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● 2016年 アート作品 BEST 5 ●

2016年12月31日 | アート・今年のBEST展覧会・作品
1つ前の記事では個人的な「2016 展覧会 BEST5」を挙げましたが、”展覧会”ではなく”作品"として印象に残っているものも多いので、「2016 アート作品 BEST5」も挙げたいと思います!
 
 
(なお、過去の「アート作品 BEST5」はこんな感じでした↓↓↓
 
 
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2016 アート作品 BEST5
 
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2016年はVR元年と呼ばれ、PlayStationVRが発売されたり、MediaAmbitionTokyoの中でもヘッドマウントディスプレイを使ってパフォーマンスの中に入れるようなコンテンツがあったりと、これからどんな表現が広がるのかな?と想像していたところで、その想像を何段階も飛び越えてしまうようなパフォーマンスでした!
VR(仮想現実)とAR(拡張現実)で次々と切り替って、どこまでが現実でどこからがCGなのかわからくなって頭が混乱するような体験混乱から触覚と嗅覚で現実世界に引き戻される体験、目の前にあるものが”本物”かわからなくなる不安…さらに、自分が「鑑賞者」だと思っていたのが「パフォーマー」の一部になっているという「観ること」の感覚を揺さぶられるような体験など、これまでに体験した事のなかった感覚が次々とふりかかってくる、新しい体験でした。
 
2015年12月のスパイラルでのプレビューには仕事で行けなかったので思わず山口まで行ってしまいましたが、「体験できて良かった!!」と思えるパフォーマンスでした。
 
 
もちろん、ELEVENPLAYのダンスを目の前で鑑賞できるというのも信じられないような特別な体験でした!
 
 
 
 


 
「展覧会BEST5」でも書かせていただいた青崎伸孝さん。どの作品もこれまでの”常識”の感覚を揺さぶってくれるようなユニークな作品でしたが、とりわけ印象的だったのが「Value_Added #240950」という作品でした。
パッと見はボロボロの缶詰ですが、その缶詰を様々なスーパーで何度も”買い直し”するという作品ですが、バーコードで製品情報は管理されていてもその”個体”までは管理されていない、というシステムのスキをついていることにまず驚き、それから本来の商品価値は下がっていくのに、”その個体”にかけられた対価はどんどん膨れ上がっていくことや全く同じ個体なのに売られる場所によってその価値がころころと変わっていく…というのが、”工業製品”に対する価値観を揺さぶるような作品でした。
 
 
(展覧会の感想:青崎伸孝 | at the moment @statements
 
この作品のほかにも、茨城県北芸術祭では「スマイリー・バッグ・ポートレート」を描いてもらう体験もしましたが、描いたポートレートそのものよりも、その場で話しながら絵を描いてもらう”過程”が作品のようであったのも印象的でした。( 海も、山も、芸術も!ぜんぶ楽しみたい茨城県北芸術祭 2016 ③ ー海編(南側)ー )
 
 
 
 


こちらも「展覧会BEST5」でも書かせていただいたChim↑Pomの作品。1階から4階までの床をスパッと抜いて、それぞれの空間の”日常”がサンドイッチになっているという、とても大掛かりで、なおかつ建物の”歴史”や”記憶”のようなものも閉じ込められた”重い”作品なのに「ビルバーガー」とめちゃくちゃに”軽くて”キャッチーなタイトル…というギャップのインパクトがものすごく強くて、一発でタイトルを覚えてしまう作品でした。(アーティスト名は覚えても、作品名は忘れてしまう事って結構多いんです…)
ビルの4階から安全柵も注意書きもなく1階までスパッと床が抜かれているのは、仕事で求められる過剰な”安全性”や”おもてなし”の考え方と”自己責任”というものを考え直させられるようなものでした。また、このくり抜かれたビルの上のフロアでは何事もなく通常業務が行なわれているというのは滑稽に思えるけれど、もし自分の家や職場がそうなっていても実際は気づかないし、日常を送っている上で”見えていない部分”はいくらでもあるなぁ…という恐怖も感じる作品でした。
 
 
 
 
 
 
 
今年はじめて作品を拝見したアーティストさんですが、ほぼ同じ時期に行われた2つの戦争にまつわる作品がどちらも印象的でした。
特に印象的だったのは「六本木クロッシング」で展示されていた「帝国の教育制度」です。なんの説明もなく、戦争時代の日本のビデオを韓国の学生たちに見せてその様子を演技してもらうという作品で、はじめは「なぜそんな”誤解”を招くようなことを…」と思って見ていましたが、でも”真実”ってなんだろう?と考えると、戦争に限った話ではなく、”誰かが説明している内容”を誰もが納得する”真実”と言う事はできないんじゃないか…?と、1つの作品を見る中で何度も自問自答を繰り返させられるような作品でした。
 
 
 
 


今年は大巻伸嗣さんの作品に触れられる機会が非常に多く、北千住では「くろい家」の展示(感想:移り変わる街なかで ゆったりと流れる時間を感じる ー大巻伸嗣「くろい家」@北千住)と「Memorial Rebirth」(感想:しゃぼん玉で風景が一変!「大巻伸嗣 Memorial Rebirth 千住 2016 青葉」。)のイベントがあったり、「あいちトリエンナーレ」では3点もの異なるタイプの作品を制作され、同時期に行われたアートフロントギャラリーでの個展では新しいシリーズが発表されたり、作品集が発売されたりもしました。
とりわけ印象的だったのは、あいちトリエンナーレの中での「Echoes Infinity -永遠と一瞬」です。白いフェルトの上に顔料で描かれた非常に繊細な作品ですが、会期後半にはその絵の上を歩けるようになるということで、とても儚い作品のように感じられもしましたが、一方で、その繊細な作品の細かい部分まで見ようと絵に近づけば絵がこわれていくし、自分が見たくて奥まで踏み入って行けばいくほど後から来た人はその風景が見られなくなる…と考えると、それはすごく強烈な体験でとても強い作品であるようにも思える作品でした。



 
その他にも、
まるでアーティストが作品をつくる時間をその場で共有できるような


 
水がスクリーンになるだけではなく、自分自身が冷たい水に浸かりながら作品を見るという体験が新鮮だった
 
 
 
はじめは無関係に思えたオブジェクトが徐々にひとつの作品として繋がっていき、戦後をテーマにしていると思った作品が、現代にある違和感に繋がっていく様子が印象的だった
 
 
 
一般人を看守役と囚人役に分けてその行動の変化を観察する「監獄実験」を現代に再現し、”看守役が囚人役に厳しく当たることに快楽を見出していく”のではなく、「看守役をきちんと全うしなくては」という責任感・正義感が非人道的な行為を誘発していくような恐ろしさを描き出した
 
 
 
なども印象的な作品でした。
 
 
 
映像作品や政治や歴史のような要素が入った作品というのは、これまで個人的には避けがちだったのですが、今年はそういった作品で印象的な作品が多く出会えたように思えます。特に東京都現代美術館の「 MOTアニュアル2016 キセイノセイキ」展は印象的な作品が多かったです。
 
今年も素晴らしい作品、新しく知るアーティストさんの作品にも多く出会うことができ、新しい視点・考え方を見せてもらうことができました。来年も素敵な作品に出会えますように!
 

 

それでは、皆さま、よいお年を!

2016.12.31 PLAstica.

ジャンル:
芸術
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