「天狗の中国四方山話」

~中国に関する耳寄りな話~

No.714 ★ 多くの日本人が知らない!「米中戦争」巻き込まれた日本の「悲惨すぎる」末路…中国の「核報復」受ける可能性

2024年10月07日 | 日記

現代ビジネス (布施 祐仁:ジャーナリスト)

2024年10月6日

(PHOTO)gettyimages

知らぬ間に「米国のミサイル基地」と化していた日本 日本にとっての「最悪のシナリオ」とは?

 政府による巧妙な「ウソ」とは一体…? 国際情勢が混迷を極める「いま」、知っておきたい日米安全保障の「衝撃の裏側」が、『従属の代償 日米軍事一体化の真実』で明らかになる。 ※本記事は布施祐仁『従属の代償 日米軍事一体化の真実』から抜粋・編集したものです。

台湾有事が核戦争にエスカレートする危険

2021年春、アメリカで出版された一冊の小説が安全保障関係者のあいだで話題になりました。 邦訳本のタイトルは『2034 米中戦争』(二見書房、2021年)。NATO欧州連合軍最高司令官などを歴任したジェイムズ・スタヴリディス退役海軍大将が、元海兵隊員の作家エリオット・アッカーマンと共に執筆した小説です。

 2034年のある日、南シナ海で米海軍と中国海軍の艦船による衝突が発生し、米駆逐艦2隻が中国の空母機動部隊によって撃沈されます。中国は同時に台湾への侵攻を開始。中国軍のサイバー攻撃を受けて指揮・統制機能が麻痺した米軍は、劣勢を強いられます。

 中国は米本土のインフラにもサイバー攻撃を仕掛け、大規模停電やインターネットの遮断が発生するなどアメリカは大混乱に陥ります。通常戦力では形勢逆転が困難と判断した米大統領は、ついに中国本土への戦術(戦域)核兵器による核攻撃を命令。南シナ海から始まった米中の衝突は、破滅的な核戦争へとエスカレートしていきます。

「警告の物語」としてこの本を書いたというスタヴリディスは、共同通信のインタビューで「米中の戦争がいかに背筋の凍るものになるか想像し、回避策を考えるべきだ」と訴えています(沖縄タイムス、2021年7月6日)。

 小説はあくまでフィクションですが、台湾などをめぐって米中間で戦争が発生した場合、それが核戦争にエスカレートしていくというのは、けっして空想的なシナリオではありません。それを示しているのが、1958年に起きた「第二次台湾海峡危機」です。

米中の緊張高まった「第二次台湾海峡危機」

1958年8月23日夕刻、中国は金門島、馬祖島に対する武力攻撃を開始します。両島は中国福建省の沿岸部に位置する離島で、台湾の実効支配下にありました。

当時の中国は今とは異なり、台湾を「武力解放」する方針をとっていました。実際、この4年前にも金門、馬祖を含む台湾の離島を攻撃し、浙江省の沿岸部に位置する大陳島と一江山島を占領していました(第一次台湾海峡危機)。 中国の攻撃を受けて、米国は直ちに第七艦隊を派遣しました。米華相互防衛条約では金門・馬祖島は防衛範囲に含まれていませんでしたが、第一次台湾海峡危機後の1955年に米議会で「フォルモサ(台湾)決議」が採択され、金門・馬祖島も含む台湾の防衛のために軍を派遣する権限が大統領に与えられていました。

米軍幹部たちは、中国本土に対する核攻撃の必要性を強く主張しました。 元国防総省職員のダニエル・エルズバーグが2017年に自身のホームページで暴露した1958年台湾海峡危機に関する極秘報告書によると、米軍は第一段階として中国の攻撃拠点となっている数ヵ所の航空基地と砲台を10~15キロトンの小型核爆弾(広島型原爆は15キロトン)で攻撃する作戦を検討していました。

米軍トップのネイサン・トワイニング統合参謀本部議長は、台湾海峡危機への対応を協議する会議で、「中国の飛行場と砲台を小型核爆弾で攻撃する必要がある。国防総省のすべての研究結果は、これが(中国に勝利するための)唯一の方法であることを示している」と発言していました。 1962年に米空軍が作成した「1958年台湾危機の航空作戦」と題する報告書は、核兵器の使用が必要だと考えたのは「敵の数的優位に対抗するために最も効果的な方法は核兵器を使用すること」であったからだと記しています。

当時、運用できる航空機の数や作戦に使用できる航空基地の数では中国が圧倒的に優位に立っており、核兵器を使用しない通常の航空作戦では勝ち目はないと、米空軍は考えていました。

台湾や沖縄が「核報復」受けた可能性

写真:現代ビジネス

米軍が策定していた台湾有事の作戦計画では、数ヵ所の航空基地や砲台に小型核爆弾を投下しても中国が攻撃を止めない場合、上海などの都市を攻撃する計画でした。 しかし、それを実施した場合、ソ連も参戦し、台湾本島や米軍基地のある沖縄に対して核兵器による報復攻撃を行う可能性が高いと米軍は分析していました。 これについてトワイニング統合参謀本部議長は、「台湾の沿岸諸島の防衛をアメリカの国家政策とするならば、(核報復という)結果は受け入れなければならない」と主張しました。

結果的に、アイゼンハワー大統領が許可しなかったため、米軍が計画していた中国本土への核攻撃は行われませんでした。中国の攻撃は金門・馬祖島への砲撃に限定され、周辺に展開する米軍艦船を攻撃することもなかったことから、両島の占領や台湾本島への侵攻の可能性は低いと判断したためです。

しかし、もしもこの時にアイゼンハワー大統領が核攻撃を許可していたら、米軍の分析どおり台湾や沖縄が核兵器による報復を受けていたかもしれません。 現在の米国も、核兵器の先制使用の選択肢を捨てていません。将来の台湾有事でも、通常戦力だけでは中国の侵攻を防ぐことが困難な状況に陥った場合、米国が再び核器使用の誘惑にかられる可能性は否定できません。

その時、日本に米国の戦域核兵器が前方配備・展開していれば、中国の戦域核兵器の攻撃を受けるリスクが日本に降りかかることになります。 >>議論の内容を詳しく知りたい方はぜひ「米国を「恐怖の底」へ突き落とした中国!米国が日本を「犠牲」にしても守りたいものとは一体…」からお読みください。

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