アコギおやじのあこぎな日々

初老の域に達したアコギおやじ。
日々のアコースティックな雑観

三十回忌

2019-06-25 | Weblog


 30年前の6月24日。

 県南地方で起きた大きめの事件がその前日に片付いて、不眠不休のような1週間の出張を終えてアパートに帰った。

 正午すぎだったと思う。


 すぐに横になろうとしたが、留守番電話が点滅していた。

 彼女の妹からだった。


 「いま、姉が亡くなりました」


 その後の数時間は記憶がない。午後7時過ぎに彼女の実家に着いた。


 彼女のお母さんが「ほら、〇〇さんが来てくれたよ。ほら、起きな」と彼女の体をゆすった。



 彼女の頬に手を当てて、しばらく彼女の顔を見つめていた。

 目を閉じたままの彼女は、微笑んではくれなかった。

 頬から伝わってくる冷たさだけが、今も峻烈な記憶として残っている。

 

 25歳。生きていれば、今年で55歳。


 おれはそのあとの30年間、いろいろな道を歩いてきたよ。


 おれはもう少し、生きようと思う。



 
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