キリストのあかしびと 公教会の教父たち

公教会(カトリック教会)の諸聖人、教父、神父らの伝記を掲載していきたいと思います。彼らは、クリスチャンの模範です。

リトアニアの英雄 聖カジミロ  ◆10-6、祖国の保護者

2018-09-10 02:02:04 | 聖カジミロ
『リトアニアの英雄 聖カジミロ』アロイジオ・デルコル神父著

◆10-6、祖国の保護者

 この奇跡的な勝利ののち、列聖調査はどんどん進んで、1520年の終わり近く完成した。1521年教皇レオ10世は、ついにカジミロを聖人として宣言したのである。列聖調査によく働いた人がいた。それは、イタリアのフェレーリ司教である。かれは、教皇使節となって、3年間もリトアニアとポーランドに滞在し、多くの資料を集めることができた。この司教は、この資料で調査を完成しただけでなく、聖カジミロの最初の小さな伝記をあらわした。またこの聖人をたたえる賛美歌や取りつぎを願う祈りまで作っている。

 この最初の伝記は、ラテン語で書かれ、1521年クラコビアで発行された。その82年後の1603年には、ビーリニュスの司教座聖堂付の一司祭グレゴリオ・スイエンチキスがすべての資料を集めて、長い伝記を書いている。

 聖カジミロの典礼祝日を早くも全世界の教会のために定められたが、現代の用語でいえば、記念日として祝うことになった。また、特別に、リトアニアとポーランドのためには、教皇クレメンス8世が、16Q2年に現代語の祭日にあたる祝い日に定めた。最近行なわれた列聖調査のあとでもこの祝日は以前どおりにつづいている。その祝日は帰天の日3月4日に行なう。

 典礼刷新以前にはかれのための典礼上の集会祈願として、次のものを使っていた。

「王家の快楽と世俗的な誘惑の中にあった聖カジミロを、忍耐と根気との徳をもって強め給うた王よ、願わくは、主を信じる人々に、かれのとりつぎによって、世俗のものを軽んじ、天の善のみに目をむけるおん恵みを与え給え」(バルバロ訳「毎日のミサ典書」1955年発行)。

 当時のラテン語原文の「聖務日課」に出る聖人朗読では、簡単な小伝を紹介していた。

 しかし、典礼刷新以後は、集会祈願は次のようになった。

「全能の神よ、あなたに仕えることは支配することです。聖カジミロのとりつぎを求めるあなたの民が、徳と正義の道をあゆむことができますように」(ミサ典礼書の和訳)。

 今のラテン語原文の「教会の祈り」に出る聖人の朗読は、別の著者からの抜粋で、とくに聖カジミロの善徳、愛徳、正義、潔白、謙遜などをたたえている。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。