
面白かったです。ひととおり見ると最初からもういちど見たくてたまらなくなります。今回はめずらしくウェットというか、メインキャラの感情を軸に動いている感じがしました。哀ちゃんにいろいろなことが起こっていろいろな面を見せてくれたり、コナンも感情的になって冷静さを欠いたり。わたしもめずらしくちょっと目頭が熱くなりました。あまり少年探偵団を絡ませなかったのもよかったのかも。
以下ネタバレあり。
ティザービジュアルを見て、哀ちゃんが溺れてコナンが助ける展開があるのかなと思ってたんだけど、逆だった…! ティザービジュアルは実際の場面ではなく物語全体のイメージということか。しかし酸素を与えるシーンよりも、そのあとの手をつないでゆっくり浮上するシーンのほうが印象深かった。なんというか言葉にならない絆のようなものを感じて。そして哀ちゃんのモノローグはせつない。まあコナンはたとえ知ったとしてもほとんど気にしないだろうけど。人命救助はノーカンだろうから。相手が好きな子(蘭)なら多少は気にしてしまうのかなという感じ。
キーとなる人物がむかし宮野志保と関わりがあったというのもよかった。いじめから庇ってくれて、そのせいでいじめの標的が志保に移ったと。そのことをずっと気にしていたあたり優しいひとだと思う。でも強くはいられないあたり普通のひとっぽくて共感できた。ラストの様子からすると、哀ちゃんが志保だと確信していたみたいだけど、いったいどのあたりで確信したんだろうか。
黒ずくめの組織の側が描かれていたのも面白かった。ジンが潜水艦に下りてくる様子が格好良すぎて笑ってしまった。あとジンの髪の描き方が好き。後ろから見てコートの襟で段になってるところとか。ウォッカは面倒見がよすぎて笑ってしまった。わからないと言ったら懇切丁寧に教えてくれるんだもん。そういう面をキールは利用したんだなぁ。NOCとしての立ちまわりに苦労しつつも、いまのところどうにか上手くやっているようですね。かなりギリギリの綱渡りな感じもするけど。バーボンは情報の横流しだけか。赤井と電話して協力を認めたあたりは成長したのかもしれない。シェリーの話を聞いてどう思ったのかはすごく気になる。組織では灰原哀とシェリーは別人ということになったようだけど、バーボンは納得したのかどうか。
今回、灰原哀=シェリーと組織にバレたという展開になったけど、きっと最終的には間違いだったとかいうオチになるんだろうなぁと思ってしまって、そこまで危機を感じないのがちょっと残念というかもったいないというか。ストーリーや演出の問題ではなく、劇場版だから原作を差し置いて勝手に進めるわけないと考えてしまう自分の問題。劇場版でなく原作でこういう展開になったらめちゃくちゃハラハラすると思うの。
ユーロポールやパシフィック・ブイのセキュリティというか危機管理はちょっとひどい。ユーロポールのネットワークセンターに侵入されたのに、きちんと調べもしないままパシフィック・ブイと接続したり…時期的にもそこらへんを狙ってたんじゃないかと疑うべきでは。
老若認証はPSYCHO-PASSに一部似たようなのがあったなと。子供のころの写真をもとに成長した顔を生成するという。これがあると哀ちゃんやコナンだけではなくベルモットもマズそう…と思ったけど、変装を誤認証してしまうとかあんまり精度はよくないみたいな。使い物にならないというのは確かにそうかも。この世界には変装の名人がたくさんいるわけだし。今後もっと精度を高めていくのかな。
しかしベルモットが自主的に哀ちゃんを助けたのは意外だった。哀ちゃんのためというよりコナンと自分のため? やっぱり哀ちゃんのため? まるで哀ちゃんがフサエブランドの整理券を譲ってくれたからみたいな感じだったけど、あのときのおばあさんもベルモットだったのか? だとしてもいったい何がしたかったんだ? ブローチのアップが意味深すぎて他にも何かありそうな気がしてならないんだけど…。ここらへんよくわからなくて今度見たらいろいろ確認したい。
潜水艦やパシフィック・ブイのスケール感には圧倒された。潜水艦は重量感も感じた。クライマックスの魚雷での戦いは手に汗握る感じでドキドキした。こういうの好き!
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名探偵コナン@SKY BLUE
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