインシュリン用に使われているようであるけれど、それはそれで、へ~なのであるけれど、こういう調べ物をしてみると、最近気づいたことがある。
話の大元の記事の引用のされかたが、尋常ではないということ。

ちょっとネットサーフィンしてみると、様々なニュースサイト、クリニックのブログや、小学生の自由研究に至るまで、同じ文章がコピペされて拡大されているのがわかるのである。

きちんと出典元を記載しているのもあるけれど、そうでないものもたくさんある。
著作権なんてものは、ぜんぜん存在していない氾濫具合である。


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