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チェロローグへようこそ! 万年初心者のひとり語り、音楽や身の回りのよしなしごとを気ままに綴っています。

『月の光:フォーレ歌曲集』を聴く

2008年12月22日 | 今日聴いたCD
フォーレの『夢のあとに』の原曲が聴きたくて購入した1枚。
昔,このCDがLPで出ていた頃は迷ったあげく買わなかった経緯がある。当時は組み物で高く小遣いが少なかったからだ。今では東芝EMI決定盤1300シリーズで安く買える。しかし,あの時買っておけば今頃こんなに悩まなかったかも知れない。本を買うときもそうだが,気になったその時に買っておかないと後で後悔する。そして因縁を感じることになる(笑)。

さて,yoshiさんから教えていただいたとおり,『夢のあとに』(このCDでは『夢のあとで』となっている)は去った女性を恋うる男の物語となっている。
「うっとりさせるお前の姿,あんなに幸せ感じてたのに,なぜかお前はもういない。夜よ,あの娘(こ)を返しておくれ,戻っておくれ,夜よ,戻れ,戻れ,夜よ,帰って来~いよ~♪」みたいな(リーフレットの日本語訳から勝手に演歌調に変換(爆))。

冗談はさておき,私は大変誤解をしていた。女性が夢のあとに恋々とする内容かと思っていたのだ。逆であった。男が女を恋うるのであった(だからCDの訳は「夢のあとで」で微妙に事務的な表現なのか(笑))。夢なら覚めないでほしい。そんなファム・ファタールのような女性がモデルであったのだろうか。それとも単なる表象か。いずれにしても,私は方針転換を図らねばならない(笑)。

が,一言も解らないフランス語には降参せざるを得ない。スゼーの名前は知っていたが,当然,聞き慣れたドイツ・リートとは全く違う。大体,私はフランス近代という時代がよく分かっていない。その文化的,社会的背景を知らない。単純にバッハ以外を弾いてみたいと思ってこの曲を選んだことが間違いだったか(笑)。

というわけで,初めてのフランス近代歌曲は私にとっては一種のカルチャーショックであった。耳慣れない発音と曲想から克服していかねばなるまい。とは言え,12月11日の記事の赤丸の疑問点はこれで解決した。上の赤丸箇所は楽譜どおり,下の赤丸はGESである。あくまでもチェロで弾く時の参考。深入りする必要はないと思う。しかし,スゼーの歌唱を参考に曲の盛り上げ方など研究していくのは面白い。

■『月の光:フォーレ歌曲集』ジェラール・スゼー(バリトン),ダルトン・ボールドウィン(ピアノ),1970,1973,1974録音,東芝EMI,TOCE-13099


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