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コロナワクチン無料接種、分科会で運用面を協議

2020-10-12 10:02:48 | 医療
コロナワクチン無料接種、分科会で運用面を協議 :市町村が接種勧奨、接種を受けることは「努力義務」に 2020/10/05 江本 哲朗=日経メディカル

 2020年10月2日、厚生労働省の厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会が開かれ、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン接種について、費用負担のあり方や予防接種法における位置付けなどの議論が行われた。ワクチン接種にかかる費用は全て国が負担し、予防接種法上の臨時接種に位置付けることで市町村が接種勧奨を行い、国民には接種を受ける努力義務を課すといった方針が事務局から示され、分科会委員らが了承した。

 これに先立って、内閣官房の新型コロナウイルス感染症対策分科会が2020年9月25日、「新型コロナウイルス感染症に係るワクチンの接種について(中間とりまとめ )」を作成しており、予防接種・ワクチン分科会ではこの内容に沿って運用面を協議した。

 COVID-19ワクチンの接種事業については、予防接種法第6条第1項、第2項の「臨時接種」をベースとして、基本的には現行の臨時接種に関する規定を適用し、一部を特例扱いとすることで了承された(図1)。内閣官房の分科会による「中間とりまとめ」でも、COVID-19ワクチンは「住民への接種を優先する」と明記されており、医療従事者など公共性の高い社会機能維持者への接種が優先される新型インフルエンザ等対策特別措置法第28条の「特定接種」の枠組みでは行わないことになった。


図1 現行法における接種類型と特徴(出典:分科会資料)


 接種事業の実施に関しては、国、都道府県、市町村で図2のような役割分担を行う。


図2 COVID-19ワクチン接種における国、都道府県、市町村の主な役割(出典:分科会資料)


 予防接種法の臨時接種では、実施主体が都道府県または市町村で、国が関与できる仕組みにはなっていないため、今回は市町村を実施主体とした上で、特例的に国がワクチン接種の優先順位などを決める体制にする。

 費用負担に関しては、ワクチンの費用だけでなく接種を行う医師に支払う技術料なども含めて特例的に国が全額負担を行い、自治体には負担を求めないことにする。また、国民からも実費徴収を行わず無料で接種できるようにする。しかし、今後の感染状況や新型インフルエンザ特措法の適用、ワクチンの有効性や安全性などの特性に応じて、この費用負担の取り扱いについては「見直しを検討していく」という文言が付記された。これについて厚労省の担当者は、「有効性・安全性の高いワクチンが承認され、それが十分な量確保された上で、基本的に初回の一連の接種事業については国が全額負担するということを方針として決めている。例えば複数回の接種が必要になったり、ワクチンの有効性・安全性がそれほど高くなかったりする場合は、費用負担の形を変えられるように制度設計している」と説明した。

 今回のCOVID-19ワクチンは原則として市町村が住民に接種勧奨を行い、国民には接種を受ける努力義務を課す。ただ、これについてもワクチンの安全性や有効性などの情報が定まっていないことから、「必要に応じて、例外的にこれらの規定を適用しないことを可能とする」と、変更の余地を残した。

 副反応疑い報告については、既存の予防接種法における副反応疑い報告の仕組みなどを用いる。健康被害の救済措置は、臨時接種の規定通り、高水準(障害年金1級なら年506万円、死亡一時金は4420万円など)の給付を行う。この給付水準に関しては、接種勧奨・努力義務の規定が将来的に無くなっても、変えないこととする。ワクチンの使用による健康被害によって損害賠償が必要になった場合は、製造販売業者などの損失を国が補償できるように法的措置を講じる。

 このほか、分科会委員からの主な質問と事務局の回答は以下の通り。

Q:ワクチンの費用負担について今回示された方針は、1回目の接種のことを想定しているのか。免疫を維持するためにはワクチンを繰り返し接種することが必要になる可能性もあるが、そのときも同じように無料接種を行うのか。

A:基本的に今回は、最初に行う一連の接種について方針を示している。

Q:国が複数のワクチンを同時に確保して、市町村ごとに製法だけでなく有効性や副反応の出方が異なるワクチンが割り振られるという事態も想定される。国民はワクチンを選ぶことができるのか。それとも住所地に応じて強制的にワクチンを割り当てられるのか。

A:複数のワクチンが承認されるケースも十分に想定される。そうなると、臨床試験の結果によって有効性を比較することも可能だが、そのデータをどう生かし、情報提供するかは今後の課題だ。また、複数のワクチンを確保する事態になった場合、どの自治体にどういったワクチンを割り振るかについても考えないといけない。ワクチン接種を完全に住所地に限るようなことをすると、例えば施設入所者などが接種困難になるといった事態が起きることは承知しているので、何らかの対策は考えたい。

Q:接種率の目標などはあるのか。

A:考え方として、有効性・安全性の高いワクチンが確保できるのであれば、接種率目標はできるだけ高くしたい。こうした理想は共有した上で、今後、ワクチンの開発状況に応じて判断していくことになる。

Q:予防接種事業が始まる前に、何らかのきっかけで接種勧奨や接種の努力義務を見直すようなこともあるのか。

A:例えばワクチンの臨床試験の結果が出たタイミングなど、予防接種事業が始まる前に接種勧奨や努力義務規定を見直すことはあり得る。今は、有効性・安全性の高いワクチンを確保できる前提で様々な体制を準備している段階だ。

Q:努力義務を課しても接種を拒否する人が出てくる可能性がある。そのときに「予防接種を受けない人は身勝手だ」などと周囲からバッシングの対象になったり、職場で不利益を被ったり、ある場所に立ち入ることができなくなったりするなど、不利益を被る可能性もあるが、そうした事態が起きないような仕組みが必要ではないか。

A:一般論で言えば、臨床試験などで評価できるワクチンの有効性というのは、接種を受けた個人の発症予防や重症化予防の効果だ。「ウイルスに感染しない」という感染予防効果や、接種していない人にも波及するような集団免疫効果は実証が難しく、今回のCOVID-19ワクチンでも困難だろう。そのため、接種しない人は周囲に感染を広げるかもしれない、などといった考え方は誤っており、国としても正しい情報を広めていくことが大事だと考えている。

Q:ワクチンの接種勧奨を行う場合は、リスクコミュニケーションも一緒に行う必要がある。接種前だけでなく、接種後に副反応が出たときに相談する先も確保してほしい。接種した医療機関、保健所に加えて、公的な相談窓口も必要ではないか。

A:相談体制については検討を進める。

https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t344/202010/567410.html

聖母への奉献(3)スカプラリオを理解するために6

2020-10-12 01:53:30 | 信心
男子跣足カルメル会『カルメル山の聖母 - スカプラリオを理解するために』ドン・ボスコ社

◆6、聖母への奉献(3)

 スカプラリオによってマリアに身を捧げる人は、その徳にならうだけでなく、さらに、聖母の誉れのために働き、聖母への崇敬を広めるよう努め、聖母が教会の中で占めておられる地位を知らせ、人を救うにあたってのその使命に協力すべきです。

 母を愛している子供は、母の関心事に深く心を用い、母のすばらしさを人々に示し、母が尊敬をうければ心に喜びを覚えます。スカプラリオを着けている人は、マリアに身を献げた者であり、マリアを母としてみとめ、他の人々からこの母が知られ、愛されることを望み、その時々に思いつく方法を用いて、聖母の特典と誉れとを擁護して、その崇敬を広めるでしょう。

 昔から、スカプラリオを通して、聖母が示された愛と慈しみの物語は、数多くあります。しかしそれを着ける人の側からも、聖母の誉れのために熱心に奉仕しながら、聖母のご好意に答えなければなりません。カルメル山のスカプラリオの信心は、自分の生活をマリアのそれにあやからせるという課題の追求としてとらえるならば、たしかに、内的生活の成長を促し、超自然的徳の実行を援け、洗礼の時うけた恵みの十全な開花へと人を導くものです。この信心は、スカプラリオを着ける以外にはなんら特別な外的つとめを必要としないかわりに、生活の内なる深さを要求し、キリスト者としての生き方そのものに根をおろし、神と教会への忠実な奉仕にますます忠実であるように勧め、希望にみちた動機をもって人々を励まします。

 こうした真剣な要請を含むこの信心は、それゆえ、惜しみない心の持ち主にふさわしいのです。人々は、マリアの助けのもとにその徳に倣うとは、ごまかしなしにキリスト教的完徳に向かって進むことに、ほかならないことを知るべきです。



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教皇ピオ11世「救治と手段」『ディヴィニ・レデンプトリス』

2020-10-12 01:53:19 | 格言・みことば
 しかしながら、自分に責任のある原因によらないで悲惨にあえぐ無数の貧困者を見、そのそばに、他人のことは考えないで遊惰にふけり、つまらないことのために莫大の金を浪費する富者があるのを見るにつけて、余は、正義がまだ十分に守られていないばかりでなく、愛の掟もまだ理解されておらず、毎日の生活に実践されていないことを認めて悲しまずにはいられない。

 それゆえ、尊敬すべき兄弟たちよ、余は、キリストの真の弟子たる者の貴重なしるしであり、特徴であるこの神聖な掟を、言葉とペンとをもって、もっとよく認識させるよう努力することを望むものである。この愛の掟は、苦しむ人々のなかにイエズス御自身を仰ぎ見るように教えるとともに、神にてまします救い主がわれわれを愛したもうたように、兄弟たちを、自己の生命を放棄し、これを犠牲にするまで愛する義務を課するものである。

 最後の審判の宣告において、至上の審判者が発するなぐさめにみちた言葉、しかしまた恐るべき言葉を、しばしば瞑想しなければならない。

「わが父に祝せられた人々よ、来るがよい。なぜなら、私が飢えたとき、あなたたちは食物をめぐんだからである。・・・まことに、あなたたちに言う。このもっとも小さい兄弟の一人になしたことは、みな、私になしたのであると」(マテオ25:34-40)。

 しかしまた仰せられるにちがいない。

「呪われた人々よ、私のそばを去って、永遠の火に入るがよい。なぜなら、私が飢えたとき、食物をめぐまず、私が渇いたとき、飲物をめぐまなかったからである。・・・まことに、あなたたちに言う。この小さき者の一人になさなかったことは、私になさなかったのであると」(マテオ25:41-45)。

教皇ピオ11世「救治と手段」『ディヴィニ・レデンプトリス』1937年3月19日(岳野慶作訳、中央出版社、1959年、pp.109-110)



聖ウイルフリド司教

2020-10-12 01:52:57 | 聖人伝
聖ウイルフリド司教                記念日 10月12日


 664年にイギリスのウイットビーで大きな教会会議が開かれた。そこは修道士と修道女両方が住む修道院を聖女ヒルダ院長が管理している所であった。会議の主な問題は復活祭の期日を定めることであった。これについてケルトの教会とローマ教会は異なる意見を持っていた。福者ベーダによると、キリスト教国のイギリスにおけるこの意見の相違を多くのキリスト信者たちが嘆いていた。
 オスウィ王が教会会議を司会し、唯一の神に奉仕する者は皆一つの規定を守るべきであると言った。リンディスファーンのコルモン司教は、復活祭を守るためのケルトの規定は正しいと主張して、復活祭の日を決定する方法は聖ヨハネから伝わったと言った。これに対して聖ウイルフリドは「聖ヨハネを愚かだと言うつもりはありませんが、ローマ教会の復活祭を決める方法は聖ペトロから出ています」と言った。これを聞いたオスウィ王は次のように言った。「ペトロは天国の門番です。主が王国の鍵を彼に与えられたのですから、私は彼に従います。そうしなければ、私が主の国の門に着いた時に、ペトロは私のために門をあけてくださらないでしょう。」
 ウイルフリドは、ノーサンブリアの領主の息子で、はじめリンディスファーン、次にローマで勉強して司祭に叙階され、30歳の時に司教に任命されてイギリスの北部の教区を統治し、709年に帰天した。


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