子どもの笑顔。
それだけで、生きていける。
◇
先週末から体調が不安定だった息子が、15日の朝とうとう入院することになった。
嘔吐の繰り返し。食べてもすぐに戻す。急速に血色を失い、真っ青な顔色。抱き上げても首も四肢も力なくだらりと下げたままだった。
「このままでは危険だ」。
脱水症状、それに血糖値の低下が深刻な状況だったらしい。
◇
ここまでダメージを受けている息子は初めて見た。
これまでは病気になっても「痛いよう」「ゲーしたいよう」と大きな声で表現してくれた。
しかし、今回は苦痛を訴える言葉を発することさえできない。
◇
15、16日と妻が病院に寝泊りで看病。日中は私が付き添い、夜から朝にかけては妻が付き添った。
土日に重なったことは、共働きの私たちには幸運だった。
◇
月曜日のきょうは、妻は病院から仕事場に出かけた。
続いて回診は私が応じた。回復が早く、きょう退院。
うれしかった。
息子は、3日間続いた点滴からようやく解放された。
おれも妻も、病院内と外との両立生活から離れることができた。
なにより、息子の満面の笑み。
◇
入院を宣告されたとき、「おうちがいい」「病院いや」「帰りたい」と泣いた。
点滴を手の甲の血管から入れるときは、暴れるので妻が息子に馬乗りになって息子を押さえ、二人の看護師さんが腕を押さえて針をようやく刺した。
ちなみに父親は子どもの恐怖心を膨らませるということで、姿を見せないでくれとのことだった。
◇
3日間、ご飯を食べるのも、絵本を読むのも、すべて右手1本でやった。
点滴を外された現場には居合わせなかったが、大喜びだったという。
退院には、仕事の合間を縫って立ち会った。
入院棟を出たときの息子の笑顔。
爆発的な笑顔。
この世のすべての喜びを集め、自らが発光しているかのような顔。
◇
病院の玄関口で、私は実感した。
息子よ、お前が笑顔を見せてくれる限り、おれはどんな場所でも生きていける。
それだけで、生きていける。
◇
先週末から体調が不安定だった息子が、15日の朝とうとう入院することになった。
嘔吐の繰り返し。食べてもすぐに戻す。急速に血色を失い、真っ青な顔色。抱き上げても首も四肢も力なくだらりと下げたままだった。
「このままでは危険だ」。
脱水症状、それに血糖値の低下が深刻な状況だったらしい。
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ここまでダメージを受けている息子は初めて見た。
これまでは病気になっても「痛いよう」「ゲーしたいよう」と大きな声で表現してくれた。
しかし、今回は苦痛を訴える言葉を発することさえできない。
◇
15、16日と妻が病院に寝泊りで看病。日中は私が付き添い、夜から朝にかけては妻が付き添った。
土日に重なったことは、共働きの私たちには幸運だった。
◇
月曜日のきょうは、妻は病院から仕事場に出かけた。
続いて回診は私が応じた。回復が早く、きょう退院。
うれしかった。
息子は、3日間続いた点滴からようやく解放された。
おれも妻も、病院内と外との両立生活から離れることができた。
なにより、息子の満面の笑み。
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入院を宣告されたとき、「おうちがいい」「病院いや」「帰りたい」と泣いた。
点滴を手の甲の血管から入れるときは、暴れるので妻が息子に馬乗りになって息子を押さえ、二人の看護師さんが腕を押さえて針をようやく刺した。
ちなみに父親は子どもの恐怖心を膨らませるということで、姿を見せないでくれとのことだった。
◇
3日間、ご飯を食べるのも、絵本を読むのも、すべて右手1本でやった。
点滴を外された現場には居合わせなかったが、大喜びだったという。
退院には、仕事の合間を縫って立ち会った。
入院棟を出たときの息子の笑顔。
爆発的な笑顔。
この世のすべての喜びを集め、自らが発光しているかのような顔。
◇
病院の玄関口で、私は実感した。
息子よ、お前が笑顔を見せてくれる限り、おれはどんな場所でも生きていける。