アントニオ・アウグスト・ボレッリ・マシャド著(成相明人神父訳)『ファチマの聖母』1997年(原著初版1975年)
◆35、マリア様の汚れない御心にロシアを奉献すること(5)
(注)
29 読者も気付かれるように、イルマ・ルシアはわたしたちの主と聖母の願いに関連する世界の出来事を把握しています。しかし彼女の知識は必ずしも普通の情報チャンネルによるものではありません。一九四〇年一月一十日、ゴンサルヴェス神父にあてた書簡の中で彼女はこう書いています。「わたしは長」が明確に命じるときだけ、この種のもの(長上が彼女に読ませることを望んだ雑誌の切り抜きなど)を読んでいます。それ以外のものに関して、長上はわたしが世間の出来事に煩わされないことを望んでいますし、わたしはそれに満足しています。わたしに好奇心というものはありません。主がわたしに何か知ることを望まれると、ご自分でそれを知らせて下さいます。そのために必要な手段など主にはいくらでもあるのです」(回想録420ベージ参照)。
30 秘密の第二部の中で、聖母は神がこの世界の罪を罰される懲らしめの後にくるその汚れない御心の勝利を預言なさっています。この文書の中でイルマ・ルシアは世界が神に「もっと完全な立ち戻ること」について語っています。これは一つ残らず、聖ルイ・マリ・グリニョン・ド・モンフォールがそのよく知られた「聖母マリアヘの真の信心」と後世の使徒たちのために求めている「火のような祈り」の中で預言しているマリアの君臨と見事に合致しています。聖人によると、マリア様はご自分が君臨なさるとき、魂の上に特別な支配力を行使しつつ宗教世界と世俗界両方の生活の中で中心的役割を果たされるでしょう。聖なる教会とキリスト教的文明のすばらしい復帰はこのようにして実現するでしょう。ファチマのメッセージはこの預言的ヒジョンがわたしたちの時代に成就される約束です。