【今週末はどこに行こう?】今週末行きたい 展覧会・イベント

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(関東地方・現代アート中心です。)

2017年 展覧会 BEST10 【ギャラリー・作品 編】。

2018年01月03日 | アート・今年のBEST展覧会・作品
 
に引き続き、ギャラリーでの展示作品単独での Best10をまとめました。
 
 実は2017年は美術館での展覧会よりもギャラリーでの展示が印象的なものが多く、【美術館編】ランキングよりもこちらの方が思い入れが強かったりします… (^_^; 
 
(なお、過去の「アート作品 BEST5」はこんな感じでした↓↓↓
 
 
 
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【1位】
 
 
  
2016年の作品1位には、Rhizomatiks Research x ELEVENPLAYの「border」を選んだのですが、2017年もRhizomatiks Research x ELEVENPLAYのこちらのパフォーマンスが最も強烈な印象を残しました!しかも、前年とはまた違った意味で。
 とてもシンプルでありながら常識的なものの使い方を覆す演出、人間と光がダンサー / インスタレーションとして次々と入れ替わって行く構成、舞台と観客のボーダーの関係を崩すような演出。人間不在でパフォーマンスが成立するような恐ろしさも感じつつ、とにかく興奮!のステージでした。
 
 
【2位】
 
 
 
 長谷川愛さんの作品は「(不)可能な子供」などでこれまでにも拝見したことがあったし気になってもいた一方で、「バイオアート」というジャンルは自分から少し離れた世界にある作品であるような感覚もありました。それが、この展示の「私はイルカを産みたい」や「シェアードベイビー」を見たことで バイオアートの ”あるかもしれない未来” がはじめて ”自分ごと” になったように感じました。
 ただ衝撃的というだけでなく、本当に動物の子供を産むための科学的・政治的なアプローチについての思考や、リアリティのある映像によって、作品がさらに力強くなっているようにも感じました。
 それにしても、これが2011年の作品だったというのもまた驚き。こういった会場で見ることができて良かったです。
  
 
【3位】

 
 
 2017年、ベネツィアビエンナーレの日本館アーティストに加え、日本国内の各地の芸術祭にも参加されていた岩崎貴宏さん。
 2017年はこの展示以外でも作品を拝見する機会はあったものの、この個展ではこれまでの作品からの変化が見られ、また、展示室がひとつのテーマで一貫した、大きなインスタレーションのようになっていたのがとても印象的でした。
 
 
【4位】
(ヨコハマトリエンナーレ2017 @横浜美術館/横浜赤レンガ倉庫1号館/横浜市開港記念会館 地下 ほか)
 
 
 
 今回の横浜トリエンナーレは、少数精鋭のアーティストによる個展形式の展示で、それぞれのアーティストの世界観を体感できたのがユニークで良かったですが、その中でも特に印象的だったのが宇治野宗輝さんの「プライウッド新地」でした。
 古い家電を使った作品は、インスタレーションというよりもまるで”パフォーマンス”作品で、一方で立体作品として見ても赤レンガ倉庫の広い空間を生かしたスペクタクルな作品で、同時にそれらを紐解いていくような映像作品が上映されていたのも良かったです。言葉を連ねて説明するよりも、とにかく一度体験して欲しい!と思った作品です。
 
【5位】
 
 
 
 小泉明郎さんの前年の「空気」につづく ”天皇制” に関する作品で、実を言うと本来のテーマ自体にはあまりピンとこなかった作品ですが、一方で映像表現の方法とその映像から読み取れる別の問題について考えさせられる展示でした。
 少し変わった方法で録音された音と3面スクリーンを使った映像を見ているうちに、映像の中の主人公の感覚が自分の感覚になってくるような不思議な体験で、この空間・設備で、映像の始まりから見ることができて良かったと思う作品でした。
 
 
【6位】
 
 
 
 展覧会が終わってもいつまでも引きずって考え続けた、という意味では2017年1番の展示だったかもしれません。展示会場がタイトル通りのただの”ブラックボックス”だったり、実際には展示室を出た後に自分が関わる形のパフォーマンス?的な作品だったことに気づいた時の一時的な驚きだけでなく、その後、”自分がデマや扇情的な発信をするべきなのかという葛藤”、”デマが許される状況の中で、自分が目にしたもの以外を信じられなくなっていたことに対する恐怖” など、様々に感情を揺さぶられる展示でした。(事件とは切り離し、自分が目にした展覧会の内容だけで考えています。)
 
 わたしは展覧会初期に見たので後半に見られた方とは印象が異なるのかもしれませんし、事件発覚後の作者の対応は残念に感じてはいます。その一方で、展示を実際に見ていない人の推測だけの勝手なものの言い方にも疑問を感じることも多く、そういった意味でも印象的な展示となりました。
 
 
【7位】
 
 
 
 ”性”に関する作品のイメージの強かった市原えつこさんのイメージが大きく変わった展覧会でした。pepperを使って”死”と”生”の中間のような期間をつくってくれる「デジタルシャーマン・プロジェクト」をメインとした展示でしたが、このプロジェクトは初めは ”残された人”のためのものだと思っていたのが、徐々にいつくるか分からない ”自分自身の死” について考えるためのものであるように思え、「死」という 避けがちな、重く暗い言葉を考えることが、同時に自分の「生」について考えることだと前向きに見えてきたのがとても印象的でした。
 
 
【8位】
■ 「日本人を演じる」 / 藤井光
■ 「栄光と終焉、もしくはその終焉 / End Game」 / 田村友一郎

 
 
 今年は「日産アートアワード」「Asian Art Award」という2つのアートアワードが開催され、自分と年代の近い日本のアーティストの新作を一度に観られる機会あったのが嬉しかったですが、その中の作品でも特に印象的だったのが、日産アートアワードのこちらの2つの作品でした。
 藤井光さんの「日本人を演じる」は、”人類館事件”を演じそれについて参加者が語るという作品内容、ワークショップを撮影したものであるにも関わらずその映像の美しさ、そしてそれを”編集”することがストーリーに与える影響など、様々なことを考えさせられる作品でした。
 
 
 また、田村友一郎さんの「栄光と終焉、もしくはその終焉 / End Game」は、横浜美術館の「Body展」、ヨコトリの「氷川丸」、小山市立車屋美術館の「試論:栄光と終末、もしくはその週末 / Week End」の、いずれも現実なのか想像なのかも掴みづらいストーリーが緩やかにつながってくるのがまず面白く、また、壮大なインスタレーションと3面スクリーンをユニークにつかった映像も印象的でした。
 
 
【9位】
 
 
 昨年、展覧会として1位に選んだ「Chim↑Pom また明日も観てくれるかな? | 〜So see you again tomorrow, too? 〜 @歌舞伎町振興組合ビル」に続く展覧会で、自分たちの”私的”な空間の中に、”公共物”である「道」を作って、その境目を曖昧にしてしまうというのがユニークだったし、やはり、美術館ではできない…というか、Chim↑Pomにしかできないような大掛かりな作品群に圧倒される展示でした。
 
 
【10位】
 
 
 
 個人的に、2017年は ”メディアアート” のことについて考えることが多い年だったのですが、そのきっかけとなったのがこちらの展示でした。この展示を見る中で ”新しいデバイス” はなぜアートになるのか?という疑問が浮かび、落合陽一先生の書籍をはじめさまざまなメディアアートに関する書籍をあたり、今までよりも少しだけ”メディアアート”に対する理解が深まった気がします。「ホログラフィックウィスパー」などの印象的な作品にも出会った一方で、そういった意味でも印象的な展示でした。
 
 
 
その他に良かったのは…
 
 
 
 
 
 
 
 

  

 
 
 
 
 
 
 
 2017年は美術館での大型展覧会よりも、ギャラリーでの展示の方が印象に残ったものが多かったです。美術館のような制約がないためかもしれないですし、小さな展示の方が1作品をじっくりと観られたり、1つのテーマで考えることができるからかもしれません。
 
 2017年の夏〜秋が忙しく、行けなかった展覧会が多かったのが残念でした。特に、大型展覧会や家からやや行きづらい東京の東側の展示は大幅に減ってしまいました^_^; それと同時にブログの更新も大幅に減ってしまったので、2018年はもっとフレキシブルに更新できるといいなと思っています。12月から都内の勤務になって会社帰りにもギャラリーにいける機会が増えたので、今年はもっとギャラリーに行けるといいなぁと思っています!

 今年も素敵な作品と出会えますように!

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