CELLOLOGUE

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ペレーニのベートヴェン・チェロソナタ全曲演奏会

2019年02月14日 | 演奏会へ

 浜離宮朝日ホールで行われた、ミクローシュ・ペレーニ(Miklós Péreny, 1948- )のL. v. ベートーヴェンのチェロ・ソナタ全曲演奏会(第1日)を聴いてきました。ベートーヴェンのチェロ作品のほぼ半分をハンガリーの名チェリストの演奏で聴くことができました(ピアノは、イムレ・ローマン Imre Rohmann, 1953- )。
 初めてペレーニの演奏に接してから5年後に再び訪れた演奏会に期待が高まりました。

 今回はチェロの新約聖書とも称されるベートーヴェンです。舞台に姿を現したペレーニはさすがに年齢を感じさせましたが、音は剛柔自在で、大伽藍を思い起こさせるような力強い響きから親密な柔らかい音まで巧みな表現で聴かせました。それは、有名な第3番に最もよく合っていて、曲の輪郭を浮かび上がらせながら奥深い言葉で語りかけられるような印象がありました。

 名人芸もさることながら、私は、現在、ボウイングに傾注しているので、どうしても視線はボウイングに行ってしまいます(笑)。ペレーニの右手は大変柔らかくしなやかでしたし、弓の使い方も意のままのようでした。大変おこがましいのですが、勉強になりました。

 やや左側の座席で聴いていたためか、向かって右斜めにセッティングされたチェロの音がピアノにかき消されることがありました。まあ、よくあることですが、改めてピアノフォルテの時代を思い出ました。ほぼ昔のままの弦楽器に比べて、ピアノがいかに音の強大化に邁進してきたかが十二分に分かりました。演奏内容とは何の関係もありませんが(笑)。

 会場からの熱烈な拍手に応え、2度のアンコールがありました。
 何かと忙しいこの時期ですが、久し振りにベートーベンの世界に思いを馳せながら家路につきました。


ミクローシュ・ペレーニ
ベートーヴェン・チェロソナタ全曲演奏会
~オール・ベートーヴェン・プログラム~


浜離宮朝日ホール 19:00~21:10

【曲目】

チェロ・ソナタ第1番 ヘ長調 Op.5-1
チェロ・ソナタ第4番 ハ長調 Op.102-1
モーツァルト《魔笛》より'可愛い娘か女房がいれば'の主題による12の変奏曲 ヘ長調 Op.66
チェロ・ソナタ第3番 イ長調 Op.69

(アンコール)

*モーツァルト《魔笛》より”恋を知るほどの殿方には”の主題による7つの変奏曲 変ホ長調
*ベートーヴェン:ホルン・ソナタ ヘ長調 Op.17より2楽章、3楽章


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