僕は君を知らない。だけど君は僕を知っている。

いわゆるバックアップだとお思い下さいませな。
しかし、先は不明。

初めての玉置神社 その5 

2005-06-25 22:26:06 | 流離道行
玉置神社 初めての玉置神社 その1・2・3・4からお読み下さい


タクシーを待つ事約40分。

その間に私とHさんは、整備された駐車場まで歩いて戻りました。
(そこまでしか、一般の車の乗り入れは許されていない)

秋の日暮れで、しかも山の頂上辺りなので、かなり肌寒くなってきてました。
そして、二人で今後の予定を話し合いました。

まず、次は本宮のつもりでしたが、これから本宮まで行って夜になって
暗くなっているようなら、熊野本宮大社は、明日にまわして速玉と那智と
本宮の3ケ所を明日一日で、全部まわってしまうように変更したのです。

そうこうしているうちにタクシーが到着しました。

タクシーの運転手さんにすれば、えらくカジュアルな格好をした男性でした。

二人で事情を説明して、麓まで乗せてもらう訳では無く自分達の停めてしまった
車の所まで戻りたいのだという事を伝えました。

タクシーに乗せてもらいお話させて頂くと、その運転手さんが
「いや~、なるほど理由がわかりましたよ。」というのです。

私とHさんが続けて話を聞いてみると、この男性はこのタクシー会社の経営者
の男性でした。

自分の会社の他の運転手さんが皆出払っていたので、この男性がここまで
やってきてくれたらしいのです。
(どおりでえらくカジュアルな格好だと思いました。)

麓のタクシー会社に電話をした時、その会社で受付の女性と私達の電話を
不思議に思っていたそうです。

普通タクシーを山上の玉置神社まで呼ぶ人というのは、登りの行きもタクシー
を使うはずなのに、誰も私達を乗せた運転手がいないということでタクシー
会社の人は、変だなぁと思っていたようなのです。

ただ、その時その経営者の男性が言うには、わざわざ修業という事で
この玉置神社までの道を歩いて登る人もいるので私達も、そのパターン
なのかもしれないなぁと思いながら来たそうです。

「えっ!修業の為にわざわざ、あえて歩いて玉置神社まで登る人もいるんですか?」
と聞くと

「います。」という答えでした。

「ただし、やはり普通の整備されてある舗装道路を登るので、お二人が登った
山道は通りません。
あの道は地元の人間もほとんど使いません。
山の中でお二人が見た動物は多分鹿か猪だと思いますが、熊が出る可能性もある
ので危険ですよ。」という話でした。

そして
「色々な方を乗せるので、びっくりするようなお話を伺う事もあります」
と言うではありませんか。

なんだか興味をそそられ、私達の車の所まで行ってもらう間、今まで乗せた事のある
人々の話の一端を、その方からお伺いしたのです。


続く…





初めての玉置神社 その4 

2005-06-25 22:08:18 | 流離道行

玉置神社 初めての玉置神社 その1・2・3からお読み下さい。
 

私とHさんが30分ぐらいかけて、やっとその小高い山を越えた時、二人の
目の前に広がっていたのは


車50台はおける整備された広~い駐車場でした 



御丁寧に、駐車場隅には男女別のトイレまで完備されており、その駐車場の
向こうに、すごく大きい鳥居がありました。

いったい私達の、この約3時間以上かけて歩いてきた山道は何だったのか。

二人共、あほらしいやら、笑えるやら、疲れやら、情けないやら……。

結局、自分達のせいなので誰に文句を言っても仕方無いのですが、こんな時
人間つい何かのせいにしてしまうもんですねぇ。

私達がブーブー言ったのは、紛らわしい三角の矢印型の看板についてでした。

そして今後は、神社の本殿を目指したのですが、その大きい鳥居からも神殿は
見えず、今度は幅3m~4mぐらいの道がず~っと続いているのです。

二人して今度は、かなり広い道を歩いていきました。

鳥居から玉置神社本殿までも、はっきりいってかなりの距離があり、途中で
また細い道を通り抜けてやっと、やっと、神社が見えてきました。

御手水で手を洗い、参拝し、見たかった襖絵も見ました。

さぁ、これから私達の停めてしまった車の所まで又どうやって戻るのかが
二人にとっては大問題でした。


なんとHさんは、又、あの山道をずっと歩いて戻る気でいました!


ひぇ~やぁめぇてぇ~~~!

熱でフラフラの私は、とてもじゃありませんがもう一度、あの山ん中を歩いて
戻るのはごめんでした。

その時点で夕方4時近かったので、歩いて戻るとヘタをすると、山の森の中で
日が暮れてしまう可能性もあります!
(山の日暮れは早い

私は、その時玉置神社境内にいた白い修験道の服を着ていた、年配の男性に
思いきって話かけ事情を説明しました。

その修験道の人が言うには
「わしらでも今は、あんなとこ歩かんで!」でした…。

もう修験道の方々でも通らなくなった山道を私達は歩いてきてたのです。うっ…。

そして、その方が言うには社務所に電話があるので、そこから麓のタクシー会社
に連絡し、ここまで迎えに来てもらい、そのタクシーに乗せてもらって車の所
まで戻ってはどうかと言ってもらいました。

こんな山の中なので電話が繋がっているのかどうかも知らなかったし麓に
タクシー会社があるのまで教えてもらい聞いて良かったと私はつくづく
思いました。

そして社務所から私達ははタクシー会社に電話をし、玉置神社まで車を1台
まわしてもらうことにしました。


続く…





初めての玉置神社 その3

2005-06-25 21:47:10 | 流離道行
玉置神社 初めての玉置神社 1・2よりお読み下さい。

車を降りて、山道を歩き始めてから2時間以上経った頃、急に目の前に
きちんと舗装された道路が現れました。

いえ、正確にいうと私達の立っている山道地面から4メートル程に!

山の中ではよくあると思うのですが、山の舗装された道路というのは山肌を
崩して整備されているので、道路の横は元の山の高さをそのまま残してある事が
多いのです。

私達が2時間以上かけて登ってきたケモノ道のような山道はきちんと
鋪装された道路がずっと整備されていたのです…。

また、その4メートル下の道路に山から下りるのも大変でした。

何故なら山道はその上でプツンと途切れており、足場といえるものが
無くなってしまっていたのです。

私とHさんは這うようにしてズルズルとゆるい崖のような山肌面を滑り降りて
やっと舗装された道路に下りる事が出来ました。

しかし、道路に降り立って辺りを見回してみても、その時点でもやはり玉置神社の
鳥居の影すら見えません。

その時Hさんが声をあげました。
「かなんさん、こっちの山に玉置神社まで、後30分って書いてあるよ!」
と言うのです。

その山というのは私達が歩いて来た山を下り、舗装された道路を挟んだ反対側の
山のことです。

見てみるとあの矢印型の木の案内板でした。

そして、やはり今まで歩いて来た山道のような道がまた細々と続いているのです。

私とHさんは二人で少し考えました。

鋪装されてある道路もあるが、この道路には私達に見えるところに案内板も
何も無く、きちんと玉置神社に続いている道なのかどうなのかよく分からない。

こちらの山道は一応案内板があるので、歩いていけば必ず玉置神社には着くだろう
という結論に達したのです。

そして二人でまた、その向かいの山の細い山道を登り始めたのです。



続く…