アコギおやじのあこぎな日々

初老の域に達したアコギおやじ。
日々のアコースティックな雑観

子どもの笑顔

2008-11-18 | Weblog
 子どもの笑顔。

 それだけで、生きていける。


     ◇


 先週末から体調が不安定だった息子が、15日の朝とうとう入院することになった。

 嘔吐の繰り返し。食べてもすぐに戻す。急速に血色を失い、真っ青な顔色。抱き上げても首も四肢も力なくだらりと下げたままだった。


 「このままでは危険だ」。




 脱水症状、それに血糖値の低下が深刻な状況だったらしい。


      ◇


 ここまでダメージを受けている息子は初めて見た。

 これまでは病気になっても「痛いよう」「ゲーしたいよう」と大きな声で表現してくれた。

 しかし、今回は苦痛を訴える言葉を発することさえできない。



     ◇


 15、16日と妻が病院に寝泊りで看病。日中は私が付き添い、夜から朝にかけては妻が付き添った。

 土日に重なったことは、共働きの私たちには幸運だった。



     ◇


 月曜日のきょうは、妻は病院から仕事場に出かけた。

 続いて回診は私が応じた。回復が早く、きょう退院。


 うれしかった。


 息子は、3日間続いた点滴からようやく解放された。

 おれも妻も、病院内と外との両立生活から離れることができた。


 なにより、息子の満面の笑み。


     ◇


 入院を宣告されたとき、「おうちがいい」「病院いや」「帰りたい」と泣いた。

 点滴を手の甲の血管から入れるときは、暴れるので妻が息子に馬乗りになって息子を押さえ、二人の看護師さんが腕を押さえて針をようやく刺した。


 ちなみに父親は子どもの恐怖心を膨らませるということで、姿を見せないでくれとのことだった。



      ◇

 3日間、ご飯を食べるのも、絵本を読むのも、すべて右手1本でやった。


 点滴を外された現場には居合わせなかったが、大喜びだったという。


 退院には、仕事の合間を縫って立ち会った。



 入院棟を出たときの息子の笑顔。


 爆発的な笑顔。


 この世のすべての喜びを集め、自らが発光しているかのような顔。



      ◇


 病院の玄関口で、私は実感した。



 息子よ、お前が笑顔を見せてくれる限り、おれはどんな場所でも生きていける。
コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 親孝行したい | トップ | 傷病進化促進論 »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (福島ドナルド)
2008-11-18 01:23:28
とにかく良かったですね。
返信する

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事