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★ 一章 ポルトガルの守護の天使の出現

2016-07-09 07:57:00 | ファティマの聖母
アントニオ・アウグスト・ボレッリ・マシャド著(成相明人神父訳)『ファチマの聖母』1997年(原著初版1975年)

★ 一章 ポルトガルの守護の天使の出現

 聖母のご出現の前にルシア・デ・ジェズス・ドス・サントスと彼女の二人のいとこフランシスコとジャシンタ・マルトはポルトガルの守護の天使、またの名は平和の天使の出現を体験しています。この子たらは皆ファチマの町にあるアルジュストレルというに住んでいました。

◆ 天使の一回目の出現

 その天使は一九一六年の春もしくは夏、ロカ・ド・カベソといわれるアルジユストレルに近いカベソと呼ばれる丘の頂上に近い露頭岩のあるところで出現しました。以下はこの出現についてイルマ・ルシア自身が書いたものです。

「わたしたちがしばらくそこで遊んでいると強い風が吹いてきて木が揺れました。その日は天気が穏やかだったので、わたしたちは何が起こったのだろうと思って目を上げました。すると東の方角に広がっている土地に生えていた木のずっと上の方に、雪よりも白く、太陽の光を反射する水晶よりも光り輝いている透明な若い男の人の形をした光が見え始めました。」

「その方が近づくにつれてわたしたちはお顔を見ることができるようになりました。その方は十四、五歳の美しい若者でした。わたしたちはもう驚いて、ついうっとりしてしまいました。そして、一言も口を利くことができませんでした」

「近くにいらっしゃるとその方は『恐れなくてもいい。わたしは、平和の天使です。わたしと一緒に祈りなさい』とおっしゃいました」

「その方はひざまずいて額が地面につくまで頭を垂れて礼拝なさいました。わたしたちも超自然の霊感に動かされて同じようにしました。そしてその方が言われた言葉をそっくりまねしました。『わたしの神よ、わたしはあなたを信じ、あなたを礼拝し、あなたに希望し、あなたを愛します。あなたを信じず、あなたを礼拝せず、あなたに希望せず、あなたを愛さないものたちをお許し下さい」」

「その方はこの祈りを二回唱えた後、立ち上がってこうおっしゃいました。『こんなに祈るんだよ。イエズス様の聖心とマリア様の御心はあなたたちの祈りの声に耳を傾けていらっしゃるんだから』そして、その姿は見えなくなりました」

「わたしたちを取り巻いていた超自然の雰囲気はとても密度の高いものでした。ですからわたしたちは自分自身の存在さえ気付かないほどでした。その方が去った後も長いことわたしたちは同じ祈りを唱えながら同じ姿勢を続けました。神様がそこにいらっしゃることがよく分かりましたから、わたしたちは、互いに話そうともしませんでした。わたしたちは次の日もまだその同じ雰囲気に包まれていることを感じていました。それでもその雰囲気はだんだん消えてしまいました」

「だれもこの出現について人に話そうなどとは思いませんでした。またその出来事自体が沈黙を要求していたので、互いに沈黙の約束を交わすことさえも思いつきませんでした。それはとても内的な体験でしたから言葉に言い表すことが困難でした。これがわたしたちの印象に一番残った出現であったかもしれません。何しろ初めて体験した出現でしたから」

(回想録2の114、116ページ、4の318、330ページ、デ・マルキ51-52ページ、ウォルシュ39-40ぺージ、ガランバ・デ・オリヴェイラ52-57ぺージ参照)。

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