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ダンサーと”光”が踊る新しいステージーRhizomatiks Research x ELEVENPLAY Dance Installation at Gallery AaMo “phosphere”

2017年04月23日 | アート・写真レポート

先日オープンしたgallery aamoのこけら落とし公演で、オリンピック閉会式でも話題となったライゾマティクス&ELEVENPLAYのステージ「phosphere」を観に行ってきました。

タイトルに”Dance Installation”とあるとおり、「ダンス」とも「インスタレーション」とも違った新しいステージを見せてくれて、終始大興奮の舞台でした!(全てのステージが終わった後なので、ネタバレを含む内容も書いていますのでご了承ください。)

(こちらが東京ドームシティにできた”Gallery AaMo"。今後、TOKYO ART CITY by NAKEDなどの展示も予定されています。)


■光をつかったシンプルな演出

今回のステージで最も印象的だったのは、演出がとにかくシンプルだったことです!(といっても、恐らくリアルタイムでダンサーや道具の位置をトラッキングしながらプロジェクションしたり…といった複雑な処理は行われているのだと思いますが…)

ステージの中にあるのは、ダンサーさんたちの身体表現と主に”光”。プロジェクタからの光と身体の動きだけで、こんな表現ができるのか…と驚きのステージでした。光の使い方は、先日までICCで行われていた”アート+コム/ライゾマティクスリサーチ 光と動きの『ポエティクス/ストラクチャー』”からのつながりも感じさせられました。

特に痺れたのが、レーザープロジェクタを”平面に映像を投影する道具”ではなく、”空間にオブジェクトをつくりだす道具”として使う発想。これまでディスプレイの中でしか見られなかったARのような世界が、レーザープロジェクタによって目の前の現実空間に現れてくるのは、初めての体験で感動しました。

ホログラム的な映像までも、プロジェクタの使い方で可能にしてしまう…道具の使い方の発想を変え、あと、多分見せ方を実験・調整することで、こんなことができるのか…と、とにかく目から鱗の体験でした。

真鍋大度さんもinstagramで「リオやCeBITはテーマや技術が設定された中で演出を作らなくてはならず、演出モリモリかつシステム的にも複雑でしたがphosphereは超シンプル構成で全編通して技術ネタは1つのみ、コンセプトも明確な作品で久々に超ミクロな狂った感じの制作が出来ました。」と書かれていましたが、まさにそれが伝わってくるステージでした。


■ダンス?インスタレーション?主役の入れ替わるステージ

はじめに書いた通りこの作品はダンスステージではなく、”Dance Installation”
2年前にはじめてRhizomatiks Research x ELEVENPLAYの「MOSAIC」を拝見したときには、”ライゾマの演出が身体表現を拡張している”(あくまでも主役はダンス!)ように感じたけど、今回は”光の演出がELEVENPLAYのダンスを拡張する”のと、”光のインスタレーションの中でダンサーがオブジェの一部になる”ような主役の交代が何度も繰り返されていくようだったのが印象的でした。

とりわけ印象的だったのは、ダンサーの動きを光が追従するような表現に続いて、その光がダンサーから切り離されて、光だけでダンスを始める瞬間。美しさと衝撃、”人から離れたところで”身体表現がなされている”ような不思議さと、不安のような複雑な気持ちが入り交じっててもやもやとした気分になりました。

ステージのオープニングでは”ダンサー”が中心だったのが、エンディングではダンサー不在でもステージが成立してしまうような様子をイメージしてしまったのにも複雑な気分でした。


■”観客”と”舞台”の関係を変える

「phosphere」は舞台の3方位から見られたのだけど、正面の最前列が”特等席”ではなくて、観る場所(平面内でも、高さ方向でも)によって見えてくる世界が違ってくる様子だったのもユニークで、ステージを見終わった後に、”違う席からもう一回見たい”と強く思いました。
昨年のRhizomatiks Research×ELEVENPLAYの「border」の時にも感じたことですが、同じステージなのに見る位置によって違った体験になるんですね。

また、プロジェクターからの光が観客席の側にも差し込んできて、ステージと客席の境目が曖昧になっていったのも面白かったです。先ほどの”見る位置によって体験が変わる”ことにも関わりますが、(わたしは前方席に座っていたので見られませんでしたが)側面側から見ると、正面側の客席後方に映像が見えたりもしていたそうです。

今回は2日間の公演でしたが、もしもどこかで再演してくれたら絶対にもう一度見に行きたいと思う作品でした。

 

 

なお、こちらのステージは終わってしまいましたが、現在表参道のスパイラルではライゾマティクス創立10周年記念展「Rhizomatiks 10」を開催中です。これまでの作品の映像展示のほか、昨年行われた「border」のインスタレーションバージョンの体験などもできます。こちらは4月30 日(日)までです。

 

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■DATA■

Rhizomatiks Research x ELEVENPLAY Dance Installation at Gallery AaMo

 

期間: 2017.4.15[sat] - 2017.4.16[sun]
時間:
1st OPEN 12:30 START 13:00
2nd OPEN 16:00 START 16:30
3rd OPEN 19:30 START 20:00
場所:Gallery AaMo(ギャラリー アーモ)

「Gallery AaMo」のオープニングを飾るのは、メディアアーティストの真鍋大度と石橋素が率いる「Rhizomatiks Research」と演出振付家のMIKIKOが率いる「ELEVENPLAY」によるコラボレーション・ワーク。
世界的知名度を誇るメディアアーティストと、大胆かつ緻密な演出力でエンターテインメント表現を更新し続ける演出振付家の協業は、2010年のスタートから、その表現力の高さと独創性において他の追随を許さない最強のタッグとして世界を驚かせてきた。
今回披露されるのは2年ぶりとなる新作公演。
いまここに生まれる、世界初演の“ダンス・インスタレーション”をお見逃しなく。


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