【セブ市南部のとある海岸にある里子の家】
ここ2~3年の傾向なのですが、やはり温暖化の影響か、セブは、新年に入って、これまでのところ、大変に不安定な天候が続いています。
特に、既にこの時期、通常であれば乾季だと言われるのですが、未だに雨季真っ只中の気候にて、常に空には大きな雲があって、何時なんどき、降りだすか分からない状態です。また、ちょっと降れば直ぐにカンカン照りになり、湿気がモワモワと上がり、不快指数は急上昇です。また、この状態の中、あちこちに水溜りが出来、デング熱を媒介する蚊が何時までも居座っています。(乾季になれば下火になるのですが...)
…この気候の中、体調不良を訴える人も少なくはなく、ウチの義母、義弟の彼女には、風邪による発熱があり、ウチの娘も風邪気味で機嫌が悪く、先週辺りから僕自身も、目が変に過敏になって、目がチカチカしたり、体の節々が痛かったり、それに加えて、何だか得体の知れぬ倦怠感があったりして、‘歳のせいかな?’と疑っていたのですが、どうやら、単純に風邪の前期症状だったようで、今日になって、喉が痛くて、鼻が詰まって、ちょっと熱っぽくて、大変に不快な気分の中で仕事をしています。(苦笑)
しかし、僕はまだマシな方で、こうした降ったり止んだりの湿気が多くて不快な天候の中、最も影響を受けやすいのは、やはり、冒頭の画像にあるような家に住んでいる人たちで、僕らの里子の中でも、最貧困層のグループは、こんな場所で生活しています。
画像では確認し辛いかも知れませんが、この家(…と、いうか‘家’という表現が正しいかどうか...)には、屋根も壁もありません。大きな竹製のベッドが2脚、海岸の比較的、風の当たり辛いところに置いてあって、その上に竹で簡単なフレーム(?)を作り、ビニールシートを被せて、雨露を凌いでいる状態です。(…でも、如何に風の影響が少ないところとは言っても、熱帯低気圧や台風による強い横殴りの雨が降れば、防水効果は殆どありません)
ここに住んでいる子は、現在小学校4年生のC君です。そして、画像の左の方で‘内職仕事’をしているのが、C君のお母さんで、年齢は49歳。白髪頭で、肌の色艶は悪く、日本人の感覚からすれば、70歳以上のお婆さんに見えます。ここで一日せっせと内職をしても、それで得られるの対価は1日50円程度です。(何時ここを訪問しても、何時も同じポジションでせっせと仕事をしていますから、毎日休みなく働いているのは間違い在りません)お父さんも同い年で、近くの海岸で荷受作業などをしていますが、こちらの収入も1日100円程度で、毎日仕事があるとも限りません。(仕事がある時だけの日雇いです)
…またC君には、近所に既に成人して所帯をもっているお兄ちゃんとお姉ちゃんが居ますが、皆、小学校すら出ておらず、お父さん、お母さんと同じ程度の仕事をして、皆、食べるのに精一杯です。しかし、このC君だけは、‘こんなハンデ’を背負いながらも、ウチ団体(プルメリアセブ現地事務所)が採用する前にも、学業成績は常にクラスの3位以内におり、昨年の今頃、学校の方から、“折角の才能があるのに、このままでは学業が続けられなくなるのは目に見えています。何とかなりませんか?”…との依頼を受けて、緊急で里子(奨学生)として採用してサポートを開始したのですが、その後、就学支援の効果もあってか、1年経った現在では、クラスで常にトップ。学年でもトップを常に争う位置にこの子は付けています。
…まあ、しかし、この劣悪な環境ですから、この天候不順の中、偶々、昨日、僕が家庭訪問をして、C君の様子を見に行くと、本人は学校を2日欠席しているとの事で、よくよく話を聞くと、彼は、高い熱が出て、食欲もなく、手持現金が無いから医者にも行っていないとの事で、慌てて、こちらから、当座の現金を支給し、(…ウチの団体では、就学支援に伴う二次的なサポートとして、就学が継続出来る様、医療支援と、時には生活支援も行う場合があります)先ずは医師の診察を受けて貰う事にしました。そして、明日には再度、現地事務所ボランティアのR君にフォローをかけて貰い、現状を確認する段取りにしていますが、場合によってはデング熱という可能性もあり、心配しています。(…何かあれば、直ぐに連絡をするよう、家族と本人には指示してありますが、今のところは何も言って来ないので、大丈夫なのかな…と)
それとは別件で、今日、緊急医療支援を求めて、事務所に飛び込んで来たのは、別の地域のスクアターに住んでいる小学生の里子B君のお母さんで、これについては、B君が、5日間程熱が下がらないまま、とうとう、食欲が無くなり、血尿が出て、脱力し始めたので、近所から借金をしまくって、慌てて医者に診せたら、‘デング出血熱’を発症しており、即時入院が必要だが、保証金(約6,000円)が納められないので、子供を病院に残して、お母さんが、慌てて、泣きながらウチの事務所に飛んで来て、こちらも、焦りまくって、一緒に病院へ走り、現状を確認して手付けを打って来たような次第で、取り敢えず、命には別状無いようで、ほっとしているところです。
B君の場合、このお母さんが、小学校の臨時採用の用務員のような仕事をしている為、C君の家よりは、若干の余裕はあるし、いざとなった時には学校の先生方の‘カンパ’も受けられるので、発熱で2日間、学校を欠席した時点で、一応、医者には診せたが、やはり血液検査を受けるとなると、その分、余計にお金がかかり、資金の捻出が難しかった事から、医者との相談で、‘もうちょっと様子を見よう’…と言った、日本の常識では測れない判断が為され、最悪の場合には、そのせいで、危うく‘手遅れ’になる所でした。…結局、‘そのせい’で、更に余計にお金が掛かる事になった可能性も高いのですが、それが、ここの‘常識’ですから、どうしようもありません…苦笑。(…B君が、ちゃんと治って、また学校へ通えれば、それでヨシです)
今年に入って1件目のデング熱ですが、(…C君も場合によっては、その可能性がありますが、まだ分かりません)この怖い病気が、ウチの100人程度の里子の中で、毎年2~3件は必ず出ますから、特にフィリピンの貧困層は、かなりの高確率で、この病気の脅威に晒されていると言えます。
警察官はいうにおよばず、郵便局の職員にいたるまで、この国の公務員は特権的に振舞える場面では絶対にチャンスをのがさず庶民を蹴落とします。誰も人々の幸福の為に働いているようには見えません。公共なんて概念は無いか、あっても特権階級を形成している‘オカニモチ‘の隠れ蓑、施しの域を一歩たりとも出ない。
公務員ではなく、オカニモチの家来みたいですね。
志の高い医者なんてもいそうやねんけどねぇ。
なんで社会運動化せえへんのでしょう??もしかしたら、アブサヤフ?とか共産ゲリラとかは‘エエモン‘(ワルモノの対語)なんですか?
荒れ地を前にして耕しもせず、種も蒔かず芽は出ません。絶対に無駄な種まきでは有りません!!
僕も今日の日中は、日系企業での勤務に出まして、夕方には、発熱もあって、昏睡しておりましたが、今になって、体が痛くて、目が覚めて、寝付けなくなってしまいました。…本当に歳かも知れません。(苦笑)
…この国の状態について、仰られたい事の意味は良く分かります。まあ、何時も同じ結論になってしまうのですが、この国を支配する者たちは、表立っては言いませんが、その方向性というのは、‘愚民政策’そのものだと思います。
悲しいかな、植民地をベースにした国家故、庶民層は‘痛みを痛みとも感じられないレベル’に留めておく事が、彼らの既得権益を維持することに役立つ…そこに行き着くでしょうね。
ここには、‘公’(おおやけ)という概念は最初からなく、弱肉強食の原理が色濃く出ている国です。(…アメリカの悪いところばかりを繁栄しているような...)
従って、公正、公平、公益、公共…等々、‘公’で言い表す事柄は、ここには存在しませんから、どうしようもありませんね。
しかし、志の高い医者については、偶には、おいでになります。優秀な方ゆえ、既にアメリカへ移民しまって、もう、ここにはいないのですが、ウチの学生に対しては、診察料は無料で処方箋もただで出してくれたお医者様が嘗てはいました。
アブサヤフ、共産ゲリラ…これもミンダナオ辺りの現状を知れば、現政府の方が‘ワルモノ’のようにも見えてしまうような側面がありますね。
社会運動…ここの愚民政策が功を奏して(?)中々、そこまでは行きませんね。(苦笑)
時には、本当に、全く先の見えない事態にも遭遇して来ましたが、今、何とか、ここでやって居られる事は、良い方々のご縁の賜物です。
そうした方々がおいでになる限り、頑張って行きますよ。
我輩、15年近く前にマレーシアに行った際、あちこち蚊に刺されて、帰国後、それが全然治らないどころか、しこり状になってキョーレツな痒さに・・・
発熱等の症状は全く無かったんだけど、とにかくこの痒みがハンパじゃなくて、病院に行ったら最初はただの蚊に刺されだったものが、アレルギー反応を起こして「ヨウシン」(漢字忘れた)とゆーものになっている・・・と・・・
普通1つあっても夜眠れない位痒いのに、こんなにたくさんあると大変だね・・・
なんて言われたものの、あちこちの病院に行っても治らず、結局2年位たって、東洋医学にも力を入れてるお医者さんのところに行ってやっと治った・・・
その後、日本の蚊に刺されてもアレルギーが出るようになってしまったから、夏場はステロイドの塗り薬が手放せないの
そして、昨年末またもやマレーシアで1箇所虫に刺された所が未だに治らない・・・
怖いのは一見治って、ほとんど分からない位になっても、薬を塗り続けないと又もこもこと復活してくるの
南国の虫は怖い・・・
息子さんの事、心配ですね。気候変動による風邪の可能性の方が大きいとは思いますが、どうぞお大事に為さって下さいね。(こちらのC君は単なる風邪でしたし、デング熱のB君も無事に退院しました)